ボクらの太陽
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ボクらの太陽 はコナミから発売されているゲームボーイアドバンス用アクションRPG(メーカー側での呼称は『太陽アクションRPG』)のシリーズである。小島秀夫プロデュース作品。
カートリッジに太陽光を検知するセンサーが内蔵されており、ゲーム内に様々な影響を与えるシステムが最大の特徴である。日中ゲームが出来ない人にとっては厳しいが、どこでも持ち運べる携帯ゲーム機の利点を最大限に生かしたシステムとなっている。小島氏プロデュースのため、背後からの攻撃が、重要視されている。
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[編集] 作品リスト
- ボクらの太陽(略称はボクタイ)
- 続・ボクらの太陽 太陽少年ジャンゴ(略称はゾクタイ)
- 新・ボクらの太陽 逆襲のサバタ(略称はシンボク・サバタイなど)
- ボクらの太陽 Django&Sabata(略称はボクタイDS)
注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。
[編集] ストーリー
太陽は闇に覆われ、生と死の輪廻に反生物アンデットと闇の一族イモータルが介入したことによって訪れた暗黒の時代。人々は太陽を忘れ、太陽の街と呼ばれたサン・ミゲルは死の街と化した。 かつて最強と呼ばれたヴァンパイア・ハンター紅のリンゴの息子、太陽少年ジャンゴは父より継ぎし愛銃太陽銃ガン・デル・ソルを手に、父の仇であるヴァンパイアロード伯爵を追って死の都イストラカンを訪れた。 かつて父とともに旅をした太陽の使者おてんことの出会い、伯爵に捕らわれた大地の巫女リタの救出、そして生き別れの兄サバタとの再会を得て、ジャンゴはイストラカンの謎に迫っていく。(ボクらの太陽)
イストラカンでの旅を終えたジャンゴは故郷、サン・ミゲルへと向かっていた。しかし、突如現れた謎のヴァンパイアが出現、戦闘の末太陽銃を奪われてしまう。 太陽銃を失い、アンデットとの戦闘の術を失ったジャンゴ一行の前に現れた魔女を名乗る少女ザジによって新たな魔法機械ソル・デ・バイスを手に入れ、やっとの思いで着いた故郷は未だ浄化されぬ死の街のままであった。 暗躍する新たな敵、イモータル四兄妹。太陽街の住民、そして兄サバタの力をかり、ジャンゴの新たな戦いが始まる。(続・ボクらの太陽)
星々の間で多種多様な文明が行き交う時代、その辺境の惑星、地球。しかし、伝承の時代から人々から恐れらられていたヴァンパイアは、その星々の技術を使い、強化服「棺桶スーツ」環境改変システム「ギジタイ」を使い異界の空を召喚、太陽の光を克服、人々は明けることのない夜のなかヴァンパイアの奴隷として死ぬか、ヴァンパイアと戦って死ぬか選択を迫られていた。 そんな中たった一人でヴァンパイアを狩り続ける一人の剣士と今はまだ力を持たないが心に太陽を持つ一人の銃士二人の戦いが始まろうとしていた。 (ボクらの太陽 Django&Sabata)
[編集] 登場人物
- ジャンゴ(CV:水間真紀)
