チョコボ
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チョコボ (Chocobo) はスクウェア・エニックス(旧スクウェア)のファイナルファンタジーシリーズ(以下、FFシリーズ)作品に登場する、架空の大型の鳥。
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[編集] 概要
FFシリーズのマスコットキャラクター。1988年発売の『ファイナルファンタジーII』において初登場した。考案はFFシリーズの開発に携わった石井浩一で、同氏の関わった『聖剣伝説』シリーズにも登場している。
基となったものは、チョコレート菓子であるチョコボール(森永製菓)のCMキャラクター、キョロちゃんである。鳥であることと、「クエッ!」と言う鳴き声が共通しており、かつて森永製菓とのタイアップとして、「チョコボのチョコボール」という商品を発売したことがある。
分かりやすく言えば黄色いダチョウである。
[編集] 特徴
愛らしい姿をしているが、大人数名を背中に乗せることが出来る大きさである。ダチョウのような体型なので通常は空を飛ぶことはできない。ギサールの野菜と呼ばれる野菜が大好物。各作品の世界観においては、主に陸上用移動手段と位置付けられる傾向にあり、ゲームではマップ上を高速移動できる乗り物としての役割を果たす。基本的に乗っている間は倍速で移動でき、戦闘も回避できる。
騎乗時には主に「チョコボのテーマ」やそのアレンジバージョン(作曲は植松伸夫)が流れる。これまでにゲーム中ではサンバ、マンボ、テクノ、ハワイアン、ビッグバンドなど様々な曲調のアレンジが登場しており、それらの多くに『○○○・デ・チョコボ』という曲名がつけられている。
また、作品によってはサブイベントやミニゲーム、召喚獣として登場することもある。多くの場合は最も初歩的な召喚魔法であるが、低確率で攻撃力の高い「デブチョコボ」が発動することもある。
[編集] チョコボの種類
チョコボは主に色によって分類される。
[編集] チョコボ
一般的なチョコボ。その羽毛から、俗に「黄チョコボ」「黄色チョコボ」という。空を飛ぶことは出来ないが、陸上を素早く走ることが出来る。子どものチョコボは「コチョコボ」(子チョコボ)といい、『FFXIII』に登場する。コチョコボは黄色い羽毛を持つ。また、『BC FFVII』では黄色い羽毛を持つ「黄チョコボ」が登場する。
[編集] 黒チョコボ
黒い羽毛を持つチョコボ。空を飛ぶことができ、森林地帯で乗り降りすることが出来る。 『FFV』では最後の生き残りが登場。『FFT』でもチョコボ種としては唯一空を飛べる。また、『FFT』では、「チョコボール」という遠距離攻撃も備えている。
[編集] 白チョコボ
白い羽毛を持つチョコボ。パーティのMPを回復してくれる。初登場は『FFIV』。MPは回復しないが、『FFVII』でも登場した。『FFIX』では黒チョコボと同じ働きをする。
[編集] 赤チョコボ
赤い羽毛を持つチョコボ。『FFT』に登場する。チョコボ種の最上位モンスターであり、「チョコメテオ」という隕石を落す。その凶悪さが有名。
[編集] 茶チョコボ
『XII』に出現するモンスター。
[編集] デブチョコボ
倉庫代わりとして巨大な腹の中にアイテムを預けておくことができる太ったチョコボ。『FFV』では召喚獣「チョコボ」、『FFVII』では召喚獣「チョコボ&モーグリ」を使用した際に稀に登場する。
[編集] チョコボリーダー
『XII』に出現するモンスター。弱点を変化させる能力を持つ。
[編集] トリックスター
『XII』に出現するモブモンスター。透明になったり、「チョコメット」という技を使う。ピンチになると一定時間攻撃無効になる。
[編集] 『FFVII』のチョコボ
『FFVII』では種類分けの名付けが、チョコボの能力による分類になっている。
