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ミシェル・ノストラダムス師の予言集

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

ミシェル・ノストラダムス師の予言集』(Les Prophéties de M. Michel Nostradamus)(以下、この記事中では『予言集』と略記)は、フランス占星術師ノストラダムスの主著である。現在「ノストラダムスの予言」として引用される詩句・散文のほとんどがこの中に収められている。『諸世紀』と呼ばれることもあるが、後述するようにこの訳語は不適切である。

『予言集』ピエール・メニエ版(パリ、1589年)のタイトルページ
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『予言集』ピエール・メニエ版(パリ、1589年)のタイトルページ

目次

[編集] タイトル

[編集] メインタイトル

生前に刊行されていた予言集のメインタイトルは、いずれも『ミシェル・ノストラダムス師の予言集』であった(正式名の分からない、刊行されたかどうかも定かでない版を除く)。日本では一般に五島勉の著書名によって「ノストラダムスの大予言」という言い方が定着しているが、19世紀末までに出された130以上の予言集の古い版の中で「予言」と訳せるタイトルを持つものは数種類しかなかった。

後代には『ミシェル・ノストラダムス師の真の百詩篇と予言Les Vrayes Centuries et Prophéties de Maistre Michel Nostradamus.』というタイトルでも出されたことはあったが、これは、一部で言われるような内容の違いでタイトルが使い分けられているのではなく、出版地の違いによるところが大きい。17世紀末までに出された『予言集』諸版のメインタイトルを、出版地で分類すると次のようになる。

  • リヨントロワカオールメス - 『ミシェル・ノストラダムス師の予言集』
  • マルセイユ - 『プロヴァンスのミシェル・ノストラダムス師の予言集 Les Prophéties de M. Michel Nostradamus Provençal.
  • パリ - 『ミシェル・ノストラダムス師の予言集』『ミシェル・ノストラダムス師の新予言集 Nouvelle Prophéties de M. Michel Nostradamus.』『ミシェル・ノストラダムス師の真の百詩篇と予言』
  • アントワープ - 『ミシェル・ノストラダムス師の驚異の大予言 Les Grandes et Merveilleuses Prédictions de M. Michel Nostradamus.
  • ルーアン - 『ミシェル・ノストラダムス師の驚異の大予言』『ミシェル・ノストラダムス師の百詩篇と驚異の予言 Les Centuries et Merveilleuses Prédictions de M. Michel Nostradamus.』『ミシェル・ノストラダムス師の真の百詩篇集 Les Vrayes Centuries de Me Michel Nostradamus.』『ミシェル・ノストラダムス師の真の百詩篇と予言』
  • アムステルダムライデンケルンボルドー - 『ミシェル・ノストラダムス師の真の百詩篇と予言』

以上のように、パリ、ルーアンおよびフランス以外の都市の版では『ミシェル・ノストラダムス師の予言集』以外のタイトルが用いられていることが多かった。

[編集] 通称「レ・サンチュリ」について

「レ・サンチュリ」(「百詩篇集」、内容については後述を参照。この項目でだけ便宜上「レ・サンチュリ」とカナで表記)は現在ではノストラダムスの『予言集』の通称として流布しているが、ノストラダムス自身がそのような通称を用いていた形跡は今のところ見つかっていない。

そのような用例で「レ・サンチュリ」を用いた最古の例は、ジャン=エメ・ド・シャヴィニーの『故ミシェル・ド・ノストラダムス師のレ・サンチュリと占筮に関するボーヌのド・シャヴィニー殿の注釈(Commentaires du Sr. de Chavigny Beaunois sur les Centuries et Prognostications de feu M. Michel de Nostradamus)』(1596年)であるとみなされている。また、1620年には匿名のパンフレットとして『1555年に刊行されたミシェル・ノストラダムス師のレ・サンチュリに関する寸言あるいは注釈(Petit discours ou Commentaire sur les Centuries de Maistre Michel Nostradamus imprimées en l’année 1555)』が出版されている。

なお、『予言集』そのもののタイトルとして「サンチュリ」が用いられた最古の例は、ルーアン高等法院が1611年2月9日に出版販売許可を与えたという『ミシェル・ノストラダムス師のレ・サンチュリと驚異の予言』である。なお、19世紀末までに出された130種以上の版の中で「サンチュリ」とだけ書かれている(言い換えれば「サンチュリと予言」などの様に補足的な言葉が含まれていない)版は、『ミシェル・ノストラダムス師の真のサンチュリ』(ルーアン、1649年)だけである。

[編集] 構成

19世紀の注釈家アナトール・ル・ペルチエ Anatole Le Pelletierが編纂した『予言集』の校訂版は、3つのセクションに分けられている。便宜上、その3区分に従って構成を紹介すると、以下のようになる。

