ヴォーリャ (戦艦)
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ヴォーリャ(ロシア語・ウクライナ語: Воля)は、ロシア帝国で建造された戦艦。弩級戦艦と分類される。イムピェラートル・アリェクサーンドル・トリェーチイ(インペラートル・アレクサンドルIII；Император Александр Третий)として建造されたが、ロシア革命との関係で、名称はヴォーリャ、その後ギェニェラール・アリェクスェーイェフ(ゲネラル・アレクセーエフ；Генерал Алексеев)と変更された。また、運用もロシア帝国、ソヴィエト政府、ドイツ、ウクライナなど各国・各勢力によってなされ、最後はフランスに抑留され、そのまま解体された。
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[編集] 概要
[編集] 帝政時代
イムピェラートル・アリェクサーンドル・トリェーチイ(皇帝アレクサンドル3世)は、戦艦イムピェラトリーツァ・マリーヤ・シリーズ(Серия Императрица Мария)の3番艦として建造された。建造は1914年にウクライナのニコラーイェフのロシア造船会社(略称:ルッスート；"Русского судостроительного общества"；"Руссуд")で始められた。1917年に竣工すると同艦は第2機動艦隊に編入され第一次世界大戦に参加したが、前年にドイツ地中海艦隊のモルトケ級巡洋戦艦ゲーベン(オスマン帝国海軍へ譲渡されヤヴズ・スルタン・セリムを称していた；en:SMS Goeben)への切り札として投入されたイムピェラトリーツァ・マリーヤが撃沈されたため、それにかわって第1機動艦隊の旗艦となった。しかしながら、一次大戦においては同艦は実戦には遭遇しなかった。
[編集] 革命
同年2月のロシア革命(二月革命)後の4月29日(ユリウス暦4月16日)に、名称はヴォーリャに変更された。なお、「Воля」はロシア語では「意志」、ウクライナ語では「自由」または「意志」を意味する名詞である。
同年10月の十月革命に際しては、ソヴィエト政府の敵勢力に対し沿岸において警戒行動に就いた。翌11月にはオスマン帝国海軍の軽巡洋艦ミディリ(元ドイツ海軍地中海艦隊のマクデブルク級軽巡洋艦ブレスラウ；en:SMS Breslau)拿捕のために外海へ出撃した。1917年12月29日には、赤軍黒海艦隊へ編入された。
[編集] ヘーチマーンシュチナ
1918年の4月末には、ドイツ軍からのセヴァストーポリ防衛へ参加した。しかしながら、4月29日、ウクライナにはドイツ帝国の強力な軍事力を背景にウクライナ国が建設された。セヴァストーポリもドイツ軍による攻略を受け、ヴォーリャは翌4月30日には同地を捨ててノヴォロッスィーイスクへ移動した。ヴォーリャが再びセヴァストーポリに戻ったのは同年6月19日であったが、町を占領していたドイツ軍によって接収され、10月1日にはウクライナ国海軍の艦隊旗が掲げられた。ウクライナ国海軍は、実質的にはドイツ海軍の運用下に置かれていた。
[編集] 白衛軍
その後、同年11月24日にはイギリス・フランス連合干渉軍によってドイツ軍の手から奪還され、すぐにマルマラ海のイズミット港へ回航された。1920年10月からは、白衛軍(白軍)のひとつであったピョートル・ニコラーイェヴィチ・ヴラーンギェリ将軍の南ロシア海軍に編入され、名称もギェニェラール・アリェクスェーイェフに変更された。艦名の由来となったミハイール・ヴァスィーリイェヴィチュ・アリェクスィェーイェフ(Михаил Васильевич Алексеев)は、高名な白衛軍司令官の一人であった。
同年11月14日には、ヴラーンギェリ将軍のセヴァストーポリからイスタンブールへの退却に用いられ、12月29日には地中海に面したチュニジア北部の町ビゼルトでフランス当局によって抑留された。1924年10月29日には、フランス政府によって同艦はソ連政府の所有物であると認められたが、困難な国際情勢の影響で、結局ソ連本土に戻ることはなかった。
1920年末、艦はフランスの「金属鉱石取引」会社に解体のため売却され、作業は1936年フランスのブレストにおいて完了した。
[編集] 同型艦
- イムピェラトリーツァ・マリーヤ
- スヴォボードナヤ・ロッスィーヤ(1915年7月27日までイェカチェリーナ・フトラーヤ、その後1917年4月29日までイムピェラトリーツァ・イェカチェリーナ・ヴィェリーカヤ)
- ヴォーリャ(1917年4月29日までイムピェラートル・アリェクサーンドル・トリェーチイ、1920年10月からギェニェラール・アリェクスェーイェフ)
[編集] 関連項目
- 艦について
- 軍関係
- 国家関係
- 情勢
- 艦名について
[編集] 外部リンク
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