バイオハザード アウトブレイク
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
バイオハザード アウトブレイクは2003年にカプコンよりプレイステーション2用として発売されたホラーアクションアドベンチャーゲーム。バイオハザードシリーズの番外編である。プレイステーション2をインターネット接続することでオンラインゲームとしてもプレイ可能。
2004年にはマイナーチェンジした続編『バイオハザード アウトブレイク FILE2』が発売された。
目次 |
[編集] シリーズ
[編集] オンライン
共通事項
- 同じキャラは選択できない(オフラインも同様)。
- ゲーム自体の参加費は無料だが、プレイにはMMBB(マルチマッチングBB)と呼ばれるサービスに加入しなければならない。このサービスは有料である。
- ゲーム前はチャットできるが、開始してからは予め用意されているアドリブに頼らなければならない。
- 同時参加人数は最少1人から最大4人。
- 部屋を作って、参加者を募るシステムでチャットをしながら参加者を待てる。設定は難易度、キャラクター、待ち時間、部屋のタイトルを編集可能。ただし、開いた後は閉じなければ編集できない。
オフラインとの違い
- アイテムがランダム配置。
- ウィルスゲージが100%になってゲームオーバーとなった場合、ゾンビになって動き回れる。制限時間はFILE1では2分、FILE2では10分である。味方への攻撃も可能でドアの開閉もできる。ただし、ハシゴの乗降はできない。(なお、味方への攻撃は一般的に荒らしとされる為、しないのが普通である)
- セレクトボタンを押しても時間は止まらない。
- ゾンビとなった場合、制限時間内でもムービーが開始されればゲームオーバーとなる。
- 他のキャラからのアイテム要求文が表示されるようになり、こちらが要求した場合は相手側に要求文が表示される。
FILE1
- 16フロアあり、1フロア20部屋作ることができる。
- 本編に収録されているシナリオ5つを最初から最後までプレイしていくモードと難易度、キャラクターを選択して部屋を開いて募っていく2モードがある。
FILE2
- 参加者を募る方法として各コーナーのロビーにあるクイックスタートという方法が追加された。これはキャラを選ぶだけで自動的に部屋を見つけ始めると言うものである。
- 一つのコーナーにつき、20部屋ずつある。前作との相違点は一コーナーに320部屋ある訳ではない。
- 無制限の「フリーモード」を始め12のコーナーがある。(例:自動的にナイトメア(敵の攻撃が強くなる)モードになるナイトメアコーナー等)
[編集] バイオハザード アウトブレイク
舞台はラクーンシティ、巨大製薬企業アンブレラとレオン、クレア、S.T.A.R.S.隊員が戦っている中、少しでも生き延びようとする一般市民の苦悩や葛藤を描いた作品。最終的には戦術核ミサイル(一部の攻略本のQ&Aには「核ではなく気化爆弾」とも書いてあり、真実は不明)により消滅するが、この核ミサイルが投下される前の話が描かれている。
「バイオハザード2・バイオハザード3」と同様の時間軸で描かれ、これらの作品に関連したイベントも見られる。プレイヤーは8人の一般市民の内1人を使い、ラクーンシティーからの脱出を目的とする。
ファンには人気のある「ラクーンシティー」が舞台になる上にシリーズ初のオンラインモードが装備されていたので期待されていたが、シリーズでおなじみの隠し要素に関するバグがあり、隠し要素が出現できないようになっていた。カプコンはオンラインモードに新しいゲームルールを追加し、それをプレイすることで隠し要素出現のための条件を満たせるようになっていたが、事実上オンラインに接続していない大半のオフラインユーザーを無視した形になった。これによりネット上を中心にカプコンへの批判は相次いだ。この事件に加えて、「HDDにインストールしないとロードが長い。インストールしてもやはり長い」「AIがバカすぎる」などの批判もあがり、思ったように売り上げが伸びなかった。 しかし、オンラインゲームとして見ればかなりの傑作であり、オンラインプレイをした人たちには絶賛されている。 続編を希望するオンラインユーザーが多くいるが、2006年8月現在未だに発売の予定はない。
ちなみにオープニングムービーは最高の出来と評価されているのも本作の特徴。
[編集] ゲーム概要
アウトブレイクシリーズでは多数のシステムを追加している。
- 仲間がいる
- 本作ではAIが操作する2人(オンラインでは他のプレイヤーが操作するキャラクターが最大3人)の仲間が一緒に行動してくれる。またオフラインでのAIの操作も使用するキャラクターによってクセがあり、キャラクターによっては勝手に一人で行動したり、回復アイテムをすぐに使うキャラクターもいる。
- 新しい種類の武器
- 今までのバイオハザードと違い、一般市民がプレイヤーキャラクターである為、武器は包丁、鉄パイプなどの身近にある物になっている。もちろん威力は銃器と比べると貧弱であるが、難易度が高くなればなるほど弾薬に非常に困る為、通常は最弱といわれるナイフですら、メイン武器として使う場合もある。
