中百舌鳥球場

中百舌鳥球場（なかもずきゅうじょう）は堺市にかつてあった南海電気鉄道所有の硬式野球場。両翼90m、センター120m。

1938年の南海の職業野球参加に合わせて建設され、戦前は職業野球の試合に頻繁に使用された。しかし立地条件の悪さから選手の評判はよくなく、公式戦での使用は戦前の数年で途絶える。

戦後は南海ホークス・2軍チームの本拠地として使われ、多くのスター選手を育てる原点となった。それに合わせて合宿所も併設された。しかし1989年のダイエーへの球団譲渡・福岡県への本拠移転に伴い、プロ野球から撤退。その後市民に開放されたが、2001年に取り壊されて現在はマンションとなっている。

正式名称はこのタイトルにある漢字の「中百舌鳥球場」であるが、一般には「中モズ（中もず）球場」と一部仮名表記で示したものを使用していた。

[編集] 中百舌鳥への本拠地移転計画

南海電鉄は1987年、ホークスの本拠地の移転先を決めないまま、大阪球場を取り壊した上での難波再開発事業計画（現在のなんばパークス）を正式に発表した。その際、新本拠地の候補に大阪市が南港に建設する新球場（現南港中央野球場）と中百舌鳥球場、堺市大浜公園野球場の名前が挙がった。

当時の田中和夫・堺市長は大のホークスファンで、中百舌鳥への本拠地誘致を表明した。だが中百舌鳥球場は狭い上、改修工事で立派な球場に造り替えたとしても、すぐそばに公団住宅があるため周辺住民の理解を得ることは困難。騒音訴訟にまで発展した藤井寺球場の例もあり、南海電鉄も難色を示した。

結局、1988年のシーズン中に川勝傳オーナーが亡くなったことと、水面下で進めていたダイエーへの球団売却交渉がまとまったことで、中百舌鳥への移転話は泡と消えた。

前本拠地：
n/a
～

次本拠地：
甲子園球場（保護地域は大阪府）
1948 ～ 1950