ドレッドノートガンダム
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ドレッドノートガンダム(Dreadnought Gundam)は、『機動戦士ガンダムSEED X ASTRAY』に登場する架空の兵器(モビルスーツ・略称はMS)。(型式番号:YMF-X000A)
注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。
目次 |
[編集] 機体解説
ドレッドノート | |
型式番号 | YMF-X000A |
所属 | ザフト→ジャンク屋組合 |
建造 | ザフト |
生産形態 | 実験機 |
全高 | 18.21m |
重量 | 67.50t(ドラグーンシステム含まず) |
主な搭乗者 | コートニー・ヒエロニムス プレア・レヴェリー カナード・パルス(ドレッドノートイータ) |
武装 | ドラグーンシステム×4 MA-M22Y ビームライフル MA-MV04 複合兵装防盾システム MMI-GAU2 "ピクウス"76mm近接防御機関砲×4 XM1 "プリスティス"ビームリーマー×2 |
装甲 | フェイズシフト装甲 |
ザフト軍初のニュートロンジャマーキャンセラー(NJC)搭載型核動力MS。
本機はZGMF-X09Aジャスティス、ZGMF-X10Aフリーダム等後の核動力機のプロトタイプである。ドレットノートを筆頭にこれら核動力機はZGMF-600ゲイツの開発も手掛けた統合設計局によって設計されたが、NJCを搭載した核動力MSの基礎データ収集が目的である為、開発時間の短縮により、頭部以外はゲイツタイプのものを流用した結果、外見はガンダム頭のゲイツである。そのため頭部がない状態では殆どゲイツと見分けが付かない。この機体はゲイツとその他核動力機を結ぶ過渡的な機体である。また、後の機体と違い唯一NJCを頭部に搭載しているのも特徴である。
武装は、核エンジンの恩恵によって装備可能となったドラグーンシステムの一種「XM1"プリスティス"ビームリーマー」が代表的である。システムの制御に使われる量子通信はNジャマー下での無線誘導を可能としているが、消費電力の膨大さから大電力をほぼ恒常的に発生する核エンジンのバックアップは不可欠だった。プリスティスはゲイツが持つビームロケットアンカー「EEQ7R エクステンショナル・アレスター」の発展型であり、ビーム砲内蔵の端末部は本体とケーブルで繋がれている。ただしこれはこの装備がまだ実験段階にある為、端末のロストを防ぐ目的で備えられたものであり、ケーブルが断線したとしても運用に支障はない。射撃タイプ・短サーベルタイプに切り替え可能である。射撃武装の「MA-M22Yビームライフル」とビームサーベル内蔵の「MA-MV04複合兵装防盾システム」は、それぞれゲイツが装備する「MA-M21Gビームライフル」や「MA-MV03 2連装ビームクロー」の改良型であり、後にドラグーンシステムを搭載した直系の後継機といえるX13Aプロヴィデンスの「MA-M221"ユーディキウム"ビームライフル」や「MA-MV05A 複合兵装防盾システム」の原型となっている。
テストパイロットは、立場的には一般人でザフト軍ではないが、空間認識能力を持っていたコートニー・ヒエロニムスが担当した。
命名の由来としては、「ドレッドノート」とは「勇敢な者」を意味し、「プラントの守護を担う勇敢な機体であれ」という願いを込められているとされている。しかし実態は、常に被曝等トラブルの危険に晒される核エンジンを搭載した事でパイロットの負うリスクが増した事から、「こんな機体に乗る者は勇敢な人物だ」という皮肉を込めて名付けられたという説もある。また、後にドラグーン(有線式であるが、これはドラグーン自体もPS装甲で出来ている為の通電用であってガンバレルのような操作用ではない)が追加装備された際に、ロウ・ギュールから「Xアストレイ」とも呼ばれている。これは、パイロットであるプレア・レヴェリーの、核の力を平和のために使いたいという意思から「兵器としての王道を外れた者」という意味での「アストレイ」と、バックパックに装備されたドラグーンが「X」の形に見えることによる。
[編集] 劇中での活躍
元々テスト機だったドレッドノートはテスト終了後にはバラバラのパーツに分解され、核エンジンおよび機密パーツ以外は廃棄処分されるはずだったが、地球の深刻なエネルギー不足を解決するため、シーゲル・クラインにより、すべてのパーツがジャンク屋を通じてマルキオ導師にわたるように手配された。
しかし地球へ輸送中、ニュートロンジャマーキャンセラーが搭載されている頭部パーツをサーペントテールに奪われたため、頭部を返されるまではゲイツのもので代用し、バッテリーで駆動していた。
後にサーペントテールが頭部を返却した際、リ・ホームで改修される。その後、アンドリュー・バルトフェルドから、本機のテストで得られたデータから生み出されたドラグーンの設計図がもたらされ、ロウ・ギュールによってアメノミハシラにて新たに装備された。
ハイペリオンとの最終決戦の後、プレア・レヴェリーからカナード・パルスに託された。
[編集] バリエーション
[編集] ドレッドノートイータ
ドレッドノートイータ(Dreadnaughit Ηは、『機動戦士ガンダムSEED DESTINY ASTRAY』に登場するMS。(型式番号:YMF-X000A/H)
傭兵の道に入ったカナード・パルスがロウ・ギュールに依頼してプレア・レヴェリーの遺品であるドレッドノートを改装した機体。
カナードにはドラグーンシステム操作する為に必要な空間認識能力の適性がなかったため、これらを外し、新たにイータ・ユニットと呼ばれる武装に換装(一部改修)している。
イータ・ユニットはあらゆる戦闘に対応すべく開発された多目的武装で、ビーム砲及び機関砲を内蔵した背部の1対のデバイスを前方に展開した砲撃戦形態「バスターモード」、両腕にマウントし巨大なビームサーベルとした格闘戦形態「ソードモード」の2つに変化する。本体の武装は先の戦いで四散したハイペリオンの残骸から回収された武装を一部改良して使用している。ビームサブマシンガン「ザスタバ・スティグマトREW-99」は、本体から延びたパワーケーブルを接続し核エンジンからの電力供給によって弾数制限をほぼ無くしている。しかし、機動戦士ガンダムSEED DESTINY ASTRAYでのジェネシスα制圧作戦でのジェネシスα防衛中にはドレッドノート本来のビームライフルを装備している。
両腰にはプリスティス端末に「アルミューレ・リュミエール」の発生器を組み合わせた「アルミューレ・リュミエール・ハンディ」を装備。ビームサブマシンガン同様有線で電力供給が行われ、使用時は前腕部にユニットをマウントする。また、盾として使う以外にも収束することで槍のように相手を貫くこともできる。
無論、核エンジン、ニュートロンジャマーキャンセラーもそのままになっているので、武装はほぼ無制限の状態で使用できる。
「イータ」とはこの装備のシルエットが「H」に見えることから、ギリシャ語の「Η」(イータ)にちなんで名付けられた。
[編集] ドレットゲイツ
ドレットノートの本来の頭部に代わりにゲイツタイプの頭部を移植した状態のもの。通称ドレゲイツ。
なおこの名称はXASTRAYの作画担当のときた洸一氏と脚本担当の千葉智宏氏が半ばお遊びで付けた名称で公式名称ではない。この状態ではニュートロンジャマーキャンセラーが搭載されていない。故に核動力が使用できず、PS装甲も使用できない為、常時フェイズシフトダウン状態である。そのため機体色が灰色一色であり、トリコロールカラーであるフルスペック状態と比較して印象がかなり変わる。元々ゲイツのパーツを流用した機体であるため、外見は殆どゲイツそのものである。