ライラック (列車)
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ライラックとは、北海道旅客鉄道が札幌駅~旭川駅を函館本線経由で運転するエル特急である。
[編集] 運行概況
「スーパーホワイトアロー」と交互に運転される。札幌駅・旭川駅を毎時30分発、1時間間隔で運転する。早朝・深夜は30分発でないことがある。
- 運行本数・所要時間
- 停車駅
- 使用車両
- 781系電車4両編成
- 自由席車(1~3号車と4号車の半室)と指定席車(4号車の半室)からなる。
- 指定席車は「uシート」と呼ばれ、自由席よりシートのグレードがやや高い。
- 4号車の自由席部分の座席は、uシート設置時に交換したため、他の車両のものより座り心地がよい。
- 多客期には6両編成で運行されることもある。その場合、増結される2両は共に自由席となる。
[編集] 道央都市間連絡優等列車沿革
「ライラック」の列車名としては、1963年6月1日より、1968年10月1日まで函館駅~小樽駅~札幌駅間の急行列車に使用したことがある。→こちらを参照のこと。その為、本稿では主に函館本線の内、小樽駅~札幌駅~旭川駅間の都市間を連絡した優等列車について記載をする。
- 1949年9月15日 小樽駅~旭川駅間を運行する不定期準急列車2005・6列車が運行を開始する。
- 1950年10月1日 2005・6列車、運行区間を旭川駅~宗谷本線名寄駅間を延長。但し、延長区間は普通列車扱い。
- 1951年4月1日 2005・6列車、定期列車に昇格し、「石狩」(いしかり)の名称が与えられる。運行区間は小樽駅~名寄駅間。
- 1954年5月1日 従来函館駅~小樽駅~札幌駅間を運行してた急行列車「あかしあ」と「石狩」の小樽駅~札幌駅間が重複することから、「石狩」の札幌駅以東を「あかしあ」に併合し、「あかしあ」運行区間を函館駅~小樽駅~旭川駅間とする。但し、小樽駅~旭川駅間は準急列車とした。
- 1959年9月22日 小樽駅~旭川駅・根室本線上芦別駅間を運行する気動車準急列車「かむい」運行開始。また、気動車による準急列車「かむい」が設定されたことにより、「アカシヤ」全区間で急行列車として運行される。
- 1960年7月1日 「かむい」札幌駅~旭川駅間運行列車1往復増便し、2往復での運行となる。また当初運行されていた根室本線乗り入れ区間を富良野駅まで延長する。
- 1962年10月1日 「かむい」札幌駅~旭川駅間1往復増発。「かむい」3往復体制とする。
- 1963年12月1日 従来、小樽駅~増毛駅間で運行されていた「ましけ」を「かむい」に編入。「かむい」4往復体制を取る。
- 1964年3月20日 「かむい」の富良野駅発着編成を独立させ、新たに「そらち」の愛称を与える。
- 1964年10月1日 「かむい」名寄駅発着の1往復を増発し、4往復体制とする。
- 1965年10月1日 ダイヤ改正に伴い、以下のように変更する。
- 「かむい」増毛駅発着列車を分離し「ましけ」の愛称を与える。→以降留萌本線を参照のこと。
- 「かむい」、「そらち」の減便した1往復と合わせて6往復に増便。
- 1966年3月5日 準急制度改変に伴い、「かむい」急行列車に昇格。
- 1966年3月25日 「かむい」1往復を「なよろ」に分割。「かむい」小樽駅・札幌駅~旭川駅間の5往復のみとなる。なお、「かむい」には根室本線内を普通列車として運行する列車が1往復設定されていた。
- 1968年10月1日 函館本線小樽駅~滝川駅間交流電化に伴うダイヤ改正により以下の様に変更する。
- 「かむい」711系電車により札幌駅~滝川駅間を運行する列車を1往復設定する。これが北海道初の電車による優等列車の祖となる。
- 1969年10月1日 電化区間が旭川駅まで延伸に伴うダイヤ改正。これにより「かむい」1往復を除き電車化し、8往復に増便。