[編集] 第1セクション

第一序文、百詩篇第1巻1番~第7巻42番。1555年にリヨンのマセ・ボノムによって刊行された初版では、百詩篇第4巻53番までが収められていた(この版は19821983年アルビ市立図書館とウィーンオーストリア国立図書館で発見された二冊が現存している。なお、この二冊は微妙に原文が異なっているが、前者の誤植を訂正したものが後者であると推察されている)。2年後、同じリヨンのアントワーヌ・デュ・ローヌによって百詩篇第7巻42番まで追補された版が刊行された(この版は1996年ユトレヒト大学図書館で現存が確認された)。なお、百詩篇第6巻のみは、99番までの四行詩と全文ラテン語の四行詩1篇から成り立っている(このラテン語詩はクリニトゥスの詩篇をアレンジしたものであることが明らかになっている)。

[編集] 第2セクション

『予言集』(トリノ、1720年)のタイトルページ。1558年版を基にしたと書かれているが真偽は不明。
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『予言集』(トリノ、1720年)のタイトルページ。1558年版を基にしたと書かれているが真偽は不明。

第二序文、百詩篇第8巻1番~第10巻100番。第二セクションの初版は、1558年にリヨンまたはアヴィニョンで出されたという説もあるが、確証はない。現存する最古の版は、1568年にリヨンでブノワ・リゴーが出した版である。この年はノストラダムスの死後2年目に当たるため、第2セクションの信憑性を疑問視する見解もある。

なお、1568年版の『予言集』はダニエル・ルソDaniel Ruzo(ルゾ、リュゾとも表記される)の分析に基づき8種類に分類されることがしばしばあるが、現存が確認されているのはそのうち5種類である(これに加えて、ルソの分類にない版が少なくとも1種類現存していることが明らかになっている)。

[編集] 第3セクション

百詩篇補遺、予兆詩集、六行詩集。これらのほとんどは1605年版の『予言集』で初めて組み込まれ、その後多くの版にも収録されている。

[編集] 各文書の内容

[編集] 第一序文

いわゆる「セザールへの手紙」。ノストラダムスが息子セザール・ド・ノートルダムCésar de Nostredame(1553年-1629年?)にあてた書簡の形式をとって、自身の世界観や未来観を開陳している。この文書には、クリニトゥス(ピエトロ・クリニート)の『栄えある学識について』、およびジロラモ・サヴォナローラの『天啓大要』から着想を得たと思われる箇所、あるいはそれらをフランス語に訳した上でほぼそのまま借用している箇所などが少なくないと、ピエール・ブランダムールらから指摘されている。

なお、末尾には1555年3月1日の日付があり、この時点ではセザールは1歳3ヶ月半ほどの赤子に過ぎなかったため、ここで宛名となっている「セザール」は未来においてノストラダムスの予言を正しく解読することになる人物を表している、とする説をとなえる信奉者も少なくない。他方で、ノストラダムスはセザールの年齢と初版の詩篇数(353篇)の合計によって、354年4ヶ月(ノストラダムスが『予言集』を書く際に参照した論者たちの唱える、各惑星が世界を支配する周期)をあらわしたのだ、とする説もある。

[編集] 第二序文

いわゆる「アンリ2世への手紙」。日付は1558年6月27日となっており、『予言集』の第2セクションが1558年に刊行されていたとする説の一つの根拠にもなっている。

内容は、時のフランス国王アンリ2世に対し『予言集』の第2セクションを献呈する際に添えた書簡の体裁をとって、黙示文学の影響の強い未来の情景を述べるものとなっている。この書簡も信奉者たちによる解釈がさまざまに加えられてきたが、長い上に前後の脈絡をつかみづらい箇所が少なくないため、本来の文脈とは切りはなす形で断片的な節を抜き出して解釈を行う、という形が採られてきた。

なお宛名の「アンリ2世」は、この書簡の日付の約一年後に横死しているため、この書簡は、本当は未来に現れる偉大な君主にあてて書かれているのだ、とする説も信奉者の間には見られる。

ノストラダムスは、これ以前にも1556年1月13日付の「アンリ2世への手紙」を公刊している(1557年向けの暦書に収録)。しかし、両者の内容は整合していない(第二序文の内容は、先行する手紙の存在を全く反映していない)。また、第二序文に登場する聖書年代の算定結果が、暦書でのそれと一致していないことも指摘されており、これらを根拠に、第二序文を偽書と疑う研究者もいる。

[編集] 百詩篇集

ノストラダムスは四行詩100篇ごとのまとまりをサンチュリ((la) Centurie/複数の場合はレ・サンチュリ Les Centuries)と呼んだ。これは「百集めたもの」の意であるため、『百詩篇(集)』のほか、『詩百篇』『百詩集』などとも訳される。これに対し『諸世紀』は、英訳からの転訳で生じた誤訳である(語源・派生的用例などはケントゥリアも参照)。『予言集』の主要部分であり、しばしば『予言集』そのものが『百詩篇集』(または誤訳の『諸世紀』)と呼ばれるのはそのためである。

多くの解釈が重ねられてきた一方で、フロンドの乱フランス革命第二次世界大戦アメリカ同時多発テロ事件など、歴史上の大事件の際には、それに便乗する形で偽の詩篇が追加されたり、一部の詩句が改竄されたりもした。

