セミヨン・ビシュコフ
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セミヨン・ビシュコフ（Semyon Bychkov, 1952年 11月30日 レニングラード - ）はロシア出身の指揮者。グリンカ児童合唱教室に10年にわたって在籍したのち、レニングラード音楽院においてイリヤ・ムーシンに師事。1973年にラフマニノフ指揮者コンクールの覇者となり、レニングラード・フィルハーモニー管弦楽団の指揮を打診されるが、政治信条を理由に公演が流される。1980年から1984年までグランド・レイピッズ交響楽団（ミシガン州）を監督するため渡米するが、1983年に米国市民権を取得たように、実質上の政治亡命であった。1989年から1998年までパリ管弦楽団の音楽監督に就任し、その後ケルンに移り、ハンス・フォンクの後任としてケルン放送交響楽団の指揮者に就任した。ピアニストのマリエル・ラベックと結婚している。
ビシュコフはロシア人ではあるが、ヘルベルト・フォン・カラヤンに心酔し、その音楽美学を引き継いだため、お家芸というべきロシア音楽だけでなく、ドイツ音楽やフランス近代音楽のいずれも得意としている。磨かれた美しい音色の飽くなき探究と、均衡のとれた構成力は、明らかにカラヤンの演奏様式に触発されている。その一方で、作品に対する情熱的な取り組みや、実演における激しい燃焼力において、カラヤンよりもむしろシャルル・ミュンシュらの系譜につながる「爆演系」指揮者のひとりに数えられもする。
代表的な音源に、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団との共演によるショスタコーヴィチの《交響曲 第5番》や、パリ管弦楽団との共演によるラフマニノフの《交響曲 第2番》がある。
