ダイコクコガネ
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ダイコクコガネ | ||||||||||||||||||||||
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分類 | ||||||||||||||||||||||
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学名 | ||||||||||||||||||||||
Copris ochus Motschulsky, 1860 | ||||||||||||||||||||||
英名 | ||||||||||||||||||||||
Horned dung beetle |
ダイコクコガネ(大黒黄金)Copris ochus は、コウチュウ目(鞘翅目)・コガネムシ科に分類される甲虫の一種。大型の糞虫で、オスの頭部に角がある。
[編集] 特徴
成虫の体長は20mm-28mmで、糞虫では日本最大の種類である。成虫の体は丸っこく、背中側は鈍い光沢のある黒色で、前翅にはすじ模様が数本走る。腹面には茶色の短い毛がある。頭部は半円形でシャベルのような形をしている。脚もがっしりしていて脛節に多くの棘があり、特に前脚の脛節は平たく発達している。この頭と脚の形状は地中や糞に潜りこむのに適応した構造といえる。
オス成虫の頭部には上向きに1本の角が生え、さらに前胸にも前向きの低い角が4つ並んでいる。このため大きさが判らないオスの写真や図はカブトムシ類にも見える。メスには角がなく、前胸の4本角も小さな「いぼ状突起」という程度である。
日本では北海道から口永良部島まで、日本以外では朝鮮半島と中国にも分布する。
ウシやウマの糞を餌としていて、それらの動物がいる牧場に多く生息する。ただし平野部の牧場には少なく、丘陵地や山地の牧場によく生息する。成虫は夏に発生し、糞に集まって深い竪穴を掘る他、夜には灯火に飛来する。
成虫はつがいで竪穴の中に糞の塊を運びこんでひとかたまりにしてしばらく寝かして発酵させた後、複数の育児球に加工してその先端部内に産卵し、その後もそばに留まって育児球を管理する。卵から孵化した幼虫は育児球の内部を食べて成長する。
日本ではウシやウマを一年中放牧している牧場が少なくなり、糞が安定供給されなくなったため、全国的に数を減らしている。都市化が進んでほとんど見られなくなった地方もあり、準絶滅危惧(環境省レッドリスト)に指定されている。
[編集] 近縁種
ダイコクコガネ属(Copris 属)はダイコクコガネの他にも多くの種類がある。日本にはダイコクコガネ以外に4種類が分布する。
- ミヤマダイコクコガネ C. pecuarius Lewis, 1884
- ダイコクコガネに似るが、体長は17mm-24mmで、ダイコクコガネよりは小さい。また、和名通りダイコクコガネよりも標高の高い山地に生息する。
- ゴホンダイコクコガネ C. acutidens Motschulsky, 1860
- 体長は10mm-16mm。ダイコクコガネよりだいぶ小さいが、和名通りオス成虫の前胸にある4本の角はダイコクコガネよりもくっきりと尖る。
- ヒメダイコクコガネ C. tripartitus Waterhouse, 1875
- 中国、朝鮮半島に分布するが、日本では対馬だけに分布する。環境省レッドリストで情報不足(DD)、長崎県レッドデータブックで絶滅危惧II類(VU)に指定されている。
- マルダイコクコガネ C. brachypterus, Nomura, 1964
- 奄美大島だけに分布する。環境省レッドリスト、鹿児島県レッドデータブックとも絶滅危惧II類(VU)に指定している。
ヨーロッパ産のスペインダイコクコガネ C. hispanus (Linnaeus, 1764) はスカラベと共にファーブルの「昆虫記」に登場する。