データ (スタートレック)
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データ (Data) は、アメリカのSFテレビドラマ『スタートレック』シリーズに登場する人物の一人。『新スタートレック』のアンドロイド。ブレント・スパイナーが演じた。日本語の声優は大塚芳忠。
注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。
アイザック・アジモフが考えた陽電子頭脳を搭載したアンドロイドを生み出したいと、物語内の人物ヌニエン・スン博士により作られた(アンドロイドの共同開発者としてスン博士の当時の妻『ジュリアナ=オドネル』博士がいた事が、後年本人よりデータ少佐に告げられた)。姿はヌニエン・スン博士自身の若いころに似せられた。オールバックの髪型、金色の瞳、真っ白な肌が特徴的である。頭髪の類は自由に伸ばすことが出来るらしく、一回だけ髭を生やしたり(が、ラ＝フォージにおかしい(ラフォージ曰く『顔に落書き』)言われてやめた)、未来の世界で老けを表現する為に白髪を作ったりした。先に作られ（物語上）実際に起動された同タイプのアンドロイドとしてローア、映画『ネメシス/S.T.X』に登場したB-4（ジャン＝リュック・ピカードが彼の名前を、発音が似ていることから英単語の"before"（データやローアの“前”に開発されたという意味であろう。B-4は後の二人に比べて信号伝達回路が単純なため、機能が制限されているもよう）と引っ掛けていると言及）が存在する。
『スタートレック』において副長のスポックは地球人とヴァルカン人とのハーフであり、ヴァルカン人としてのアイデンティティを地球人のそれに優先させようと苦悩する姿が人気を得たが、このシリーズにおいては人間により近づきたいと願うデータの姿が視聴者の共感を呼んだ。
データには実際に男性としての機能も装備されており、水の分子構造の変化により一種の躁状態に陥ったエンタープライズ艦内において保安主任のターシャ・ヤー大尉と関係を持ってしまったこともある。彼女の殉職後に見せた悲しげな表情はプログラムされているものかもしれないが、データの心の現われの様に感じられる。
階級は少佐だがピカード艦長（大佐）、ライカー副長（中佐）に次いでU.S.S.エンタープライズDにおいては3番目の指揮権を持つ。過去にクリンゴン帝国内戦が勃発した際、ロミュランからの援助物資の補給を断つためにクリンゴンとロミュランの国境付近で作戦が展開されたが、艦長としてU.S.S.サザーランドを指揮した。その際は艦隊の作戦方針及び上官の命令を無視し独自の判断でロミュラン艦を探知、威嚇射撃を行い、退却させた。指揮権を発動する立場では言葉遣いや口調、態度が変化し、自身の状況判断に全く迷いを見せない様は最もアンドロイド然としていた。ただし、以降の任務では航宙艦の指揮を任せられる機会は訪れていない。
ローアと機能上ほとんど差異は無いが、唯一の違いは感情を持たせるためのチップが存在しないこと。ローアは感情チップの設計に失敗したためか、残忍で邪悪な行動を取るようになったために停止・解体させられた。この反省から、スン博士は感情のないアンドロイドを作ろうと考えてデータを作り出した。この感情チップが存在しないことによるデータの苦悩が物語におけるデータの存在感を濃厚にしている。『新スタートレック』はデータの人間を学ぶ物語であり、データを通して人間性とは何か?を問い掛ける物語であると言っても過言ではないだろう。特に第35話『人間の条件』、第64話『アンドロイドのめざめ』、第85話『ヒューマン・アンドロイド・データ』などはデータが人間性を学んでゆくプロセスを軸にストーリーが展開する。
TVシリーズ中において一度感情チップを得るが、それによる失敗から感情チップを自らはずし封印している。また、感情チップが無いにもかかわらず、自分が製作した娘であるラルに対しての態度などまるで感情を持っているかのような反応を示す場面もしばしば見られる。
『ジェネレーションズ』では敢えて感情チップを装着し（本人にとって）未知である感情を体験しようとしたが、眼前でラ＝フォージが連れ去られるのを恐怖の感情におびえて見過すという代償が伴った。一度はオーバーロードし、神経組織に貼りついてしまったチップだが、後に任意のタイミングで機能をオン／オフできるよう自ら改良を施した。
初登場時にはホロデッキでの自然の風景の中で口笛を練習しており、その後もホロデッキにてシャーロック・ホームズに扮したり、スポットと言う名の猫を飼ったり、その猫に関する自作の詩「フィリス・カダス それがお前の正式な学名 四足歩行の動物 生まれながらに肉食･･･」を朗読してクルーを悩ませるなど、悪意はないのに気が利かない面もある。健康状態を問われると「正常に機能しています」と答える。親友であり、人間の感情の教師役はジョーディ・ラ＝フォージ。人間としての理想的人物はピカードだが、後にスポックに「ピカードは人間にしてはヴァルカン人的だ」と言われる。
映画『ネメシス/S.T.X』にて、U.S.S.エンタープライズEをロミュランの最新鋭艦シミターの攻撃から守るため、致死的な放射線の発生器と共に自爆した。まことに人間的な最後であった。 この後、ピカードやラ＝フォージはB-4をデータの「兄弟」として扱い、人間とのかかわりなどを学ぶように勧めていく。
テレビシリーズの最終話で語られた「可能性の未来」においては退役後にケンブリッジ大学のルーカス教授職の地位を得、伴侶(家政婦？)と思われる女性とたくさんの猫に囲まれた姿で現れていた。