内容については、ノストラダムスが何らかの方法で未来の情景を知覚してそれを詩にしたとする説と、彼自身の体験や同時代の事件・風聞、古典文学などに題材をとって書いたとする説に大別できる。1594年のシャヴィニーによる注釈書以来長らく前者の立場が有力だったが、1990年代以降には後者の立場からの研究も少なからず現れている。この点、ノストラダムス#予言の典拠も参照のこと。

[編集] 百詩篇補遺

百詩篇補遺 (Les Suppléments aux Centuries)とは、その名の通り、百詩篇集に当初含まれていなかった四行詩のことである。第6巻100番、第7巻43、44、73、80~82番、第8巻番外1~6番、第10巻番外詩(版によっては「101番」)、第11巻91、97番、第12巻4、24、36、52、55、56、59、62、65、69、71番の計27篇を指すのが標準的である。これ以外にジュール・マザランを陥れるために偽造された詩篇などを含める論者もいる。

第6巻100番と第11・12巻の補遺は1594年にシャヴィニーが公表した。真偽については議論が分かれる。ちなみに、第11巻以降の詩で、シャヴィニーの紹介に含まれていなかったもの(五島勉、アーサー・クロケット、ジャン・ド・マルイユらの著書に見られるものなど)は、単なる偽作である。

第7巻73、80~82番と第8巻の番外詩は1561年ごろにパリで出された海賊版の『予言集』で初めて登場したと考えられている(この版は18世紀にはまだ残っていたようだが、現存は確認されていない)。第7巻73、80~82は1561年向けの予兆詩(後述)を流用したものであることが明らかになっており、第8巻番外詩も贋作ではないかともいわれている。

第10巻番外詩は「1568年版以降に付け加えられた詩」という題で1605年版の『予言集』で初めて登場した。この詩とよく似た句が、1572年アントワーヌ・クレスパンが出した『国王とサヴォワ公妃に仕える占星術師の予言集』に登場している(なお、この著作はリヨン市立図書館と大英図書館に現存するが、前者の版では該当部分が省略されている)。

第7巻43・44番は、早ければ1610年代、遅くとも1643年までに、リヨンで付け加えられた。政治的な意図を明確に感じさせる内容の上、韻律が他の四行詩と異なっている。

[編集] 予兆詩集

予兆詩集(プレザージュ Les Présages)とは、「暦書(アルマナ、アルマナック)」に掲載されていた四行詩群をまとめたものである。そのため当初『予言集』には収録されていなかったが、1594年にシャヴィニーが解釈のためにそのほとんどを著作の中に引用し、それが1605年版の『予言集』に再録され、以後多くの『予言集』に併録されている。年代順に整理して番号を振ったのは、1605年版の刊行者(名前は不明)である。

141篇から構成されるが、そのうち第2番の四行詩はシャヴィニーによる贋作の可能性が指摘されている。現在では、ベルナール・シュヴィニャールによって復元された14篇を加えた全154篇(従来の141篇から贋作を除いた140篇と復元された14篇)が知られている。

[編集] 六行詩集

1605年版の『予言集』では「この世紀のための驚くべき予言 Prédictions Admirables pour les ans courant en ce siècle」というタイトルページに続いて収録されている詩集である。百詩篇や予兆詩と異なり六行詩の形をとっていることから、その詩形に基づき単に「六行詩集(シザン Les Sixains/ Sizains)」と呼ばれることが多い。六行詩58篇からなる文書で1605年版『予言集』において初めて登場した。そこに添えられた献呈文によれば、ノストラダムスの甥に当たるアンリ・ノストラダムスが保管していたものであるという。

しかし、このアンリ・ノストラダムスは存在したことが確認できない。他方でダニエル・ルソの指摘により、フランス国立図書館にこのオリジナルと思われる六行詩54篇からなるヴァンサン・オカーヌ(Vincent Aucane)名義の草稿があることが知られている。

来歴に疑惑がある点、他のノストラダムスの詩とは文体が違う点、事後予言と思われるものが混じっている点などから、偽作とする説が有力で、信奉者の中にも扱いに慎重な論者が見られる。

[編集] 日本で刊行された『予言集』の訳書など

現在までのところ、16世紀仏文学仏語学の知見に裏付けられた信頼の置ける全訳版は存在しない。

  • ヘンリー・C・ロバーツ編、大乗和子訳、内田秀男監修『ノストラダムス大予言原典・諸世紀』 ISBN 4884810066
    おそらく日本でもっとも利用されてきた仏和対訳のテクスト。第一序文・第二序文(ともに和訳のみ)、百詩篇集(百詩篇補遺のほとんどを含む)が収録されている。予兆集や六行詩集は含まれていない。
    ただし、もともとの英語版のテクストは、テオフィル・ド・ガランシエールによる1672年ロンドン版の『予言集』を底本とするもので、誤植の多さはつとに指摘されている。また、ロバーツの英訳(および彼が基にしたガランシエールの英訳)に対する英語圏での評価は芳しいものとはいえない。日本語版の訳は英訳からの重訳であるため、そうした事情を考慮する必要がある。
  • エリカ・チータム編著、山根和郎訳、流智明監修『ノストラダムス全予言』 ISBN 4576880047
    百詩篇集(百詩篇補遺は含まない)のみの和訳が収録されている。これも英語からの重訳。
  • ピーター・ラメジャラー編著、田口孝夫 目羅公和訳『ノストラダムス予言全書』 ISBN 4887213387
    『予言集』に含まれるほぼすべての文書、すなわち第一序文・第二序文、百詩篇集、百詩篇補遺(数篇を除く)、予兆詩集、六行詩集の原文が収められている。また、それらの原文の多くは初出にあたる古い版に依拠し、適宜校定を加えている。
    残念ながら、それぞれの詩などにはラメジャラーによる要約が添えられているのみで、全訳はなされていない。
  • ピエール・ブランダムール校訂、高田勇 伊藤進編訳『ノストラダムス予言集』 ISBN 4000018086
    ブランダムールによる『予言集』校訂版の編訳。『予言集』が、16世紀フランス史の文脈から丁寧に分析されている。原著収録の353篇の詩の分析のうち、訳出されているのは200篇ほどに過ぎないが、詩によっては訳者二人による解説が補足されている。