- 1971年7月1日 ダイヤ改正に伴い以下のようにダイヤを変更する。
- 「かむい」1往復を札幌駅~旭川駅間無停車の「さちかぜ」に変更する。
- 1972年3月15日 ダイヤ改正に伴い「かむい」2往復増便し、10往復の運行となる。
- 1975年7月18日 札幌駅~旭川駅間に、急行「かむい」及び「さちかぜ」格上げの形でエル特急「いしかり」登場。設定当初は7往復。なお、「かむい」は7往復が存置される。なお当初7月1日から運転開始の予定であったが労使紛争の縺れでこの日からの運転となった。
- 「いしかり」は北海道初のエル特急で、他の北海道特急がまだ全列車とも全席指定だった時代に、普通車のみ6両、うち自由席5両という編成は異彩を放つ。当時はグリーン車の連結がない唯一の国鉄昼行特急でもあった。なお、7往復のうち1往復は、それまでの急行「さちかぜ」を継承する形でノンストップ運転の設定となった。
- この時点での使用車両は485系1500番台電車で、元々本州向けだった485系電車を北海道向けに設計変更したものの、耐寒対策が不十分だったため冬季に故障が頻発し、耐寒性能を備えた専用車両を別途開発することとし、それまでの間、冬季は運転本数を削減して車両点検を強化する等の対策を余儀なくされた。
- 1979年3月19日 北海道専用の寒冷地仕様車である781系電車の開発が完了。「いしかり」は1年半後の「ライラック」移行前までに順次781系電車に置き換えられた。
- 1980年10月1日 室蘭本線・千歳線の室蘭駅~白石駅間電化により、室蘭駅~札幌駅~旭川駅間に781系電車使用のエル特急「ライラック」を新設。これにより「いしかり」の名称は廃止。
- 当初は全9往復で、5往復が室蘭駅~旭川駅間直通、室蘭駅~札幌駅間、札幌駅~旭川駅間が各2往復の設定だった。
- 更に、千歳空港駅(現・南千歳駅)新設、また同駅と札幌駅間を自由席特急料金込み800円で乗車できる特別企画乗車券「エアポートシャトルきっぷ」発売とも同時の運転開始だった為、両者利用者の対象列車としてもPRされた。
- 1982年11月15日 この日より新札幌駅に停車開始。
- 1984年2月1日 札幌駅~旭川駅間に急行「かむい」「なよろ」格上げの形で3往復増発。札幌~旭川間は10往復運転。
- 1985年3月14日 「ライラック」東室蘭~室蘭間、普通列車化。
- 1986年3月3日 「ホワイトアロー」新設。一部列車を4両編成化。
- 1986年11月1日 「ライラック」に苫小牧駅発着列車の設定がなされ、全列車が4両編成化。「かむい」電車列車が廃止され、気動車列車1往復を「そらち」に分離。運行区間は札幌駅~富良野駅/新得駅間で、函館本線内のみ急行運転。
- 1988年3月13日 「ライラック」に千歳空港駅(現・南千歳駅)発着系統の設定がなされる。「かむい」旭川駅乗り入れを終了し、「そらち」に吸収される。
- 1990年9月1日 「ライラック」、急行「ちとせ」・「そらち」を吸収。「ライラック」の一部列車で785系を使用。
- 1990年10月1日 月曜日限定で札幌駅→旭川駅間を運行する臨時特急「モーニングエクスプレス」運行開始
- 1992年7月1日 系統を新千歳空港駅・札幌駅~旭川駅間の「ライラック」と、室蘭駅~札幌駅間の「すずらん」に分離。またライラックについては、新千歳空港駅~札幌駅間は快速「エアポート」に変更。
- 1994年3月1日 「モーニングエクスプレス」月曜日運行の季節列車化。
- 1998年4月11日 785系の定期運用終了。「モーニングエクスプレス」、「ライラック」に名称を変更する。
- 2001年7月1日 uシートを、全車導入。
- 2002年3月16日 新千歳空港へ乗り入れる列車を、それまで札幌駅~旭川駅間での運行だった「スーパーホワイトアロー」と入れ替え。「ライラック」は札幌駅~旭川駅間のみの列車となる。