- 本作の主人公。太陽少年太陽銃「ガン・デル・ソル」の後継者。最強のヴァンパイアハンターだった父・リンゴから太陽を操る術と「深紅のマフラー」を受け継いだ。夏でも長袖・マフラーを外さず、また冬でも半ズボンである。父・リンゴの太陽と母・マーニの月の血を併せ持つ。「続~」の劇中で半ヴァンパイア化してしまうが、浄化された結果太陽と暗黒の力を使い分けられるようになる。「新~」では、冒頭地下牢獄に封印されていたが、ヴァンパイアの血の力によって復活する。だが、その影響で軽い記憶喪失に陥った。「続~」では太陽銃の他に剣・槍・槌を使いこなす。「新~」では剣が残り、「直剣」「長剣」「刀」「曲刀」「大剣」の5種類に細分化された。また、続~からは「ロックマンエグゼ」とのコラボで「ロックバスター」を武器として使うことができる。半ヴァンパイア化した状態を「ダークジャンゴ」、おてんこさまと合身した太陽の化身を「ソルジャンゴ」と称する。デフォルトの名前はジャンゴであるが、最初にプレイヤーが任意に変更できる。(「僕~」ではここで小島監督関連の名前を入力すると、本編でちょっとしたイベントが起こるという小技があった)サバタとは、唯一血を分けた双子の兄弟。(漫画版ではサバタが若干歳の離れた兄弟となっている)
(ボクらの太陽 Django&Sabata) アクーナギルドの見習い銃士であり破壊の王と戦った伝説の「時駆ける戦士」トリニティの息子という設定になっている。 今までの作品とは違い、性格が無鉄砲で考える前に動くという全く違う性格になっている。
- おてんこさま(CV:大塚明夫)
- 太陽の使者。主人公を導き、その戦いをサポートする。その正体は太陽意思ソルが地上に降臨したもの。ヒマワリのような形をしていて、新~の劇中でトリニティに「おしゃべりヒマワリ」と言われ激怒した。主人公にアドバイスしたり、ボスを完全に倒すために必要な「パイルドライバー」を召還するなど重要な能力を持っている。過去にはジャンゴの父・リンゴと共に戦った。敵から狙われやすく、石化したり、取り込まれたりして、主人公の前からよく姿を消す。しかし、ストーリーの終盤に必ず復帰する。鼻のような器官はタツノオトシゴをモチーフにした口らしい。漫画版ではジャンゴの武器となり、関西弁で話すことになっている。
- サバタ(CV:重松朋)
- 暗黒少年にして月下美人。ジャンゴの兄だが、幼い頃に親元から連れ去られ、偽りの母、闇の女王(クイーン)に暗黒銃「ガン・デル・ヘル」の使い手として育てられた。実の母・マーニから月の巫女(月下美人)の力と「月光のマフラー」を受け継いだ。イモータルの尖兵だったが、自らの出生を知りジャンゴの味方となる。「新~」では敵のイモータルの一人(ラタトスク)に操られ、ジャンゴを地下牢獄に埋葬、封印した。その後、ラスボスに取り込まれた。尚、「新~」にはエンディングが複数存在し、これによって彼の生存が左右される。(エンディング名はA・Bのため、どれが真のエンディングかは個人の解釈に委ねられている)。
(ボクらの太陽 Django&Sabata) たった一人でヴァンパイアを狩り続ける黒衣の剣士。あまり人とは関わらず相棒である星霊獣ネロ以外寄せ付けない。 なぜか人には扱えないはずの暗黒の武具(ダークマター)を扱える。 今までの作品とは違い、ジャンゴと兄弟という設定はなくなっている。また、今回「彼の年齢を少し上げ、男らしくしたい」ということにより声変わりか声優が変わった(佐藤雄大)。
- リタ(CV:小暮英麻)
- 生命の社たる「太陽樹」を守り育てる、大地(ガイア)の巫女。本作のヒロインである。彼女以外に大地の巫女がいるのかは不明。サン・ミゲル襲撃の際に太陽樹と共に伯爵にさらわれた。ジャンゴに助けられてからは、死の都イストラカンの太陽樹、サン・ミゲルに新たに芽生えた太陽樹を世話し、道具屋(果物屋)を営んでいる。清楚でおしとやか、言葉遣いも丁寧でしっかり者だが、いざ戦いになるとレディ直伝の徒手空拳でアンデットをも倒す(その際、言葉遣いも悪くなる)。その実力は師であるレディが「ちょっと強くさせすぎた」と言わせるほど。ジャンゴと同じく太陽街サン・ミゲル出身だが、ジャンゴたちとの面識はなかった様子。伯爵から助け出されて以来、ジャンゴにほのかな想いを寄せていて、彼の近くにいたい一心でサン・ミゲルに帰郷し、彼が倒れた時には看病する健気さも見せる。
