内閣総理大臣 織田信長
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『内閣総理大臣 織田信長』（ないかくそうりだいじん おだのぶなが）は、志野靖史による漫画作品。白泉社刊行「ヤングアニマル」に1994年から1997年まで連載されていた。単行本全8巻。
目次 |
[編集] 作品概要
混迷続く日本。そんな中412年ぶりに成立した織田政権。非常に高い支持率と共に政権をスタートさせるが、所信表明演説でいきなり「泣かぬなら殺してしまえホトトギス」と暴言を吐き支持率は急落。その後も、解散と称して国会議事堂を爆破解体したり、東京ドームに全省庁を移転させたりと思いつきのままに政策を実行していく。果たして日本の行く末はどうなるのか。
注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。
[編集] 主な登場人物
- 織田信長
- 本作の主人公。内閣総理大臣。新党のぶなが党首。
- 子供のように純粋で、常識に囚われず、物事を根本から考え直す発想力と、だだっ子のような実行力を併せ持つ。（おそらくは）平和主義者だが、核兵器全廃条約文書を偽造するなど、その手法は強引そのもの。国内外の諸問題に対し、常識外れの政策を打ち出し、その大半は（当初の目論見とはいささか異なる形で）成果を上げている。しばしば、無謀な行動を取って肉体的な窮地に陥り、秀吉らに救出される。現代人とは段違いの体力の持ち主。容姿にもかなりの自信があるようで、美人税(容姿で得をしている人間に課せられる税)に対してワシは一体いくら取られるのだ？とボヤく一面もあったり、年齢自由化法案で1534年の生まれだから「33歳」で申請するものの、千代田区役所に51歳(この法案ができたのが信長が現代に来てから2年後の1996年)と処理され、信長の要求が棄却されて、自信のアイデンティティーを傷つけたを言って、国を訴えるなどの困った面がある。
- 羽柴秀吉
- 大蔵大臣、外務大臣、通産大臣、科学技術庁長官、他３つの大臣職を兼任。
- 信長の右腕で、可能な限り彼の意に沿おうと努力するが、異常事態の収拾に走り回らされることも多い。壁に挟まった信長を救出するために、大蔵省を爆破解体（そのまま組織的にも解体）したことさえある。なぜか、現代にタイムスリップしたとされる連載中では一番武将らしくない外見が特徴で、髪型も現代風のリーゼントスタイルの上、スリーポイント仕様のメガネをかけている。阪神タイガースの10連覇を公約にあげて、大阪選挙区からトップ当選をした。
- 徳川家康
- 農林水産大臣。別名をミスター農林。新党のぶなが徳川派会長。信長とは幼少時からの盟友。
- 非常に保守的な性格。そのため飛行機に乗れなかったり、保守色を打ち出しすぎて選挙で苦戦したり(静岡選挙区で出馬した際、女子高生に鎖国しそうとバカにされている)、挙句の果てには運転免許証を取得するも交通教習ビデオを見て車の運転を怖がって免許証を封印するなどと言った慎重で臆病な一面がある。しかしながら、その都度信長の支援で乗り切っている。野党連合の陰謀により、徳川派は衆議院を解散に追い込んでしまったが、信長は快く彼を許した。鈍重そうな外見に似合わず、運動能力は非常に優れている。しかし、太りすぎを気にして、ダイエットに励む一面も。また、自衛隊の改正案には非常に否定的な面があり「軍備が疎かにならなくても国は滅びないのだが、農業が疎かになると国は滅ぶのだ」と言う持論を持っている。
- 柴田勝家
- 防衛庁長官。
- あまり有能ではないらしく、本来彼が指揮を執るべき場面でも、有効な行動は取れていない。お市との結婚を信長に反対され、秀吉の協力のもと、昭和基地まで駆け落ちし、ようやく認められた。
- 森蘭丸
- 内閣官房長官。秀吉とコンビで行動していることが多い。
- 生真面目で融通の利かないところがあり、ODAに対する信長との意見の違いから、辞表を提出しようとしたが、秀吉に慰留された。女装がさまになる容姿の持ち主で、お市・勝家の駆け落ちの際には、都内から逃走するお市の影武者を務めた。
- お市
- 信長の妹。私人だが、信長の執務室にもよく出入りしている。
- 気が強く、よく信長をいさめているが、結局は似たもの兄妹で、味覚や発想、顔の骨格は信長と似通っている。
- ビル・クリリントン
- アメリカ合衆国大統領。物語上、信長のライバルに近い位置を占めている。
- 偵察衛星を使って信長を脅迫しようと試みたこともあるが、脅迫し返されて不発に終わった。
