ドイツ共産党

出典: フリー百科事典『ウィキペディア（Wikipedia）』

ドイツ共産党（Kommunistische Partei Deutschlands）は、かつてドイツに存在していた政党。略称はKPD。

[編集] 概略

[編集] ワイマール時代

元々はカール・リープクネヒト、ローザ・ルクセンブルクら社会民主党左派が結成したスパルタクス団が母体となっている。第一次世界大戦後、独立社会民主党の中でも革命路線をとる勢力が1918年末に共産党を結成したが、翌年の武力蜂起に失敗してカール・リープクネヒト、ローザ・ルクセンブルクが虐殺された。ベルリンなど大都市を牙城に勢力を伸ばし、世界恐慌による不況が深刻化する中で、ドイツでは議会制民主主義への失望が高まり、共産党は、下層階級を支持基盤に急速に勢力を拡大させ、世界でも有数の共産主義政党となった。その宣伝手法、特にポスターなどの視覚的な宣伝には優れたものがあり、ゲッベルスが賞賛したり、社会民主党の防衛隊と並んでナチスが真似したくらいであった。しかし、その圧倒的な躍進を危惧した保守層が唯一の対抗政党だったナチスにかなりの選挙資金を出した(現に航空機などを購入できるほど)ためナチスは共産党以上に勢力を伸張させ、1933年のヒトラー政権政権成立へと至った。同年の国会選挙期間中、国会議事堂放火事件を口実として共産党は解散させられることになった。

[編集] 東西分裂時代から現在

西ドイツにおいては、1956年に憲法裁判所によって解散させられた。その後、1968年に合法政党(Deutsche Kommunistische Partei 略称：DKP)として再出発するも、連邦選挙では0.3%の得票数に留まり議席を獲得できなかった。一方、東ドイツにおいては、東側地区のドイツ社会民主党を半強制的に併合し、ドイツ社会主義統一党(SED)として事実上の一党独裁政治を行った。ドイツ再統一後は、西ドイツの共産党メンバーの大半が、社会主義統一党の直系政党である民主社会党（PDS）に合流した。その後、ドイツ社会民主党左派と合併して左翼党を構成している。旧東ドイツの選挙区では第二党としての地位を占めることもあるが、旧西ドイツの選挙区では一部の選挙区を除き、5パーセント以下の得票しか得られていない。