ゾフィー・フォン・ブラバント
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ゾフィー・フォン・ブラバント（Sofie von Brabant、1224年3月30日 クロイツブルク - 1275年5月29日）は、テューリンゲン方伯ルートヴィヒ4世の娘でブラバント公ハインリヒ2世の妻。叔父ハインリヒ・ラスペの死後、テューリンゲンの統治権を巡ってマイセン辺境伯でテューリンゲン方伯を兼ねたハインリヒ貴顕伯と争った。
ゾフィーは1224年3月30日にルートヴィヒ4世と聖女エリーザベト（エルジェーベト）との間の2番目の子供としてクロイツブルクで誕生した。ゾフィーの父が1227年に十字軍の途上で亡くなった後は、その弟のハインリヒ・ラスペ（ハインリヒ・ラスペ4世ともいう）の後見と支配を受けた。相続権を持ったゾフィーの兄ヘルマンは当時わずか5歳であった。ハインリヒ・ラスペは、彼らの母親のエリザベートをルードヴィンク家のテューリンゲン方伯の宮廷から追い出した。ゾフィーとその妹と母親はマールブルクへ行き、母親はその地で1231年に亡くなった。
ゾフィーはブラバント公ハインリヒ2世と結婚した。彼らの結婚からは、後のヘッセン方伯ハインリヒ1世ととエリザベートが生まれた。兄のヘルマンは1241年に19歳で亡くなり、以後は1247年までハインリヒ・ラスペがテューリンゲン方伯を務めた。
1243年にゾフィーの従兄弟でヴェッティン家のハインリヒ貴顕伯は皇帝フリードリヒ2世から、ルードヴィンク家のハインリヒ・ラスペが子供を遺さずに亡くなった場合のテューリンゲン方伯位についての確約を取り付けた。1247年にその事態は訪れた。ゾフィーは息子ハインリヒのために叔父のヘッセンとテューリンゲンの遺産を相続する権利を訴えた。
1248年にゾフィーの夫、ブラバント公ハインリヒが亡くなった。ゾフィーは1248年4月23日にドイツ騎士団が防御を固めるマールブルクに拠点を構え、彼ら全員のルードヴィンク家への忠誠を確認した。こうしてゾフィーはテューリンゲンおよびヘッセンの女領主として、ドイツ騎士団の支援で安全を確保した。彼女はこれにより、1244年に生まれた息子のハインリヒが、後にヘッセン方伯領となる、ルードヴィンク家のヘッセンの所領へ移行する基礎を固めたのであった。
1249年7月1日に、反乱を起こしたテューリンゲンの伯爵たち、ケーフェルンブルク伯、シュヴァルツブルク伯、バイヒリンゲン伯、ホンシュタイン伯、オーラミュンデ伯、シュトルベルク伯は、新しいテューリンゲン方伯ハインリヒ貴顕伯に服することとなった。これによりゾフィーは従兄弟のハインリヒと一時的に和解し、1250年3月2日に協定（「アイゼナハ方針」）を交わした。これは、ヴァルトブルクとヘッセンを統治する彼女の息子ハインリヒを貴顕伯が10年間後見管理するというものであった。
娘のエリザベートとアルブレヒト・フォン・ブラウンシュヴァイクとの結婚で、ゾフィーは1254年に新たな協力者を得た。アルブレヒトの父は、ハインリヒ・ラスペの死後テューリンゲン方伯領の北部の一角を保持していた。一方、1254年5月にマインツ大司教ゲルハルト1世と交わしたウーデシュタット協定でハインリヒ貴顕伯は、マインツ大司教区のテューリンゲン内の所領について行政権を委譲されていた。ゾフィー・フォン・ブラバントは、これが1250年の協定内容に違反していると申し立て、娘婿アルブレヒトの支援を得、新たな敵対行動でテューリンゲン継承戦争を続けた。
ゾフィーとその支持者は、1259年の春にテューリンゲンのヴェッティン家に対し新たな軍事行動を起こして攻撃を行った。1260年には、アイゼナハの市城やフラウエンブルク、メチルシュタインなどヴァルトブルク周辺の多くの城が破壊された。クロイツブルクとアイゼナハもゾフィーの拠点となった。しかし彼女はヴァルトブルクを攻略することはできなかった。ハインリヒ貴顕伯は、翌1261年にはアイゼナハを夜間の奇襲攻撃により奪還した。
1263年10月27日、従兄弟のハインリヒ貴顕伯の息子たちアルブレヒトとディートリヒは、9時間に及ぶベーゼンシュテットの戦い（ヴェッティン家の本拠地の近く）でアルブレヒト・フォン・ブラウンシュヴァイクに勝利し、彼を捕虜にした。ゾフィー・フォン・ブラバントはこのヴェッティン家同盟軍に対する敗北を承けてテューリンゲンに対する主張を1264年に断念した。ヘッセンに関する主張は認められ、息子のハインリヒは1292年にヘッセン方伯に就任した。
聖エリザベートの娘でテューリンゲン方伯ヘルマン1世の孫娘ゾフィーは、1275年5月29日に亡くなり、かつてのブラバントに位置するVillers-la-Ville（現在はベルギー領）のシトー派修道院の修道院教会に葬られた。
