ブレス オブ ファイアIV うつろわざるもの
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ブレス オブ ファイアIV うつろわざるもの | |
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ジャンル | ロールプレイングゲーム |
対応機種 | プレイステーション (PS) Microsoft Windows (Win) |
開発元 | カプコン |
発売元 | PS,Win:カプコン Win(Q.1980):ソースネクスト |
人数 | 1人 |
メディア | CD-ROM1枚 |
発売日 | PS:2000年4月27日 PS(the Best):2002年9月12日 Win:2003年5月30日 Win(Q.1980):2005年7月8日 |
価格 | PS:5,800円(税抜) PS(the Best):2,800円(税抜) Win:2,800円(税抜) Win(Q.1980):1,980円(税込) |
その他 | the Best:Play Station the Best Q.1980:Quality1980シリーズ |
『ブレス オブ ファイアIV うつろわざるもの』は、カプコンから2000年4月27日にプレイステーション用ソフトとして発売されたロールプレイングゲームである。ブレス オブ ファイアシリーズの4作目。
目次 |
[編集] 概要
前作『ブレス オブ ファイアIII』からの啓示的な世界観や、どことなく暗い雰囲気を受け継いではいるがストーリー上のつながりはない。おなじみの釣りや妖精村育成などといった様々なミニゲームが存在している。また、帝国側の街の雰囲気などは中華的な雰囲気が感じられる。
2002年9月12日には廉価版『Play Station the Best』で再発売された。2003年5月30日にはWindows用ゲームソフト『カプコンPCお得シリーズ』として移植され、こちらも2005年7月8日にソースネクストから『Quality1980』シリーズとして再登場した。
戦闘システム面では基本システムは今までのシリーズとほぼ同じであるが、今作には新たにコンボシステムが登場した。また、今作にはシリーズで初めて二人の主人公(リュウ・フォウル)が用意されており、物語の進行に合わせて二人の主人公を交互に操作していくことになる(といっても基本的にはリュウがメインに据えられている上に、最終的にはリュウしか操作できない)。
全体として、神と人間との対峙や、人間の愚かしさと美しさ・可能性を描いている。
注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。
[編集] 物語
泥の海に隔てられた二つの大陸間では、西側のフォウ帝国と東側の連合諸国で古くから戦争が続いていた。長く続いた戦争は両国に疲弊をもたらし、双方は一時休戦を余儀なくされる。
休戦成立から1年後、戦災を受けた人々を見舞いに前線の町セネスタへむかった東側の大陸のウィンディア王国王女エリーナが行方をくらましてしまう。前線に捜索部隊を送ることでフォウ帝国を刺激することを恐れた東側連合は大々的なエリーナ王女の捜索ができないでいた。エリーナの妹、ニーナは東側連合フーレン族族長のクレイと共に、エリーナ捜索に旅立つことを決意するのだった。
[編集] 主要登場人物
- リュウ
- 主人公。東大陸の街道で巨大な竜と共に突如として現れた謎の青年。奇相である竜眼や、竜変身、竜召喚といった能力を持っている。その正体は数百年前に西側の大陸で召喚された神である初代皇帝・フォウルの半身である。最終的にフォウルと一体となって自分の神としての力とともに全ての神を元の世界へ返し、普通の人間として生きることを決めた。ちなみに最後のフォウルの問いかけに同意してしまうと、逆にフォウルに取り込まれ、かつての仲間と戦い、世界を滅ぼすというエンディングを迎える。
- フォウル
- もう一人の主人公。数百年前に西の大陸側で神として召喚される。統率されることをのぞんだ民の意を汲み、たった1代で西側を統一し、フォウ帝国を築いた人物で『神皇』と呼ばれる。しかしその召喚術は不十分なものであり、フォウルは異なった時代(=現代)と数百年前の世界で二つに分かれて召喚されてしまっていた。その半身(=リュウ)と一体になるためにフォウルはリュウが現れる時代までみずからを封印し、現代で復活した。非常に強大な力を持ち、眠りから覚めた直後は力の発揮が不十分であったが、完全に力を取り戻した状態だと、たった一人でフォウ帝国を滅ぼすほど。
- 人間が生き残るにふさわしいか疑問視しており、一時は人間のやさしさに触れ、人間の持つ可能性を信じようとするが、その後に帝国の残酷な攻撃を受け、人間の愚かさに絶望する。帝国側に召還されたがために人間の醜い部分を目の当たりにしてしまったある意味一番の犠牲者であるとも考えられよう。
- ニーナ
- ウィンディア王国の王女。飛翼族であり、背中にピンク色の翼を持つ。王家の良い育ちのために、子供っぽい一面も見られる。行方知れずになった姉のエリーナを探すためにクレイと共に旅立った。クレイに憧れにも似た恋心を抱いているが、クレイがエリーナと好き合っているのを知っており、身を引いている。リュウに人間のやさしさを教えた内の一人。
- クレイ