このほか、第一序文の訳として、『新釈ノストラダムス』 ISBN 4061480545 所収の高田勇訳(『時の旅人ノストラダムス』 ISBN 4894564211 に再録)や、『天から恐怖の大王が降りてくる・ノストラダムスの遺言書』 ISBN 4576860682 所収の訳者不明のものが、第二序文の訳として『ノストラダムス・メシアの法』 ISBN 4576881086 所収の訳者不明のもの、などが存在している。

六行詩、予兆詩については、公刊された全訳は存在しない。インターネット上の試みとしてノストラダムスサロン による六行詩の訳がある。

[編集] 予言集の解釈

最初に彼の『予言集』に体系的な注釈を施したのは、秘書ジャン=エメ・ド・シャヴィニーである(1594年)。以降、19世紀までは、各世紀数人程度しか注釈者は現れなかったが(ノストラダムス関連人物の一覧#ノストラダムス予言の主な解釈者参照)、20世紀の2度の世界大戦を経て爆発的に増加した。

その信奉者たちによると、ノストラダムスはフランス革命の年号(1792年)や関連する地名(ヴァレンヌ - ヴァレンヌ逃亡事件)を明示して的中させたほか、第二次世界大戦に関しヒトラーフランコを固有名詞入り("Hister", "Franco")で予言するなど、 世界史を激しく揺り動かした大事件を詩によって予言しているのだという。しかし、詩は極めて曖昧に書かれており、基本的に「いつ、何が起こるか」を記載しているものではない[1]。事件が起こった後で千篇の詩の中から「これはこの事件の予言ではないか」と、信奉者がそれらしい暗喩を探し出してきて採り上げているだけに過ぎないのだと批判する論者も少なくない。ちなみに上記の例について言えば、「1792年」はリシャール・ルーサら同時代の他の占星術師たちの説に基づいた可能性が指摘されている。もちろんそれらは革命という文脈で語られたものではないし、ノストラダムス自身、1792年は(1606年から)その年までキリスト教への迫害が起こると述べているに過ぎないので、フランス革命とは整合していない。「ヴァレンヌ」が出てくる詩(百詩篇第九巻20番)にしても、シャルル・エチエンヌの『フランス街道案内』(1552年)を基に地名を列挙したに過ぎない可能性が指摘されている(そもそもヴァレンヌはフランスに20以上あるので、それだけでは特定性が低い)。 また、"Hister"はドナウ川のラテン語名称に過ぎないため、ヒトラーを予言しているとは限らない(現にノストラダムスは1554年11月向けの散文体の予言では、「ダニューブとも呼ばれている Hister という川」と"Hister"を川の名前だと明言している)[2]。また、フランコも同様に地名の可能性が指摘されている(その詩の書き出し"De Castel Franco"を信奉者は「城(またはカスティーリャ)からフランコが」と訳すことが多いが、「カステルフランコ (It:Castelfranco) から」と訳すべきではないか、ということである)。

[編集] 解釈手法と内容

現代では、信奉者の解釈手法や内容は、極めて多岐に渡っている。『予言集』で確実に使用されている言語は、フランス語、ラテン語、プロヴァンス語ギリシャ語、英語、スペイン語だけであるが(最後の2つは稀)、日本人の信奉者には、日本語読みを取り入れた者たちもいる(日本以外でも、ルーマニア出身の信奉者がルーマニア語を取り入れたケースがある)。

また、ノストラダムスがアナグラムも用いたことはほぼ疑いないが、これを無原則に拡大して、原型を留めない程に自由に文章を組み換えた者たちもいる。逆に、元の構文の発音こそが重要であると主張し、現代の発音の似た名詞に結び付けた者もいる(ただし、これらの作業の大前提となるはずの原文の校訂が顧みられることは、ほとんどない)。