- 山チョコボ - 山や崖も走行可能な緑のチョコボ。
- 川チョコボ - 川や浅瀬も走行可能な水色のチョコボ。『DC FFVII』でも名前のみ登場した。
- 山川チョコボ - 山チョコボと川チョコボの特性を兼ね備えた黒いチョコボ。
- 海チョコボ - あらゆる地形を走行可能な金色のチョコボ。
[編集] 『FFXI』でのチョコボ
『FFXI』で育成できるチョコボには、黄色の他に黒、青、赤、緑のチョコボが存在する。 他のシリーズとは異なり、色による能力の違いはない。
[編集] チョコボのテーマ
FFシリーズは新作が登場するたびにチョコボが登場し、その都度テーマ曲もアレンジされるため、「チョコボのテーマ」はFFシリーズ中もっとも多くアレンジされている楽曲である。その登場は古く、チョコボが初めて登場する『FFII』から既に登場している。『FFIV』からテーマが設定されたアレンジバージョンが加わり、それ以降さまざまなヴァリエーションが生まれている。『FFIX』では制作がハワイの「ホノルルスタジオ」(現在解散)だったためか、チョコボのテーマもハワイに関する曲になっている。また、チョコボが主役のゲーム(チョコボシリーズ)では1作品ごとに多くのアレンジがなされたため、曲数は急増した。
『FFII』で初登場したときにはAメロのみであったが、『FFIII』ではBメロも加えられた。『FFVII』以降メロディーの改変がBメロを中心にはじめて加えられ、ヴァリエーションの数がさらに上がる。
なお、デブチョコボに関連する曲は「チョコボのテーマ」とは別の曲。一部のチョコボに関連する曲も「チョコボのテーマ」の編曲でないものがある。
[編集] チョコボのテーマの一覧
[編集] チョコボのテーマ
- ファイナルファンタジーII
- チョコボのテーマ:初登場はAメロだけである。
- ファイナルファンタジーIII
- チョコボのテーマ:Bメロが登場する。
- ファイナルファンタジーIV
- ファイナルファンタジーV
- ファイナルファンタジーVI
- ファイナルファンタジーVII
- エレキdeチョコボ:エレキギター調。ザ・ベンチャーズの楽曲のオマージュ。
- ワルツ・デ・チョコボ:ワルツ調。
- シンコ・デ・チョコボ:シンコペーションのリズム。
- フィドル・デ・チョコボ:フィドル調。
- 牧場の少年:カントリーミュージック調。
- 本命穴チョコボ:「チョコボのテーマ」とは全く別の曲。
- ファイナルファンタジーVIII
- ODEKA ke Chocobo:
- Mods de Chocobo(featuring N's Telecaster):1950年代後半から1960年代中頃のモッズスタイルを支持する若者に流行した曲調。「N」は恐らく「伸夫」の頭文字。
- ファイナルファンタジーIX
- ファイナルファンタジーX
- ブラスdeチョコボ:ブラスバンド調。
- ファイナルファンタジーX-2
- チョコボ:おなじみのフレーズが登場するものの全く別の曲。
- ファイナルファンタジーXI
- Dash de Chocobo:
- ファイナルファンタジーXII
- チョコボ ~FF12バージョン~:オーケストラ調。FFシリーズでは初めてAメロにも大規模な改変が加えられている。
- スウィングdeチョコボ:オーケストラコンサートのアンコールで演奏された曲。演奏中に歴代のチョコボの映像が流された。(『FFII』~『FFXI』)
[編集] デブチョコボのテーマ
[編集] 作品ごとの扱い
注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。
- ファイナルファンタジーII (乗り物)
- 特定の森のみに存在しており、捕まえることで乗り回すことが出来る。一度降りると森に帰ってしまう。
- ゲーム中ではヒントなどが登場せず、出現場所も見つけづらい、一種の隠れキャラ的な扱いであった。
