バケットホイールエクスカベーター
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バケットホイールエクスカベータ(Bucket Wheel Excavator)は露天採掘に用いられる土木機械である。BWEとも表記され世界中で稼動している。
巨大な土木機械として有名で、中でもMAN Takraf社が製造したRB298は地上最大の自走機械としてギネスにも登録されている。
[編集] 特徴
長いアームの先端に回転可能な巨大なホイールがついており、ホイールの外側に複数のバケットがついている。採掘したい場所にこのホイールを押しあてて回転させ、鉱物を削り取る。多くのBWEにはアームの中にベルトコンベアが通され、採掘された鉱物はこのベルトに送られる。こうして連続的な採掘を可能にした点が大きな特徴である。
[編集] Bagger 288
Bagger288はその素性がよく知られており、簡単にその特徴を示す。 Bagger288はドイツのクルップ(Krupp)社が開発製造し、建造に5年の歳月をかけ1978年に完成した。 全長240m、全高96m、総重量1万3500トンであり、規模において当時世界一だったNASAのロケット運搬装置を超えた。 動力は全て外部電力で操作には5人が必要で、そのためトイレや台所も完備している。 直径21.6mのホイールには18個のバケットが付いており、一つのバケットあたり6.6立法メートルの容積がある。 これによって一日に24万トンもの採掘が可能で、定常運転時は16メガワットもの電力が必要である。 移動速度は最大秒速10mであり、12本のキャタピラで動く。
2001年2月にドイツのHambach炭田を掘りつくし、三週間かけて22キロ先のGrazweiler炭田まで移動した。移動には1500万マルクと70人の作業員を要した。