フィリップ5世 (フランス王)

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フィリップ5世

フィリップ5世（Philippe V le Long、1293年 - 1322年 1月3日）は、フランス・カペー朝の第14代国王。第11代・フィリップ4世の子で、第12代国王・ルイ10世の弟。長身王（長躯王）と呼ばれた国王である（在位1316年－1322年）。ナバラ王も兼ねた（フェリペ2世）。

フィリップ5世(Philippe V le Long Bibliothèque Nationale de France)

1316年、兄のルイ10世が死去し、その後を出生と同時に継いだルイ10世の子・ジャン1世も同年のうちに早世したため、カペー朝の直系男児は断絶した。このため、一部ではルイ10世の娘・ジャンヌを次期国王として望む声があった。しかし問題があった。実はこのジャンヌ、カペー朝の血統ではないと疑問視されていたのである。というのは、ジャンヌの母・マルグリットが一大スキャンダルである不倫疑惑を起こした（1314年のことで、これにショックを受けた当時の国王・フィリップ4世は同年のうちに死去している）張本人だったからだ。そのため、ルイ10世の弟にあたるフィリップは、ジャンヌには王家の血筋を継いでいない可能性があるから王位にはふさわしくない。また、サリカ法（女性の王位継承の禁止を定めた法律で、フランク王国の時代に成立していた）に基づいて女性の王位相続は禁止されているとして彼女を王位から遠ざけ、自身が国王として即位することとなった。

しかし皮肉にも、フィリップ5世には男児に恵まれなかった。そして1322年、男児の無いまま死去し、後を弟のシャルル4世が継ぐこととなった。