- フーレン族族長。狸のような尻尾を持っている。エリーナとは幼馴染であり、好き合っている。後にエリーナを自らの手で殺害するという運命を辿る事となる。皆をまとめるリーダー的存在であるが、直情的でそのことをよくアースラなどから窘められる。
- マスター
- のろいを完全に防ぐ強固な鎧。周囲の人々は鎧をつけた人物であると思っていたが、実際は不完全ではあるが神であるディースを封印していた鎧がディースの影響を受けて意思を持って動き出したもの。つまり鎧自身が動いている。さらに「マスター」とはこの鎧がディースに対して「主人」という意味で使っていた言葉であり、この鎧自身の名前はない(周囲の人々はこの鎧がまるで1人称のように「マスター」と使うため、この鎧の名前をマスターと勘違いしていた)。
- 後にディースから正式に、マスターという名前をもらい、ディースの事はディース様と呼ぶよう言われる。ディースが出て行くとエネルギーが不足して動けなくなる。フフフーという不気味な笑い方をするがよく笑うところを間違える。
- ディース
- フォウルやリュウと同じく西側大陸に不完全な召喚術で呼び出された神。不完全であったために実体を持てず、鎧の中に封印された。リュウにフォウルと会ったときに吸収されてしまわないように古の神である竜神たちに会って力をつけるように促す。一時はマスター(殻として憑いていた鎧)の体から出て行ったが、最終的に鎧の中に戻った。
- サイアス
- 戦争中に東側に傭兵として雇われ、戦争に参加していた。犬のような風貌に侍のような出で立ちをしている。ニーナとリュウの監視役としてルディアに雇われていたが、リュウ達が何を成すのか興味を持って仲間となった。飄々とマイペースな人物で自然を愛し、ある島にパーティーが取り残されたときも「いい」と言い、のんびりとした生活を気に入っていた。刀による瞬速の居合いを得意とする。ちなみに左利き。
- アースラ
- フォウ帝国の中隊長を務める。職務に忠実で、リュウを捕らえ(正確には向かえに)に来て、逆にリュウ達の捕虜のような形となるが、フォウルに会うために帝国に向かいたいリュウ達に立場を利用されるも、本人は本部まで連行する名目がつくからという理由で帝国までの旅に加わる。狐のような耳と尻尾を持ち、銃を扱う。フナムシが苦手。
- エリーナ
- ウィンディアの王女であり、ニーナの姉。前線の町セネスタで帝国に連れて行かれ、帝国側の科学者・ユンナによって人工的な神にされてしまう。その体はモンスターの臓器で巨大なつぎはぎ状態にされ不老不死なものにされた。神としての力を得た事により、クレイ達が大きな流れの中にいることを悟った。唯一神を切ることのできる「神鉄の剣」でクレイに自らを切るように頼み、その人生に終止符を打った。
- ユンナ
- 帝国の科学者。神を作ることを目標にしている。呪砲や人体実験も手がけ、自らの実験のために他人の命を平気で奪う残酷な人物。エリーナにモンスターの臓器をつないで神に改造した。フォウルをも利用して無能な帝国君主を殺させる等、目的の為ならば何でも利用する。帝都の帝国関係者らがフォウルの行動でズタボロにされたのに対し、EDでもちゃっかりしっかり生き残っている姿が確認出来る。ある意味絶対倒したい奴。
- マミ
- 西側の田舎の村で農業を営んでいた女性。髪に鈴をつけている。手負いのフォウルを手当てし、帝国から匿った。フォウルはこのことから人間の優しさや美しさを学びかけていたがその矢先にマミはフォウルを匿った罪と彼に対する想いの強さを見抜いたユンナらによって帝国に連行された上に呪砲のいけにえ(ニエ=弾)にされてしまい、帝国軍から逃げ延びたフォウルにこの呪砲が直撃する。呪いの中でマミがつけていた鈴を発見したフォウルは、マミがニエにされたことを悟り、人間の愚かさに絶望することとなる。
- 前作のキャラクターであるレイ・ティーポ・モモが少しではあるが登場している。またリュウ・ニーナ以外にババデルが同名キャラクターとして登場している。
[編集] 声の出演
[編集] 用語解説
- 神
- 現世を治めるために人の手によって異世界から召喚される存在。役目を終えた神は竜として現世の行く末を見守る。不変であることから「うつろわざるもの」といわれ、対して移りゆく人間達のことを「うつろうもの」という。
- 帝国
- 数百年前フォウルによって一代で築かれた国。フォウルが復活するまで帝国を守り、復活した際には帝王の座を譲る盟約をしていたが、その地位を明け渡したくない現帝王ソニールは復活した初代帝王フォウルを倒そうとする。
- 呪砲
- 帝国が使用する兵器。いけにえ(ニエ)を使って、呪いを精製し、目標に打ち出す兵器である。ニエと目標との関係が近しいほどその威力を発揮する。(そのためマミがフォウルに対する呪砲のニエに選ばれたと考えられる。)呪いは長い年月にわたって被弾地区を汚染する。暗に現実世界の核兵器を意味しているのではないだろうか。
- 召喚術
- 西の大陸の山奥にあるチェクの村に伝わる秘伝法で代々この村が神を呼び出してきた。それとは別に西の大陸でも召喚を行ったものがいたが不完全な召喚術のためにリュウ・フォウル・ディースなどが不完全な形で呼ばれてしまった。
- 砂舟
- 砂漠を渡るための船
[編集] 関連作品
- 小説『ブレス オブ ファイアIV うつろわざるもの アルカイの竜』(著:じょうもん弥生、挿絵:天野シロ) ISBN 4-7577-0047-4 エンターブレイン、2000年8月