伯方島

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伯方島

座標	北緯34度12分東経133度07分
面積	20.84km²
海岸線長	53.5km
最高標高	304m
所在海域	瀬戸内海
所属国・地域	日本（愛媛県）

伯方島（はかたじま）は、瀬戸内海中部にある越智諸島の島。2005年 1月16日の旧越智郡伯方町と今治市他の合併により、今治市の一部となった。瀬戸内しまなみ海道により本州及び四国と「陸続き」である。島の南部に西瀬戸自動車道の伯方島インターチェンジがある。造船所3社があるほか内航船主体ながら船主の集積も見られ、海運と造船の島として知られる。また、「伯方の塩」の発祥の地としても有名である。

「はかた」と読むのは難読の部類に属する。しかも、2005年の合併前までは同じ越智郡の中に波方町（なみかたちょう）があり、混同されることもあった。

[編集] 自然

山　
- 宝股山　島の最高峰
- 開山（ひらきやま）　桜の名所として知られる。
海峡

近くの島々との海峡は潮流も急で、特に大島との間の船折瀬戸、大三島との間の鼻栗瀬戸は急潮で知られる。

[編集] 産業

[編集] 第一次産業

農業　柑橘、花き栽培（菊など）
水産業（クルマエビ養殖）

[編集] 第二次産業

造船業 - 島内に3造船所
製塩業 - 島内に2社あり：伯方塩業（伯方の塩）、伯塩産業（調理の塩）の生産で全国的に有名。）
縫製業

[編集] 第三次産業

海運業　船主が多数島内に存在している。船舶貸渡業主体である。

[編集] 社会

かつては塩田を用いた製塩業が栄えたが、塩田は廃止され、跡地はクルマエビ養殖場などになっている。
造船業が盛んで、近隣の島からも造船工が通ってくる島である。
大島、大三島とともに三島五町（さんとうごちょう）と呼ばれる、越智郡島しょ部の中心に位置し、法務局出張所や電話会社や電力会社の営業所が置かれるなど、地域の中心である。ただ、しまなみ海道など交通の便の向上と、過疎化にともなう利用件数の減少に伴い、法務局出張所は廃止されている。

[編集] 文化

海にちなむ文化がいきづいている。

矢崎浜のえんこ（河童）石（古民話）

伯方島の南岸、船折瀬戸の近くの矢崎浜あたりの海に、その昔河童（エンコ）が棲みついていた。河童は砂浜で遊ぶ地元の子どもたちや、通りすがりの人によくいたずらをして、人々を困らせていた。一計を案じた村人が、砂浜でこのかっぱを生け捕りにした。捕まえられた河童は村人たちに、「もう二度と悪さはしません。助けてください。そのしるしに証文を渡します。」と涙ながらに謝ったという。村人たちもやがてかわいそうになり、縄をほどいて放してやった。河童はたいそう喜んで、沖の方に向かって大声で叫んだ。すると河童が大勢で海の中から大きい石を担いできて、砂浜へ担ぎ上げ、「この石が証文だ」と告げ、石を置いて海に帰っていったという。

その日から河童は姿を現わさなくなったという。村人はこの石を「えんこ石」と呼び、大切にしたという。今日、矢崎浜には「えんこ石」の石碑が建っている。

子どもが一人で海で遊ぶと波にさらわれて危ないということを戒めるための話と思われるが、同様の河童話は明浜町（愛媛県西予市明浜町）や愛南町（愛媛県南宇和郡愛南町）などにもある。

エンコは河童のこと。「石碑」は「えんこ石」とひらがな表記のため、文中、原則としてひらがな表記とした。

[編集] 交通

[編集] 道路

高速道路

本州四国連絡道路の1つ、しまなみ海道（西瀬戸自動車道）が通る島の1つであり、伯方・大島大橋で大島と、大三島橋で大三島と結ばれている。

島内には伯方島インターチェンジがある。

国道

国道317号

県道

愛媛県道50号伯方島環状線

[編集] 海上交通

港湾　木浦港（きのうらこう）、北浦港、熊口港（くまごこう）、尾浦港

木浦港

島の東部、かつての役場があり、民家が密集している島最大の集落。港の近傍には、造船所2社があるほか、停泊している船舶も多い。
フェリー航路

芸予観光フェリーによる今治港～土生港（因島）航路が寄港していたが、2006年（平成18年）5月1日に今治-友浦（大島）-木浦間は休止され、木浦-岩城（岩城島）-佐島-弓削（弓削島）-生名（生名島）-土生（因島）間のみにて運航されている。一日4往復。

快速船

今治港～土生港間の航路が寄航している。寄港地は上記に加え、今治-友浦-木浦。一日9往復、芸予観光フェリーが運航。; 芸予観光フェリー時刻表
尾浦港: 島の南部、大島の宮窪に向き合った位置にあり、宮窪との間にフェリー航路がある。
熊口港（くまごうこう）: 島の西部、大三島と向かい合った、鼻栗瀬戸に近い小さな港。かつては、今治～三原航路の寄航があったが西瀬戸自動車道（瀬戸内しまなみ海道）の開通により、いったん廃止された。その後、2005年（平成17年）10月1日からせと観光ボート有限会社の今治-三原間の高速船が寄航開始した（運航主体は交替）。2006年9月1日現在、一日4往復が熊口港に寄港している。; せと観光ボート時刻表
その他: 上記のほか、かつては、島の北部の北浦港からも生口島へのフェリー航路があったが西瀬戸自動車道（瀬戸内しまなみ海道）の開通により、廃止された。