- トリニティ
- アンデットに支配された未来世紀から来た少年。トレジャーハンターを自称するが、実際はただのトラブルメーカーである。伝説の戦士を探し出すことが使命といい、ジャンゴたちの行く先々で出会ってはトラブルを起こしたりする。
- カーミラ(CV:小暮英麻)
- 石化能力を持つレディ・ヴァンパイアで、通称「死せる風運ぶ嘆きの魔女」。「僕~」では敵だが、「新~」のヒロインでもある。かつては人間だったのだが、魔女の力を持つという理由で迫害、殺害された。死後、伯爵の手によってイモータルとして復活する。古風で物静かな女性で、サバタへの想いは強い。故にサバタを追うジャンゴに呪いをかけたり、命をかけて行く手を阻もうとする。浄化されてからもその魂はサバタの肉体に宿り、彼を月下美人に昇華させるきっかけになった。「新~」ではヴァナルガンドに支配されつつあるサバタを解放し、その代償としてヴァナルガンドと共に眠ることになる(全エンディング共通)。余談だが「僕~」では対決する時間によって彼女の服が赤から青に変化する。
(ボクらの太陽 Django&Sabata) 辺境に研究所を構えるシェリダン教授の元で働く顔色の悪いメイド。感情に乏しいところがある。その正体はストーカー男爵によって作られた人造人間だったが、自我そのものを持ったため、処分を待つ身となっていたが、シェリダン教授に拾われ、メイドとして働いている。
- ザジ(CV:氷上恭子)
- かつてリンゴと共に戦ったと言われる伝説の魔女「ひまわり娘」の弟子。今は彼女がその二つ名で呼ばれることが多い。流暢な関西弁(おてんこさま曰く、ひまわり娘独特の喋り方)を操り、少々がめついところもあるが、明るく常に前向きな少女。未来を占う「星読み」の力とサン・ミゲル全体を覆う結界維持、テレポート能力と凄まじい魔力を持つが、それゆえに先代のひまわり娘に拾われるまで辛い日々を過ごしていた。「続~」のヒロイン。「新~」でも宿屋で行く先のヒント、やりこみ情報を教えてくれたりする。サバタとの関係は「新~」で少し暗示されていたが、結局の所不明のままである。
- リンゴ(CV:大塚明夫)
- 「キング・オブ・イモータル」を倒し、最強と呼ばれたヴァイパイア・ハンターにしてジャンゴとサバタの父。通称「紅のリンゴ」。サン・ミゲルがアンデットの襲撃を受けた際、伯爵と交戦し、死亡したとされていたのだが、「続~」にて謎のヴァンパイアとして登場した。ジャンゴの身に着けているマフラーと太陽銃はリンゴが託したものである。「僕~」では名前のみの登場で、生前の姿が晒されたことはない。(ちなみに彼の倒したとされる「キング・オブ・イモータル」は名前きりで、当然ながら画像も公開されていない)。「新~」ではリンゴの服装と思われるアクセサリーが存在するが、もしそれがリンゴのものならリンゴは一張羅であると思われる。(色あせたボウシ、古ぼけたコートなど。)
- マーニ
- 月下美人にして、ジャンゴとサバタの母。月光仔の血を引く女性で、ヘルの妹。元はイモータル側であったがリンゴとの恋に落ち、離反。その後、サン・ミゲルが襲撃された際にイモータル側に誘拐、最後はヘルと同化されてしまう。詳しい性格・容姿は不明。ヘルと同化した際もヘルがベースであったためである。サバタといい、マーニといい、月下美人は同化される運命にあるのでは・・・?