解釈内容も、オーソドックスに世界史的事件と結びつけるものの他、陰謀論的な世界観やSF的な世界観を開陳するもの、あるいは特定の宗教団体の優越性を喧伝するものなど、非常に多彩である。こうした多彩な解釈が可能になるのは、彼の予言が曖昧なためである。その曖昧さの一因としては、「百詩篇集」の場合、一行十音節の四行詩という制約のある表現形式を採っている上に、過剰に情報を詰め込む一方で省略を多様しているためであると指摘されている[3]。この結果、省略部分をどのようなイメージで補うかによって、同じ詩でも全く異なる解釈が可能になる。こうして展開される信奉者の解釈は、ノストラダムスに仮託しつつ、自身の願望や信念を語っているのと変わらないとして、ロールシャッハテストになぞらえる者もいる[4]

[編集] 有名な詩篇

ここでは「百詩篇集」の中から、比較的よく知られている詩篇をいくつか採り上げ、信奉者側の読み方と実証的な立場の読み方とを紹介する。原文は1568年ブノワ・リゴー版に基づいたが、現代の正書法に従って表記を修正した箇所がある。なお、上で述べたように、百詩篇第8巻以降が本物かどうかは未だに意見の分かれるところであり、それらの詩篇の全て、もしくは一部が偽物である可能性についても留意する必要がある。

[編集] 百詩篇第1巻35番

Le lion jeune le vieux surmontera,
En champ bellique par sigulier duelle:
Dans cage d'or les yeux lui crèvera:
Deux classes une, puis mourir, mort cruelle.
若き獅子は老いたるに打ち勝つだろう、
一騎討ちによる戦いの野で。
黄金の籠の中の両目を、「彼」は引き裂くであろう。
二艦隊の一方、そして死す、酷き死。

信奉者の著書では必ずといってよいほどに紹介されている有名な詩篇である。彼らは、フランス国王アンリ2世の横死と解釈している。1559年6月30日にアンリ2世は妹の結婚を祝った宴の一環として開催された馬上槍試合に出場した。そこで彼は、対戦相手のモンゴムリ伯爵の槍で目を貫かれるというハプニングに見舞われ10日後に絶命した。この詩はその様子を描いたものだという(「籠」は兜の比喩だと解釈される)。

この詩については、1863年に書誌学者フランソワ・ビュジェが一語ずつ史実と文脈との整合性を丁寧に検証した上で反論している[5]。 ビュジェはまず、国王も伯爵も公式の銘句等で「獅子」と呼ばれたことがなく、年齢差は「若い」「老いた」と対比できるほどではないと指摘している(アンリ2世は当時40歳で年齢差は7歳もしくは11歳)。また、勝敗がつかなかった事故に「打ち勝つ」を使っていることや「戦場」の比喩も文脈上不適切であるとする。さらに、アンリ2世の兜は金でなかったことや貫かれたのは右目だけだったこと、艦隊は「(陸の)軍隊」とも訳せるがどちらも無関係だったことなどを挙げ、詩の情景が史実にほとんど適合していないことを示した。

現代の実証的な研究では、この詩で描かれているのは空中に浮かんだ幻像なのではないかと指摘されている(当時は空中を行進する軍隊を見たとか、何もいないのに空から合戦の音が聞こえた等の「驚異」が多く噂に上っていた)。実際、コンラドゥス・リュコステネスは、1547年のスイスで空中での軍隊の合戦の幻が目撃された際に、その幻の下には二頭の獅子が争う幻も目撃されたことを記録している。また、実在の人物になぞらえているのならば、むしろ若い方はアンリ2世、老いた方はカール5世を想定していたのではないか、とも指摘されている[6]

[編集] 百詩篇第1巻48番

Vingt ans du règne de la Lune passés,
Sept mil ans autre tiendra sa monarchie:
Quand le Soleil prendra ses jours lassés,
Lors accomplit & mine ma prophetie.
月の支配の20年が過ぎた。
7000年、別のものがその体制を保つだろう。
太陽が残された日々を受け取るであろう時に、
私の予言は成就し、終わる。

五島勉がこの「別のもの」こそが人類滅亡を回避させる別の何かだ、という特殊な解釈を(架空の史料による権威付けとともに)展開したため、日本の新興宗教の中には自分たちこそが人類を救う「別のもの」だと主張する者たちがいくつも現れた。

実証的な立場では、この詩がリシャール・ルーサの『諸時代の状態と変転の書』(1550年)の史観を下敷きにしたものであることに異論がない。ルーサは、7つの天体(土星、木星、火星、金星、水星、月、太陽)が天地創造以来の時代を順に支配し、各支配期間は354年4か月であるとしていた。この史観では月の3巡目の支配の始まりは天地創造から6732年4ヶ月目となり、これはルーサの想定では西暦1533年に当たるとされた。つまり、ノストラダムスが上の詩を書いた時期(1555年頃)はまさに「月の支配の20年が過ぎた」時期だったのである。2行目以降は、月の支配が7086年8ヶ月目(西暦1887年)まで続いてから太陽の支配に引き継がれ、その支配の終わる時(西暦2242年)に自分の予言も終わる、という意味である[7]。第一序文で自分の予言の範囲を3797年までとしていることと矛盾するが、この点については実証的な立場の論者の間でも明確な統一見解は存在しない[8]