- ファイナルファンタジーIII (乗り物・預かり屋・召喚獣)
- IIと同様だが、森は各地に存在する。チョコボを飼う農家など、人との関わりも見られる。
- 召喚魔法としてのチョコボと、預かり屋デブチョコボが初登場。
- 今後の作品にもチョコボ関連アイテムに付随する「ギサール」という名詞は、元はIIIに登場する村の名前である。
- ファイナルファンタジーIV (乗り物・預かり屋・召喚獣)
- 基本的にIIIの設定を引き継ぐが、白チョコボと黒チョコボのバリエーションが登場。特に黒チョコボの存在は「あれば便利」から「無くてはならない」ものへとチョコボの役割を進化させた。
- 預かり屋としてのデブチョコボが登場したのはこれが最後。以降の作品では全アイテムを手元に持てるようになったため。
- ファイナルファンタジーV (乗り物・召喚獣)
- チョコボが主人公のパートナーになり、名前の付いたチョコボの初登場。今までは野生種を一時的に乗り回すだけだった事から考えると注目に値する。つがいになって卵を産むなど、より感情移入できる存在となった。
- 召喚魔法として取り引きされているものの、それ以外のチョコボが非常に珍しい世界である。上記のつがいの他には飼育された黒チョコボが数体と野生の黒チョコボが一体しか確認できない。
- 「雌は人に乗られるのを嫌がる」という設定が存在する。
- ファイナルファンタジーVI (乗り物)
- チョコボ屋が各町に存在し、有料でレンタルできる。IV以前のように乗り捨てである。
- 演出面では、チョコボにキャラクターが乗った状態のグラフィックが初めて表示されるようになった。
- 野生のチョコボが見られない世界であり、乗用の黄色チョコボ以外のバリエーションも存在しない。
- ファイナルファンタジーVII (モンスター・乗り物・召喚獣・ミニゲーム)
- 特定のマテリアを装着すると、バトルの際にランダムでチョコボが登場をする。そのチョコボを捕獲しチョコボ牧場に預け、交配をさせたりをしていく。交配によって特殊なチョコボを誕生させ、後にいけなかった場所へもいけることがある。なお一定の進んだ範囲以降は飛空挺にチョコボを乗せることが可能になる。
- 捕獲したばかりのチョコボは乗り捨て可能だが、牧場に預けたチョコボは乗り捨てではない。
- ファイナルファンタジーVIII (乗り物・召喚獣・ミニゲーム)
- 世界に6箇所あるチョコボの森(場所によって名称が異なる)でのミニゲームをクリアすることで、乗れるようになる(クリアできない場合は有料)。ただし、一度クリアしても再び訪れればまたミニゲームをしなくてはならない。また、各森には親愛の証というものがあり、それを探し出せればミニゲームをしなくても森に入った時点でチョコボが待機していてくれる。また、計6個の親愛の証を入手するとチョコボの聖域と呼ばれる場所にてイベントが起こる。乗り捨て可能。
- また、初めてチョコボに乗れるようになった時にポケットステーション用ゲーム「おでかけチョコボRPG」がダウンロード可能となる。
- ファイナルファンタジーIX (乗り物・ミニゲーム)
- リンドブルムの近くにある森の中でイベントなどを受けた後、チョコボ堀や各所のイベントなどをして育てていく仕組み。最終的にはデブチョコボが登場をする島に到達をすることが目標。
- 乗り捨てではない。
- ファイナルファンタジーX (乗り物・ミニゲーム)
- ミヘン街道の移動などで登場。有料である。最初は乗れないが、チョコボに襲撃をする敵を倒すと乗れるようになる。
- ファイナルファンタジーXI (乗り物・ミニゲーム)
- チョコボの有料レンタルサービスを行うチョコボ厩舎がヴァナディールの中の国三国(南サンドリア・バストゥーク鉱山区・ウィンダス森の区)、ジュノ(上層・下層・港)、カザム、ノーグ、ラバオとアルザビ人民街区に置かれている他、テレポストーン(ホラ・デム・メア)のある岩に出張所として「チョコガール」が派遣されている。乗鳥料金は乗鳥時のプレイヤーレベルとそのエリアのその時間におけるチョコボ利用率に応じて価格が変わる仕組みになっている。
