トゥモロー・ネバー・ノウズ

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この項目ではビートルズの楽曲について説明しています。Mr.Childrenの楽曲についてはTomorrow never knows (Mr.Children)をご覧ください。

「トゥモロー・ネバー・ノウズ」 (Tomorrow Never Knows) は、1966年にリリースされたビートルズのアルバム『リボルバー』に収録された曲。作者はジョン・レノン。アルバムの最終トラックとして収録されたが、セッションでは一番初めに録音された。

この曲の制作初期段階に録音されたヴァージョンでは、あらかじめ別に録音されたサンプリングによるループが挿入され、それに合わせてドラムがたたかれている。後のヒップ・ホップやクラブ系といった音楽ジャンルでのバック・トラック制作の基本であるサンプリング（ループ）という手法を十数年も前に行っていたビートルズの先進性を垣間見れる曲でもある。

タイトルは、ア・ハード・デイズ・ナイトと同様に、リンゴ・スターが何気なくつぶやいた一言から取られた。なお、当初のタイトルは"Mark I"であった。

この曲は、「ダライ・ラマが山の頂上から説法しているような感じで」とジョンが指示したため、レインではじめた逆回転録音をさらに進化させたような作品で、故にサイケデリックな作風に仕上がっている。逆回転による鳥の鳴き声のような音が特徴的（実際にはギターを早回しにした音）。また、この曲はモーリス・ラヴェルのボレロ同様に一つのコード(C major)で貫かれている。

曲の歌詞は、ティモシー・リアリーがチベットの『死者の書』を基にして書いた『The Psychedelic Experience: A Manual Based on the Tibetan Book of the Dead』(現在では『チベットの死者の書―サイケデリック・バージョン』(八幡書店)として入手可能)に触発されたもの。

しかし、この作品が発表された時は賛否両論で、後に日本のビートルズ研究の第一人者となる香月利一氏のように「ジョンにはピュアなロックンローラーでいて欲しかった」と失望する声があったほど。しかし、1980年代以降多くのミュージシャンがカバーしているため、現在ではジョンの代表曲のひとつとして評価されている。この曲はCコードのみで構成されている。ただし、途中はB♭が混ざって1小節分数コードになる。

この曲に関して、英国ステレオLP、モノLP、米国ステレオLP、モノLP、さらに英国1stプレス・モノLPともにミックスが違う。

ビートルズのプロデューサーだったジョージ・マーティン等が手がけたリミックス的なアルバム「ラヴ」（２００６年発表）には、トゥモロー・ネバー・ノウズのドラムの上にウィズイン・ユー・ウィズアウト・ユーのヴォーカルを乗せたキックス・ヴァージョンが収録されている。

ちなみにMr.Childrenの曲『Tomorrow never knows』はこの曲からタイトルを取ったもの。また、ライブでの演奏は不可能と言われながらも技術の進歩で現代では2001年にAct Against AIDSで桑田佳祐が披露したのをはじめとして多くのミュージシャンがカヴァーしている。