[編集] 百詩篇第2巻41番

La grand'étoille par sept jours brûlera,
Nuée fera deux soleils apparoir:
Le gros mastin toute nuit hurlera,
Quand grand pontife changera de terroir.
大きな星が7日間燃えるだろう。
雲が二つの太陽を出現させるだろう。
大きなマスチフ犬が夜通し吠えるだろう、
大神官が土地を変えるだろう時に。

信奉者たちは近未来における核爆発や天体の異常現象と捉えることがままあった。しかし、ここで語られているモチーフは、いずれもユリウス・カエサル暗殺直後についてユリウス・オブセクエンスが語っていることとほぼ一致している。

オブセクエンスは、その時に「彗星が七日間輝いたこと」「三つの太陽が現れたこと」「最高神祇官のレピドゥスの邸宅の前で犬が吠えたこと」を語っている(レピドゥスはカエサルの死後、彼の邸宅に移った)。なお、太陽が複数現れるというモチーフはプリニウスなども含め古来繰り返し語られていたものであり、その原因を雲に求める言説は、ノストラダムスと同時代のピエール・ボエスチュオーの『驚倒すべき物語』(1560年)などにも見出すことが出来る[9]


[編集] 百詩篇第3巻96番

Chef de FOUSSAN aura gorge couper
Par le ducteur du limier & levrier:
Le faict patré par ceux du mont TARPEE
Saturne en Leo XIII. de Fevrier.
フォッサーノの主が喉を切られるであろう、
ブラッドハウンドとグレイハウンドの調教者によって。
タルペイアの丘の人々により執行されたこと
土星が獅子宮にある2月13日。

信奉者たちは1820年2月13日に起きたベリー公暗殺の予言と解釈している。「フォッサーノの主」は、フォッサーノを含むサルデーニャ王国の王であったヴィットーリオ・アメデーオ3世の孫にあたるベリー公を指すと解釈される。信奉者によれば、ベリー公を暗殺した馬丁のルヴェルは職業柄猟犬を従えていたことが2行目に示されているとしている。

しかし、信奉者たちの主張とは裏腹に、詩の情景は史実に適合しない。ベリー公はフォッサーノの主の血を引いているといえるが主ではなく、殺された時に刺されたのは胸であって喉ではない。ルヴェルの職業は馬具工(Ouvrier sellier)だったので、猟犬も無関係である。そして1820年2月13日には土星は宝瓶宮(つまり獅子宮の正反対)にあった。

[編集] 百詩篇第6巻のラテン語詩

Legis cantio contra ineptos criticos.
Quos legent hosce versus maturè censunto,
Profanum vulgus, & inscium ne attrestato:
Omnesq; Astrologi, Blenni, Barbari procul sunto,
Qui aliter facit, is ritè sacer esto.

この詩は『予言集』の詩の中で唯一全文がラテン語で書かれた四行詩である(タイトルを持つ詩という意味でも唯一である)。百詩篇第6巻は99番までしかなく、100番目にこの詩がおかれている。本来番号はついていなかったが、後に100番とされることもあった。内容は、クリニトゥスの『栄えある学識について』(1504年)に収録された以下のラテン語詩をアレンジしたものであることが明らかになっている。

Legis cautio contra ineptos criticos.
Quoi legent hosce libros, maturè censunto:
Profanum uolgus & inscium, ne attrectato:
Omnesque legulei, blenni, barbari procul sunto:
Qui aliter faxit, is ritè sacer esto.

[編集] 百詩篇第8巻43番

Par le decide de deux choses bastars
Neveu du sang occupera le règne
Dedans lectoyre seront les coups de darts
Neveu par peur pleira l’enseigne.
二つの非嫡出的なるものの没落によって
血統の甥は支配者の座につくだろう。
レクトワルにて槍の攻撃があるだろう。
甥は恐怖により軍旗を畳むであろう。

ナポレオン3世の登位と没落を鮮やかに描いた詩とされ、19世紀の注釈者アナトール・ルペルチエが事前に正しく解釈していたとして知られている詩である。それによると、「二つの非嫡出的なるもの」とは、七月王政第二共和制を指し、これらが短命であった結果、ナポレオンの甥ナポレオン3世が即位したことを示しているという。ルペルチエは1867年の段階で後半2行の中にナポレオン3世の敗北を読み取ったが、「レクトワル」についてはレクトゥール(Lectoure, ジェール県の地名)の誤記か、「これまで気付かれてこなかった何か」を暗示したものであろうとした。この語は、セダンの戦い(1870年)の20年ほど後になって、チャールズ・ウォードが新解釈を提示した。彼はlectoyreはル・トルセー (Le Torcey) のアナグラムであろうとした。ル・トルセー(トルシー Torcy)とはセダン付近の地名(現在はセダン市内)であり、まさしくセダンの戦いが予言されていたことの証拠だとしたのである。

詩の情景はある程度の一致が見られるものの、現在では、ルペルチエは「甥」が出てくる他の詩もナポレオン3世に結び付けていることなどから、それらの牽強付会ぶりが指摘されている[10]