- 最初は乗れないが特別なチョコボ初心者券を各地で渡すと乗れる(制限条件付)。レベル20になった上でジュノ上層のチョコボ屋でイベントやクエスト(傷ついたチョコボを癒していく。所要時間はヴァナ・ディール時間で6日 (現実世界の6時間弱) 以上)をこなすと「チョコボ乗り免許証」を取得でき、チョコボのレンタルを利用できるようになる。
- 野生のチョコボは現存していないが、適応環境、体の大きさにより区別される様々な種が存在している。
- 乗っている時にギサールの野菜を消費することにより、チョコボに地面を掘らせてアイテムを得ることができる。
- 乗鳥制限時間は30分くらいであるが、特殊な装備品を装着することで制限時間が延長される。
- 乗り捨てであり、乗鳥制限時間を過ぎるか、降りるとチョコボは帰ってしまう。
- なお黒魔法デジョンの様に三国のチョコボ厩舎の前に移動するエンチャント効果のある装備があり、イベントの景品として配布された。
- また、2006年8月22日に行われたバージョンアップでチョコボ育成が導入された。
- ゲーム内で入手したチョコボの卵を三国のチョコボ調教師に預けることでチョコボを育てられるようになる。
- 育成は現実世界の1日単位で進行し、卵は預けてから4日目で孵化しヒナとなり、餌をあげたり、プレイヤーがチョコボに名前をつけることができるようになる。
- 19日目でコチョコボとなり、チョコボの色がわかるようになる。
- 29日目で成鳥となり、チョコボに騎乗できるエリアでチョコボホイッスルを使用することで、育てたチョコボを呼び出して乗ることや、
- プレイヤーが育てたチョコボ同士でお見合いなどをして掛け合わせていくことができるようになる。
- チョコボの能力はあげた餌や育成計画やお世話で変化するが、成長するにしたがってプレイヤーが選択できるお世話や育成計画が多くなっていく。
- 今後、チョコボサーキットが解放されてプレイヤーが育てたチョコボ同士でのレースが始まる予定である。
- ファイナルファンタジーXII
- 有料であり、各町の中にチョコボ屋が設置をされている。野良で逸れたチョコボにギザールの野菜を渡すとタダで乗れる。
- チョコボしかいけない道などがありそこへ行かなければ物語は進まないということがある。
- なお制限時間があり約3分ほどしか乗れない代わりにスピードをアップさせることが可能。スピードアップ時は目が光って恐い。
- ファイナルファンタジータクティクス(モンスター)
- モンスターとして登場。「チョコボ」「黒チョコボ」「赤チョコボ」の三種が登場。アビリティが優秀なモンスターで、序盤はチョコボすら強敵である。特に赤チョコボは「チョコメテオ」というアビリティが強力であり、さらに出てくる時は複数で登場することが多いのでプレイヤーからはラスボス以上に恐れられている存在である。
- なお、仲間にチョコボがいる状態で人間ユニットと共に出撃させると、チョコボに乗る事が出来る(moveなどの修正を受けるが、騎乗しているチョコボのアビリティは使用出来なくなる)。
[編集] チョコボが主体のゲーム
総称してチョコボシリーズという。
- チョコボの不思議なダンジョン
- チョコボの不思議なダンジョン2
- チョコボコレクション(チョコボスタリオン、チョコボレーシング、ダイスDEチョコボの3本セット)
- チョコボスタリオン
- チョコボレーシング ~幻界へのロード~
- はたらくチョコボ
- チョコボランド(ダイスDEチョコボのリメイク)
- どこでもチョコボ
- チョコボと魔法の絵本
- チョコボdeモバイル(au・EZアプリ(BREW)向けのミニゲーム集アプリ)