介護サービス事業者の種類
出典: フリー百科事典『ウィキペディア（Wikipedia）』
介護サービス事業所は、介護保険制度において、加齢に伴って生ずる心身の変化に起因する疾病等により要介護状態となったもの（要介護者等）に対し、これらの者がその有する能力に応じ自立した日常生活を営むことができるよう、必要な保健医療サービス及び福祉サービス（総称して介護サービスという）を提供する事業所。
一般には、一定の要件を満たして都道府県の事業所指定を受けた指定介護サービス事業所を指すが、広義には、保険者（市町村）がそのサービスについて一定水準を満たすと認め、在宅給付を行う基準該当介護サービス事業所も含まれる。
介護保険法では、在宅の要介護者等に対し介護サービスを提供する#居宅サービス事業者と、要介護者を入所させて介護サービスを提供する#介護保険施設が定義されているが、これらを包括した概念である介護サービス事業者は定義されていない。
目次 |
[編集] 居宅サービス事業者
[編集] 指定訪問介護事業所
介護保険において要支援・要介護と認定された人に対して、介護支援専門員（ケアマネージャ）の作成する居宅サービス計画（ケアプラン）に基づき、訪問介護員（ホームヘルパー）を派遣し、生活援助・身体介護を行う事業所。要支援・要介護と認定された人は、ホームヘルパー利用料として介護保険法で定める利用単位から算出された金額の１割分を訪問介護事業所に支払う。訪問介護事業所は居宅サービス計画（ケアプラン）に基づき、訪問介護計画書を作成し、それを要支援・要介護と認定された人に提示・了承を得、ホームヘルプサービスを行う。
[編集] 指定訪問入浴介護事業所
[編集] 指定訪問看護事業所
[編集] 指定訪問リハビリテーション事業所
[編集] 指定通所介護事業所（デイサービス）
施設に通って食事などのサービスを受ける。 比較的認知症などの症状が軽い人が利用している。
[編集] 指定通所リハビリテーション事業所（デイケア）
[編集] 指定短期入所生活介護事業所（以下の短期入所療養介護と合わせて、ショートステイと総称される）
[編集] 指定短期入所療養介護事業所
[編集] 指定居宅介護支援事業所
- 介護保険において要支援・要介護と認定された人に対して、課題分析（アセスメント）及びそれに基づく介護サービス計画（ケアプラン）の作成、対象サービスとの調整、介護保険サービスの給付管理等の業務（サービス）を行う事業所。
- 実際には、居宅介護支援事業所に所属する、介護支援専門員（ケアマネージャ）がその業務を行う。
- 他の介護サービス事業者と異なり、要支援・要介護と認定された人に対するサービスの費用は、介護保険から１０割が給付される。
[編集] 介護保険施設
[編集] 指定介護老人福祉施設
- 施設サービス計画に基づき、可能な限り、居宅における生活への復帰を念頭に置いて、入浴、排泄、食事等の介護、相談及び援助、社会的生活の便宜の供与その他の日常生活上の世話、機能訓練、健康管理及び療養上の世話を行うことにより、入所者がその有する能力に応じ自立した日常生活を営むことができるようにすることを目指した施設
- 介護保険制度の施行により、老人福祉法による特別養護老人ホームが移行したものであるが、現在も施設の固有名称としては、特別養護老人ホーム ○○○というのがほとんどである。
[編集] 介護老人保健施設
- 施設サービス計画に基づき、可能な限り、居宅における生活への復帰を念頭に置いて、入浴、排泄、食事等の介護、相談及び援助、多少のリハビリや医療等を通して機能訓練、健康管理等を行い入所者がその有する能力に応じ自立した日常生活を営むことができるようにすることを目指した施設。指定介護老人福祉施設との違いは、リハビリスタッフや看護師、医師等の配置基準が指定介護老人福祉施設より多い。またそれに伴い指定介護老人福祉施設より多少料金は高く設定されている。尚、リハビリ等が指定介護老人福祉施設より充実していることで、より在宅復帰を念頭にいれているため、入所期間は指定介護老人福祉施設と違い終身制ではないこと等が挙げられる。
[編集] 指定介護療養型医療施設
- 一般病院等での集中治療は既に必要ないが、在宅に戻るには医療依存度の高い患者が入院する施設。患者の医療依存度は、指定介護療養型医療施設＞指定介護老人保健施設＞指定介護老人福祉施設という順になり、患者の医療依存度によりどこの施設が適当かを考える必要がある。あくまでも介護保険適用の施設のため、名のとおり治療というより療養が必要な患者が入院する施設となるが、一般的に病院に併設されている形態をもつ。
- 指定介護療養型医療施設という介護保険上の類型は2011年度末で廃止され、2012年度以降は介護保険が適用される入所施設は指定介護老人福祉施設（特別養護老人ホーム）と介護老人保健施設の2類型となることが予定されている。