実証的な立場からは、この詩はむしろ15世紀末のヴァロワ朝の状況を踏まえたのではないかと指摘されている。1495年と1496年にフランス王妃アンヌが出産した男児はいずれも死産であったため、国王シャルル8世の死後、その義理の兄弟に当たるオルレアン家のルイが王位を引き継ぐことになった。しかし、ルイに都合のよい相次ぐ死産は当時ゴシップの種となり、ルイがアンヌに対し、レクトゥールで薬物入りのオレンジを与えたのだと噂されたのである[11]。とはいえ、こちらの史実にしても、細部まで一致しているとはいえないものである。

[編集] 百詩篇第9巻44番

Migrez, migrez de Geneve trestous,
Saturne d'or en fer se changera,
Le contre RAYPOZ exterminera tous,
Avant l'a ruent le ciel signes fera.
離れよ、皆ジュネーヴから離れよ。
黄金のサトゥルヌスは鉄に変わるだろう。
RAYPOZの反対が全てを滅ぼすだろう。
到来の前に、天が徴を示すだろう。

五島勉が3行目に「全てを滅ぼす」とあることを強調して何度も紹介したため、日本人の解釈者たちには近未来の破局と解釈するものが多く見られた。

歴史的な視点からは、カルヴァン派への警告とする解釈も提示されている。当時のジュネーヴはカルヴァン派の牙城であったからである。2行目はヘシオドスウェルギリウスからの借用によって、その繁栄と没落を描いたものと思われる。「RAYPOZの反対」は綴りをほぼ反対にした人名ゾピュラ (Zopyra) と見なされ、これを銘句に採り入れていたフェリペ2世と理解される。つまり、フェリペ2世によるジュネーヴ侵攻を警告したものと見なせるのである[12]。ただし、そのような事件は実現しなかった。

なお、四行目"l'a ruent"(意味不明)は17世紀以降の版では "l'advent" となっており、現在そちらの読み方が通説化しているので上の訳でもそちらを採用した[13]

[編集] 百詩篇第10巻67番

Le tremblement si fort au mois de Mai,
Saturne, Caper, Jupiter, Mercure au bœuf:
Venus aussi Cancer, Mars, en Nonnay,
Tombera gresle lors plus grosse qu'un œuf.
五月に非常に強い地震。
土星、磨羯宮、木星、水星、金牛宮に、
金星も同じく、巨蟹宮、火星、ノネイでは、
その時に卵より大きなが降るだろう。

この詩は信奉者たちの解釈では近未来の大地震とされることがしばしばあり、2000年5月のことだとする解釈もしばしば見られた。

ピエール・ブランダムールによれば、2行目から3行目は、土星が磨羯宮に入り、木星、水星、金星が金牛宮に入り、火星が巨蟹宮に入る星位を表しているのだという。そして彼は、この星位に当てはまる1549年5月4日にモンテリマール一帯を襲った大地震が、この詩のモデルになっていると推測した。ジャン・ペラの手になる当時の年代記には、同じ年の6月15日には、同じ地方でヘイゼルナッツクルミより大きい雹が降ったと記録されていることも傍証とされる(ノネイは近隣の都市アノネイの語頭音消失)[14]

ラメジャラーはこれに加えて、リュコステネスの『驚異論』(1557年)に書かれている1538年のバーゼル地震の記録も併記している。そこには、チューリヒなどで卵よりも大きい雹が降ったと書かれているからである[15]

[編集] 百詩篇第10巻72番

L'an mil neuf cens nonante neuf sept mois
Du ciel viendra un grand Roi deffraieur
Resusciter le grand Roi d'Angolmois.
Avant apres Mars regner par bon heur.
1999年、7か月、
空から恐怖の大王が来るだろう、
アンゴルモワの大王を蘇らせるために。
その前後マルスは首尾よく支配する。

この詩が20世紀以降に大きな話題となったことはよく知られている。キーワードとなる「恐怖の大王」と「アンゴルモワの大王」については各記事に委ねるとして、ここでは原文の読み方について説明をしておく。

まず「1999年7か月」であるが、1999年7月と読まれることがしばしばある。そういう読み方も可能であるが、その場合、当時はユリウス暦の時代であったために現在のグレゴリオ暦に換算する必要があると指摘されている。ゆえに1999年7月の範囲は、グレゴリオ暦では1999年7月14日頃から1か月のこととなる。8月11日にはヨーロッパの一部などでは皆既日食が見られたため、そのことと結びつける論者もいる。

次に「恐怖の大王」であるが、「支払い役の大王」と読むべきだとする指摘もある。これは、上に引用したように1568年版の原文で "un grand Roy deffraieur" と書かれているためである(通常「恐怖の大王」と訳される原文は、"un grand Roi d'effrayeur" となっている)。

上の1568年版の原文はリヨン市立図書館の蔵書に基づくものだが、他方で同じ1568年版でも1940年にミュンヘンで刊行された影印本では "d'effraieur" となっており、ロンドンのウェルカム医学史研究所の蔵書では "d'effrayeur" となっている。このような違いは、1568年版を刊行した業者ブノワ・リゴーが、1568年以後も「1568年」の表記を残したままで微調整した版を何度も出したためと推測されている。

これにより、どちらが本来の表記であるかについて、確定的な結論は出ていない。とりあえず、17世紀以降の版では圧倒的に "d'effrayeur" の表記が多く、"deffraieur" がほとんど引き継がれなかったのは事実である。

