ラザール・ベルマン
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ラザール（ラザーリ）・ナウモヴィチ・ベルマン（Лазарь Наумович Берман Lazaŕ Naumovič Berman, 1930年2月26日 レニングラード - 2005年2月6日 フィレンツェ）はロシアのピアニスト。
[編集] 略歴
レニングラード音楽院出身の母親からピアノの手ほどきを受け、4歳の時初めてのリサイタルを開き、自作を演奏した。7歳の時に初録音を行った。
9歳からモスクワ中央音楽学校に入り、1957年にマスタークラスを修了。その間、名教師と言われるアレクサンドル・ゴルデンヴァイゼル Aleksandr Borisovič Goľdenvejzer (1875年 キシナウ - 1961年 モスクワ) に師事する。
その間にも各地での音楽コンクールなどに出場したが、1951年のベルリン国際青少年音楽祭では第1位を受賞、1956年のリスト・ピアノ・コンクールでも第1位、ブリュッセル国際コンクールでは多くの期待が集まるなか、惜しくも第5位に入賞した。このように、コンクール歴も華やかである。
音楽院卒業とともにソ連内と旧東欧圏諸国において精力的な演奏活動に入り、特にハンガリーでは名技が「リストの再来」という風に絶賛された。1960年代に入ると、しばらく演奏活動から離れて、音楽的表現を深めるようになる。およそ10年間「沈黙」しており「幻のピアニスト」とまで渾名されるが、1976年のアメリカ・デビューは圧倒的な大成功となる。以降、世界各地に演奏旅行を展開する。1977年に初来日し、クラシックファンの間ではブームとなった。1988年にファツィオリを使用したが、日本では初めて。
「私は19世紀の人間であり、ヴィルトゥオーソと呼ばれるタイプの演奏家に属している」と語っており、現代的な感覚ではなく、現代では稀になった19世紀のロマン派的な技巧と、濃厚なロマンティックな感情表現、などが特徴といわれる。しかし、アゴーギクの崩れはほとんどなく、この形質は20世紀的である。当時使用されたペダリングを厳格に守る為に、「ペダルが長く、響きが豊満すぎる」と呼ばれることも多かったが、このペダリングとタッチでしか生み出せない英雄的な瞬間は、彼ならではの魅力であった。