- ボリス・リエツィン
- ロシア連邦大統領。信長の破天荒な所業（自衛隊を率いて雪祭りに参加）に振り回される役回りを演じた。
- だが本人も泥酔しながら部下に「酔っ払ってるんじゃないかお前」と言うなど、完全にボケキャラとして扱われていた。
なお、本作中に濃姫や浅井長政・明智光秀は存在していないようである。(千利休は衆議院議長として存在していた) また名前だけではあるが、西郷隆盛が紙幣投票・鹿児島選挙区で登場した。(ちなみに、西郷は第1巻の「大西郷伝」と言うショートギャグにも登場している。
[編集] 新党のぶなが及び、織田内閣が打ち出した政策
ほとんどが信長の私情絡みの政策で、これに秀吉が露骨に冷たい態度をとったり、呆れ果てたりする事が多く、結果として「瓢箪から駒」のような結果になると、秀吉は「私が愚かでした」と信長の私情を、単に「時代の先読みによる深読み」と勘違いする事が多いのが特徴。
- MHK（作中の公共放送）に第3の放送局開始：MHKの総合・教育の他に「MHKちょんまげ」と言う時代劇専門チャンネルを作り、自ら「華の織田信長」と言う大河ドラマに出演。これに秀吉は「私情絡みも甚だしい」と呆れ果て、官邸に届けられたMHKちょんまげの読者の手紙を「抗議文章」と読まずに否定したりしたが、老人の視聴者からの意外な大反響に秀吉は「殿の考えを判らず否定して、私が愚かでした」と言うものの、実際は信長の単なる私情絡みによる法案だった。
- 織田総理自ら競馬に出走：信長が競馬の予想をして、その予想に乗った人間の馬券は壊滅状態で大規模デモが起こる騒ぎに。結果賠償金の補填と、戦国武将の乗馬テクニックを見せようとするが、見事に惨敗。しかしながら、秀吉の機転で賠償金問題は解決される
- ニセ札製造：国家的の赤字を信長は、国家として破産宣告を打ち出そうとするが、周囲の反対によりニセ札を作って、国家的赤字を補填する
- 名古屋ドラサンズ(中日ドラゴンズのモデル球団)の監督就任：万年Ｂクラスのドラサンズの監督に就任し、火縄銃の弾をバッティングすると言う大胆な練習方法を取り入れ、打線は爆発するものの、火縄銃を相手にしているせいもあり、スローボールには全く対処できず、結果はBクラスのまま。しかしながら選手査定を細かく打ち出し、星野仙一らしき人物に「成績はともかく、去り際は名将」と言わしめた
- 核兵器廃絶：1995年リヨンサミットにて、思い出のアルバム(実は外交文書)に列国首脳のサインをさせて、アニメを見せて拍手喝采のシーンを盗撮し、国連に核兵器廃絶がサミットで採択されたとでっち上げ報告を行う。この時、酔っていた為、記憶があやふやだったボリス・リエツィンが「この事に関しては、肯定もしないが、否定もしない」と言った事から、結果・クリリントンがこの外交文書の存在を認める事に。
- 紙幣改正：これは2回行われ、最初は1000円札に秀吉・5000円札に千利休・10000円札に家康の肖像画を載せ、自身は1千万円札の肖像画に載るが、1千万円札の流通度があまりにも低いために、結果見た人間がほとんどいないまま廃止された。次に、47都道府県の1万円札を地域毎に設定して、地方分権の主張と言っていたものの、実際は大阪府の秀吉・静岡県と東京都の家康の紙幣に、信長が図々しく写って、自身の地元の愛知県の1万円札の肖像権を確保し、東京・静岡・愛知・大阪の4都府県の1万円札ジャックを試みるも、愛知県の紙幣案はイチロー似の「さわやかイチーロ」になってしまい、これをニュースで見ていた信長は泡を吹いて気絶した上「天下の総理よりも、1991年ドラフト4位のほうがそんなに偉いのか？」と悔し泣きをする有様だった。
- 自衛隊民営化
- 美人税創設
- 年齢自由化 等多数。
[編集] 書誌情報
- 第1巻（1994年10月31日発行） ISBN 4-592-13161-4
- 第2巻（1995年5月31日発行） ISBN 4-592-13380-3
- 第3巻（1995年10月31日発行） ISBN 4-592-13381-1
- 第4巻（1996年4月30日発行） ISBN 4-592-13382-X
- 第5巻（1996年9月30日発行） ISBN 4-592-13383-8
- 第6巻（1997年3月31日発行） ISBN 4-592-13384-6
- 第7巻（1997年9月30日発行） ISBN 4-592-13385-4
- 第8巻（1997年11月30日発行） ISBN 4-592-13386-2