- アドリブ
- 今回は(デフォルトでは)□ボタンを押すと、状況に合わせてキャラクターが何かセリフを喋るようになった。また右スティックを使うと他のプレイヤーに助けを求めたり、アイテムをねだったりすることができる。また、キャラクターの細かな設定がわかったり真実を喋るキャラもいる。セリフパターンはそこまでは多くないものの、そのせいか発言内容自体はどことなく印象強いものが多い。
- アイテムの受け渡しが可能
- 仲間同士で収集したアイテムを受け渡しすることが可能で、あるプレイヤーが荷物持ちになったり、足りないアイテムを融通してもらうということができる。(銃器の弾薬は一度まとめてしまうと、二つに分解することは不可能)
- ウイルスゲージ
- これはキャラクターのウイルス感染進行度を表している。時間がたつと徐々に進行して、100%になるとゲームオーバーになる。一時的に進行を止めることは出来るが完全に止めることは基本的には出来ない。オンライン時に100%になるとプレイヤーはゾンビとなり、他のプレイヤーを攻撃できるようになるが、制限時間がある。今作では体力が0になっても死亡(即死攻撃含まず)せず、地面に倒れ、はいずり状態になる。はいずり状態では、ウィルスゲージが猛スピードで加速する為、それにより実質ゲームオーバーとなる。(100%になる前に起こしてもらったり回復アイテムを使えば進行は通常に戻る)
- スペシャルアクション
- キャラクターごとにそれぞれ違ったスペシャルアクションを持っている(スペシャルアクションの内容は後述する)。
- パーソナルアイテム
- キャラクターが最初に持ってるアイテムでキャラクターによって違う。受け渡しが出来ない。
- SPアイテム
- いわゆる隠しアイテム。ゲーム中様々な場所で入手できる。こちらは登場人物の趣味等などの細かな設定が理解できたり、シリーズに出てきたキャラクターの名前が登場していたりする。また、特定のSPアイテムを集めることがある隠し要素の出現条件となっている。
- その他
- 武器を持ってない時は「タックル」が出来るようになった。また負傷した仲間に「肩を貸す」ことが出来るようになった。一部の武器は使い続ける、もしくは一部の敵の攻撃で消耗、破損するようになった。銃器のリロードは弾薬を一発一発込める方式になり、メニューでの組み合わせでもそれは変わらない。(マガジンアイテムでマガジンを交換するすばやいリロードが可能)
[編集] 登場人物
今作では、能力や最初から持ってるアイテム(パーソナルアイテム)等がそれぞれ違った個性豊かなキャラクターが登場する。操作できるのは以下の8人。
- ケビン・ライマン(Kevin Ryman)
- 31歳のR.P.Dの警察官。射撃の腕は署内No.1。しかし楽天家でS.T.A.R.Sの試験に2回落ちてしまった。射撃能力が高く、体力も高めで移動速度は8人の中で一番速いがウイルス感染速度が速いのが欠点。スペシャルアクションはタックルより威力のある「キック」と必ずクリティカルヒットになる「狙い撃ち」。パーソナルアイテムは普通のハンドガンより威力の高い「ケビン専用45オート」。
- デビッド・キング(David King)
- 年齢不詳の配管工。無口で過去のことはあまり喋らないが、昔はそれなりに荒れていた。戦闘向けで体力も高く、おまけにウイルスゲージも速くたまらない初心者向けのキャラクター。パーソナルアイテムは「工具入れ」。この中には武器として使える「折りたたみナイフ」武器の修理に使う「ジャンクパーツ」武器を組み合わせる「ビニールテープ」攻撃力の高い「スパナ」が入っている。スペシャルアクションは「スパナ投げ」と「連続ナイフ攻撃」。ちなみに、「スパナ投げ」をゼロ距離で放つと、アッパーをしているように見える。
- マーク・ウィルキンス(Mark Wilkins)
- 52歳の警備員。50代とは思えないような体力を持つ。ベトナム戦争を経験した人物。戦争のむなしさを経験しており、平穏な暮らしを願っている。彼も射撃能力が高く、体力は8人の中で一番高いが移動速度はかなり遅い。スペシャルアクションは敵からの攻撃のダメージをかなり軽減する「ガード」と棒タイプの武器の威力が上がる「フルスイング」。パーソナルアイテムはクリティカル率の高い「マーク専用ハンドガン」。
- シンディ・レノックス(Cindy Lennox)
- 24歳のウェイトレス。優しい笑顔で客を魅了している。戦闘向けではなく体力は2番目に低い。しかし、仲間を助けるようなアクションを取ることができ、ハーブをたくさん持つことができるため生存率は高い。パーソナルアイテムはハーブをストックできる「ハーブケース」。スペシャルアクションは回避しやすい「しゃがみこみ」。また、隠しコスチュームに「バニーガール」がある。
- ジョージ・ハミルトン(George Hamilton)
- 39歳の医者。自然に周囲の信頼性を得ていく包容性がある。戦闘能力は高くないし、体力もそれほどでもない。だが、パーソナルアイテムで様々な薬品が作り出せるため、生存率は高い。パーソナルアイテムはハーブを使ってカプセルを作れる「メディカルキット」、スペシャルアクションは「かわしタックル」。