四行目は上で示した読み方のほか、「マルスの前後に、首尾よく統治するために」と訳して、三行目と並列的に恐怖の大王が来る目的を表していると見なすことも可能である。また、マルスローマ神話の軍神であるが、フランス語では「火星」「3月」の意味もある。軍神の意味だったとしても、言葉通りの意味のほかに「戦争」の隠喩として用いられている可能性もある。

このような重層的な理由により、文学者や歴史学者たちの間でもこの詩の読み方が確定しているとは言い難い状況である。

[編集]

  1. 「百詩篇集」の942篇の四行詩で、年数が明示されているのは、わずか7篇にすぎない。1607年が2回、1609年、1700年、1727年10月、「580年と703年」(1580年と1703年と推測されている)、1999年が各1回である。この他、二つの序文でいくらか年数の表示がある。本文に例示した1792年は、第二序文に登場している。
  2. "Hister"と"Hitler"では綴りが異なるが、信奉者の解釈では、この程度の差異は無視される。中には差異を認識した上で、例えば、ヒトラーがドナウ川流域に関わる人物であることを示すために、あえて"Hitler"でなく"Hister"と書いたのだ、といった解釈をする論者もいる。
  3. 荻野アンナ「ラブレーとノストラダムス」(樺山・村上・高田『ノストラダムスとルネサンス』2000年、所収) ; Carlstedt[2005] chapitre4
  4. 山本弘『トンデモノストラダムス本の世界』あとがき
  5. 以下は Buget[1863]pp.453-455による。
  6. Brind'Amour[1996] pp.99-101, 高田・伊藤[1999] pp.45-47
  7. Brind'Amour[1996]pp.118-119, Prévost[1999] p.118, Lemesurier[2003] p.23, 高田・伊藤[1999] pp.35-36, 56。なお、2行目については「別のもの (autre)」を「こえて (outre)」の誤植とみなして「7000年をこえて(7086年まで月が)統治する」と読む論者と、そのまま「7086年(約7000年)から別のもの(=太陽)が統治する」と読む論者とがいるが、全体の文意は変わらない。
  8. ラメジャラーはその差が1555年になるのは作為的なものだと見ている(西暦1555年は予言集の初版が出された年)。
  9. Brind'Amour[1996] pp.250-253, 高田・伊藤[1999] pp.153-156
  10. Leoni[1982]
  11. Prévost[1999] p.89, Lemesurier[2003] p.279
  12. cf. Leoni[1982] pp.725-726, Lemesurier[2003] pp.317-318. レオニらの3行目の訳は上記とやや異なるが、意味するところは同じである。なお、ラメジャラーはゾピュラを銘句に用いていたのはカール5世としている。
  13. 五島はこの "l'advent" をキリストの再臨を意味する語としているが誤りである。キリスト教用語としてはアドベントの意味でしかなく、ノストラダムスも暦書類ではその意味で "l'advent" を何度も使っている。
  14. Brind'Amour[1993] pp.227-231
  15. Lemesurier[2003] pp.363-364

[編集] 参考文献

  • 高田勇 伊藤進[1999]『ノストラダムス予言集』 ISBN 4000018086
  • エルヴェ・ドレヴィヨン、 ピエール・ラグランジュ『ノストラダムス―予言の真実』 ISBN 4422211781
  • ピーター・ラメジャラー『ノストラダムス百科全書』 ISBN 4887213379
  • Robert Benazra[1990], Répertoire chronologique nostradamique(1545-1989), Paris; Guy Tredaniel
  • Pierre Brind'Amour[1993], Nostradamus Astrophile, Klincksieck
  • Pierre Brind'Amour[1996], Nostradamus : Les Première Centuries, ou, Prophéties (édition Macé Bonhomme de 1555), Droz
  • François Buget [1860-1863], “Etudes sur les Propheties de Nostradamus” ou “Etudes sur Nostradamus”, Bulletin du Bibliophile et du Bibliothécaire, 1860 (pp.1699- 1721), 1861 (pp.68-94, 241-268, 383-412, 657-691), 1862 (pp.761-785), 1863 (pp.449-473, 513-530, 571-588)
  • Michel Chomarat[1989], Bibliographie Nostradamus XVIe-XVIIe-XVIIIe siècles, Baden-Baden ; Valentin Koerner
  • Peter Lemesurier[2003], Nostradamus: The Illustrated Prophecies, O Books
  • Edgar Leoni[1982], Nostradamus and His Prophecies, Bell Publishing
  • Michel Nostradamus, Les Oracles, Vol.2, Paris ; Slatkine Reprint (réimpr. de Paris ; A. Le Pelletier, 1867) ; ISBN 2-05-101414-0 (hardcover, 1995)
  • Roger Prévost [1999], Nostradamus: mythe et réalité, Robert Laffon
  • Daniel Ruzo[1997], El Testamento auténtico de Nostradamus, Ciudad de Mexico; Grijalbo Mondadori; ISBN 970-05-0770-X (paperback, 1997)

[編集] 関連事項

[編集] 外部リンク

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