佐竹義重 (十八代当主)
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佐竹 義重（さたけ よししげ、天文16年2月16日（1547年3月7日） - 慶長17年4月19日（1612年5月19日））は戦国大名。
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[編集] 系譜
本姓は源氏で、河内源氏の八幡太郎義家の弟・新羅三郎義光の流れを汲む名族で、常陸守護職家である佐竹氏の十八代当主。十七代佐竹義昭の嫡男。妻は伊達晴宗の娘。 子に出羽秋田藩初代藩主佐竹義宣、蘆名義広、信濃川中島藩・出羽亀田藩初代藩主岩城貞隆、多賀谷宣家（岩城宣隆）。
[編集] 略歴
[編集] 家督相続と勢力拡大
永禄5年（1562年）、父・義昭から家督を譲られるが、永禄8年（1565年）に義昭が死ぬまでは、実権を持たなかった（異説あり）。1565年に父・義昭の死により佐竹氏の常陸統一は遠のき、反勢力の反攻が始まった。
しかし、永禄12年（1569年）、手這坂の戦いにて小田氏治に大勝して小田城を奪取した。元亀3年（1572年）には白河結城氏を配下に置いた。さらにその前後には縁戚関係も利用して（岩城親隆の妻が義重の妹）岩城氏も事実上傘下に収めた。天正2年（1573年）には再び氏治と戦って、その所領の大半を併合するなど、活発に勢力を拡大していった。
[編集] 北条氏・葦名氏との対立
この頃から、関東制覇を目指す北条氏政と敵対するようになった。北方でも会津の蘆名盛氏の南下などもあり、二正面作戦を強いられ窮地に追い込まれはじめる。
これを打開するために、結城氏や宇都宮氏と同盟を結んで氏政と対抗したり、畿内の羽柴秀吉と懇意になるなど同盟を重視して味方を増やした。しかし、天正13年（1585年）に下野に進出した北条軍の猛反攻にあって、不利な状況下においての和睦をせざるを得なくなった（沼尻合戦）。
[編集] 北条氏・伊達氏との対立
この頃になると、奥州では蘆名盛氏の死後、当主が次々と早世したため蘆名氏の勢力が衰退した。代わって伊達氏の新当主伊達政宗が、積極的に勢力を拡大していた。
義重は政宗の勢力拡大を危険視して、天正13年（1585年）には伊達氏と対立する二本松畠山氏救援の名目で蘆名氏との連合軍を結成し奥州に出陣、人取橋で会戦する（人取橋の戦い）が劣勢の中、兵を退いた。次いで天正15年（1587年）には、次男の義広(蘆名義広)を蘆名氏の養嗣子として入れることで政宗と対抗しようとした。
天正17年（1589年）に義広は摺上原の戦いにおいて伊達氏に大敗を喫し、白河結城氏、石川氏といった南奥諸氏は伊達氏に寝返る。これにより佐竹氏は南から北条氏直、北から伊達政宗という二大勢力に挟まれ、滅亡の危機に立たされた。
1589年、子の佐竹義宣に家督を譲って隠居したが、実権は握ったままであった。
[編集] 豊臣氏への服従と常陸統一
天正18年（1590年）、かねてから懇意にしていた豊臣秀吉の小田原の役が始まると、義重は義宣とともに小田原の秀吉に参陣した。これにより義重は、秀吉から常陸54万石の支配権を認められ、一気に状況を挽回することに成功した。
秀吉の後押しもあり、常陸中部に勢力を振るっていた江戸重通を攻め、水戸城から追い出し、また府中の大掾氏を降した。また、天正19年（1591年）2月には鹿島・行方両郡の南方三十三館と称される鹿島氏など大掾氏一族の国人領主を太田城に招き、皆殺しにするなど、常陸国内を統一した。
[編集] 関ケ原の戦いと出羽への移封
その後は義宣に実権を譲渡して、太田城にて悠々自適の隠居生活を送り、「北城様」と呼ばれた。1600年の関ケ原の戦いにおいては、子の義宣はかねてから懇意にあった石田三成の西軍につこうとしたが、時流を見ていた義重は徳川家康の東軍に与するように述べて、父子は対立。このため、義宣はどちらにも付くともいえない曖昧な態度を取り、戦後の慶長7年（1602年）に佐竹氏は出羽久保田18万石に減移封された。
久保田移転後は相次ぐ反佐竹一揆に対応するため、義宣とは別に六郷城に居を構え所領南部の見張りを行っていたが、慶長17年（1612年）4月19日、狩猟中に落馬して死去した。
[編集] 人物
- 義重は智勇に優れていた。かつて北条軍と戦ったときなどは、七人の敵を一瞬で斬り伏せたとまで言われており、その勇猛から『鬼義重』、『坂東太郎』の異名を取った。また、幼い頃から聡明であったらしく、10歳頃には父に代わって実際の政務を行っていたことを裏付ける手紙も残されている。
- 「鬼義重」という異名が原因かどうかは定かではないが、義重の肖像画は甲冑しか描かれていない。
- 就寝時に敷布団を使わず、薄い布だけ敷いて寝ていたという逸話がある。出羽に転封された後、「北国は寒いから」と子の義宣から寝巻きと敷布団を送られて使ってみたものの結局気に入らず再び敷布団を使わなくなったという。
- 甲斐源氏の嫡流を巡って武田信玄と書簡を交わし議論したという逸話がある。