- アリッサ・アッシュクロフト(Alyssa Ashcroft)
- 28歳の新聞記者。他人と衝突することが多いが、自分を慕うものに対してはやさしい。女性の中では一番戦闘向け。体力も女性の中では一番高い。パーソナルアイテムは「キーピック」。スペシャルアクションはケビンと同じ「狙い撃ち」と回避しやすい「バックステップ」。
- ジム・チャップマン(Jim Chapman)
- 24歳の地下鉄駅員。常に一言多く周囲の反感を買いやすい。パズルが得意。体力も低く戦闘能力もない、上級者むけのキャラクター。だが、パーソナルアイテムを使うと最強キャラに変身する(運次第だが)。パズルを解く場面でアドリブを聞くとヒントが聞ける。パーソナルアイテムは表が出るとクリティカル率がアップする「コイン」。スペシャルアクションは敵が攻撃しなくなる「死んだフリ」(但し死んだフリをしている間はウィルスケージが早くたまるようになる。しかし最終ステージでウィルスを消す薬品を使えば、最強のキャラに早変わりする。)また、アイテムの場所がわかる「アイテムサーチ」がある。
- ヨーコ・スズキ(Yoko Suzuki)
[編集] バイオハザード アウトブレイク FILE2
前作からの変更点はエクストラアイテムの追加、新しいアクションの追加、新しいクリーチャーの追加、新しい武器の追加等がある。前作のアナザーストーリーという位置づけである。
[編集] ゲーム概要
※ 前作のシステムに加えて、新たなシステムが追加されている。
- 新たなアクションの追加
-
- 一部のキャラクターに新しいアクションが追加されている。
- エクストラアイテムの追加
-
- 各キャラクターが最初から持ってるアイテム。キャラクター毎にアイテムが違う。パーソナルアイテムと違って受け渡しが可能である。
- AIPCの選択可能
-
- 今作ではオフラインでシナリオをはじめる毎にAIPCを二人選択できるようになった。ある条件を満たせば一人でプレイをすることもできる。
- 相性の追加
-
- キャラクターの相性が良いとプレイヤーの言うことをを必ず聞いてくれる。逆に相性が悪いとプレイヤーの言うことを聞いてくれなかったりする。
[編集] 登場人物
キャラクターのプロフィールや能力は前作と同じなので、ここではエクストラアイテムや新しく追加されたアクションについて説明する。
- ケビン・ライマン(Kevin Ryman)
-
- エクストラアイテムは「45オートのマガジン」。追加アクションは威力があるが使いにくい「エルボータックル」。
- デビッド・キング(David King)
-
- エクストラアイテムは「ライター」。追加アクションは「連続ナイフ攻撃」が4段になり、上方・下方も2段攻撃になった。
- マーク・ウィルキンス(Mark Wilkins)
-
- エクストラアイテムは「ハンドガンマガジン」。追加アクションは「フルスイング」が上方、下方と使い分けれるようになった。
- シンディ・レノックス(Cindy Lennox)
-
- エクストラアイテムは出血状態を防止する「止血帯」。追加アクションは肩を貸しているキャラクターもしゃがみこむ「同時しゃがみこみ」。
- ジョージ・ハミルトン(George Hamilton)
-
- エクストラアイテムは様々なカプセルを射出できる「カプセルシューター」。追加アクションはない。
- アリッサ・アッシュクロフト(Alyssa Ashcroft)
-
- エクストラアイテムは「スタンガン」。追加アクションはなし。
- ジム・チャップマン(Jim Chapman)
-
- エクストラアイテムはクリティカル率が上がるなどの効果がある「幸運のコイン」。追加アクションは棒系の武器でずっと攻撃が出来る「連続振り回し」。
- ヨーコ・スズキ(Yoko Suzuki)
-
- エクストラアイテムは即死しなくなる等の効果がある「お守り」。追加アクションは「突き飛ばし」。
[編集] デイライト
ラクーンシティの大学内で極秘裏に研究、開発されてきたと思われる、『日の光』の名を冠した対t-ウィルス用の特効薬。 これを使用した生物は、体内のt-ウィルスが全て死滅し、以降のt-ウィルスによる感染も永続的に防ぐ事が出来る。
ハチの毒から生成できる「V-ポイズン」、T-ウイルスに感染した生物の血液である「T-ブラッド」、そして「P-ベース」。この三つの薬品を入手し、校舎内の実験室にある特殊な製造機にセットする事で生成可能。最大で五個(プレイヤー四人+エンディング分岐用)入手できる。
アンプルに詰められた状態で手に入るので、アンプルシューターという武器に装填、発射可能。 これが命中したクリーチャーは、体内のt-ウィルスが死滅するので全て即死する。エンディング時にこれを所持しているか、自分に使用しているかでエンディングが変わる。
[編集] 外部リンク
バイオハザード シリーズ | |
---|---|
本編: | BH 1 - BH 2 - BH 3 - Veronica - BH 0 - BH 4 - BH 5 |
外伝: | GAIDEN - アウトブレイク - ガンサバイバー |
映画版: | 第1作 - 第2作 - 第3作(公開予定) |