- 伯爵(CV:大塚明夫)
- 「血(地)の伯爵」の異名を持つジャンゴの好敵手(ライバル)。別名ヴァンパイアロード。「ボクらの太陽」、「新~」での「イモータル四人衆」の一人。もとはダーインによってヘルの下へ送り込まれた刺客であったが、裏切りヘルに忠誠を誓う。攻撃は吸血、バット変身など、唯一シリーズを通してヴァンパイアらしい攻撃を行う。他にも「ブラッドランス」「ブラッドレイン」などを使う。闇の女王(クイーン)への忠誠が関係しているのか、ジャンゴを執拗に敵視する。
- ヴァンパイア(紅のリンゴ)
- サン・ミゲルに帰還したジャンゴに襲い掛かった吸血鬼。その正体は伯爵による吸血変異によってヴァンパイアになったリンゴ。蝕まれつつある自我はたまに出る程度で、通常は暴走状態にある。物語の序盤で、本来ヴァイパイアが使えるはずのない太陽銃を使用するシーンがあるが、これはベースがリンゴであるため。ダーインに乗っ取られるも、ジャンゴたちの手によって一時的に自我を回復、ダーインを道連れにパイル・ドライバーによって浄化され、最後を迎える。肌・目が伯爵同様であるが、服装は生前のリンゴのもの。
- ダーイン
- 「続~」に登場する、黒きダーインの異名を持つイモータル四兄妹の長兄。各地に封印された妹達の封印を解いた張本人でもある。妹達以上の力を持つ影のイモータルで、真の暗黒仔を名乗る。銀河意思に従いジャンゴと接触すると同時に、絶対存在であるヨルムンガンドの復活を目論む。容姿を自在に変える能力と他者への憑依能力を持ち、終盤ではヴァンパイア(紅のリンゴ)に憑依してジャンゴ・サバタとの決戦に挑む。
- ラタトスク(CV:石田彰)
- 人形遣いの異名を持つ、第三の暗黒仔。「新~」に登場する「イモータル四人衆」の一人。月下美人であるサバタを操り、絶対存在・ヴァナルガンドを復活させ、その力によって世界を支配しようと企む。イモータルであるにも関わらず、銀河意思には従わず、己が私利私欲のために行動し、「イモータル四人衆」を「駒」扱いしている。
- ライマー(CV:大塚明夫)
- 辺境の町アクーナで魔都クリアカンに奴隷として送るために人間を狩っている。しかし、それ以外にも自らの楽しみのために人間を狩っている。棺桶スーツはケンタウロスの様なものであった。
- デュマ*
- 二本角の公爵として人々に恐れられている。新市街では、女性たちの間では大人気であったようであり、ブロマイドも作られると言う人気ぶりであった。
- ポリドリ*
- 銀河宇宙よりの使者「イモータル」でありデュマ達に棺桶スーツを与えた張本人。人間やヴァンパイアを自らの駒として扱う。実は今現在の地球には肉体を持った姿では対応できないため、今は幻体となって活動している。そのため、ギジタイの真の姿「星喰い(プラネットイーター)」を発動させ、環境に対応できるように惑星もろとも変更させようとしていた。
- 最終決戦時には、ヴァンパイアを喰らい、巨大な棘の鎧を持つ新しい体を手に入れた。だが、その中に隠された本体は御玉杓子と目玉を合わせたような容姿だった。
[編集] クロスオーバーバトル
『続・ボクらの太陽』では、ワイヤレスアダプタを使用し『ロックマンエグゼ5』との間で対戦を行うことが可能となっている。これは両ソフトのプレイヤーがそれぞれのシステムでシェードマン(『新・ボクらの太陽』と『ロックマンエグゼ6』によるクロスオーバーバトル2では伯爵)と戦い、倒すまでにかかった時間を競うものである。勝つことで得られるポイントを集めることにより、強力な武器を手に入れることができる。
[編集] メディアコミックス
小学館のコロコロコミックで同ゲームをテーマにした漫画が2003年9月号から連載されている。題名は太陽少年ジャンゴ。作者はひじおか誠。