セブン=フォートレス
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
セブン=フォートレス(Seven=Fortress)は日本製のファンタジーTRPG。また、そのシリーズ。作者は菊池たけし。初版はホビージャパンから発売され、改良版である「セブン=フォートレス Advanced」以降、基本ルールブックはアスキーないしエンターブレイン、サプリメントはゲーム・フィールドから発売。また、リプレイは現在富士見ドラゴンブックとファミ通文庫にまたがって刊行されている。きくたけワールドを構成する要素の1つ。
目次 |
[編集] 概要
7人の守護者が見守るファンタジー世界「ラース=フェリア」が舞台。基本部分として、判定は2D6による上方無限ロールであり、ヒーローポイントである「プラーナ」システムを持つ。作品が進むにつれ、世界の時間も流れ、細部ルールやコンセプトが変更されているが、根幹部分は同じである。そのため、「前作であったシステムを持ち込む」事も不可能ではない。
また、とにかくキャラクターに「足がくさい」「寝起きは凶暴になる」「破壊的音痴」「目から誘惑光線」「耳から赤外線」などのおかしな特徴がつく事で有名。
[編集] セブン=フォートレスRPG
「無印」と呼称される。ボックスタイプで発売された、最初期の作品。パワーゲームを楽しむ作品であったが、後にバランス調整版が「セブン=フォートレス クラシック」というタイトルで、ソフトカバーとなってゲーム・フィールドから発売された。どちらも現在は絶版。
特徴は、「熱い事をやる」ための「バーニングシステム」と、剣技・闘気法や魔法、マジックアイテムなど数々の「データ自作ルール」。前者はポイントを消費する事で燃える行動(味方のピンチに駆けつける、死からの復活等)を取る事ができる。
[編集] セブン=フォートレス Advanced
「アドヴァンスド」と呼称される。前作と比べるとデータ的な部分が増えており、シビアな作品となっている。「砦(フォートレス)」が中心の作品となっており、ダンジョンアタックによる「プレイヤーとゲームマスターのガチンコバトル」が売り文句。
特徴は、「ダンジョン作成ルール」と「トラップ自作ルール」。前作であった「バーニングシステム」と「データ自作ルール」は失われているが、手元にルールがあれば運用は可能である。
[編集] セブン=フォートレス EX
「EX」と呼称される。「アドヴァンスド」のソースブックという位置付けで、この辺りから「世界の危機」がテーマとなり始める。アドヴァンスドの拡張ルール。
特徴は、「EXパラメータ」と「シナリオランク」と「マジックアイテムチャート」。「EXパラメータ」は、物語の進行や世界の危機度に応じて、各キャラクターの特徴が段階的に強化されるというもの。また、「シナリオランク」は、その冒険で起きる事柄が、どれだけ世界の危機を引き起こすか、を示すもの。「個人の危機」から「世界の終焉」まで、上下差が激しい。
[編集] セブン=フォートレス V3
「V3」「ぶいすりゃぁ」と呼称される。「異世界から侵略」がテーマであり、作者の他作品の世界とのリンクがより前面に押し出される(リンク自体は当初から示唆されていた)。
今までの作品の集大成とも言え、より簡単になった「ダンジョン作成ルール」とキャラクター作成時の「メイン/サブクラス制の導入」、F.E.A.R.お得意の「シーン制の導入」が特徴。
[編集] セブン=フォートレス パワード
「パワード」と呼称される。「V3」のアタッチメントブックという位置付けで、この作品を用いる事で「異世界出身のキャラクター」が作成できるようになった。
特徴は、アドヴァンスド時代を髣髴とさせる「ダンジョン作成ルール」の復活。
[編集] セブン=フォートレス エンジェルプリンセス
「AP」と呼称される。「V3」のアタッチメントブックという位置付けで、異世界である「エル=ネイシア」「エルフレア」の世界観や追加データが記載されている。
[編集] テストプレイ
セブン=フォートレスは、「テストプレイの風景をリプレイに」というスタンスを取っていた時代があった。故に、作中に登場するアイテムや魔法にはテストプレイ中に作成された物が数多く存在する。例えば、属性の1つである〈空〉に多い強力な攻撃魔法、生体防具「カニアーマー」とその必殺技「蟹光線(イブセマスジー)」の存在、これは最初期のテストプレイにて発生したものであった。
また、リプレイは数回に分けて収録され、その間にはインターバルがあったため、「読者からデータを募集し、ゲーム中に手紙を読み上げてデータを使用」といったパフォーマンスも行っていた。
[編集] きくたけワールド
セブン=フォートレスの作者であるきくたけこと菊池たけしは他にも多くのTRPGやコンピュータゲーム、雑誌企画などの制作を行ってきた。これらの作品の内でいくつかは舞台となる世界が同じ宇宙内の平行世界として存在し、関連を持っている。これらの平行世界は「第×世界」と番号で呼ばれる。
- 第一世界「ラース=フェリア」:セブン=フォートレス
- 第三世界「エル=ネイシア」:超★女王様伝説
- 第五世界「エルフレア」:エイスエンジェル
- 第八世界「ファー・ジ・アース」:ナイトウィザード
以上が作者により公式に認められている平行世界であるが、ファンの間ではこれ以外にも以下の世界が平行世界ではないかと言われている。
- 「ラスティアーン」:菊池たけしが商業誌で最初に発表したオリジナルワールド。1980年代のタクティクス誌で簡単な概要だけ紹介されたが、それ以後は何の展開もされていない。第七世界ではないかと言われる。
- 「ア・ゼルス」:菊池たけしがシナリオ原案を担当したプレイステーション用ソフト『真・魔装機神 PANZER WARFARE』の舞台。第四世界ではないかと言われる。
[編集] 関連書籍
[編集] 基本ルールブック
- セブン=フォートレスRPG
- セブン=フォートレス Advanced
- セブン=フォートレス クラシック
- セブン=フォートレス V3
[編集] サプリメント
- セブン=フォートレス EX
- セブン=フォートレス パワード
- セブン=フォートレス エンジェルプリンセス
[編集] リプレイ
- アルセイルの氷砦(無印)
- フォーチューンの海砦(無印)
- リーンの闇砦(無印&Advanced)
- フォーラの森砦(Advanced&EX)
- フレイスの炎砦(Advanced&ナイトウィザード&V3)
- 黒き星の皇子(V3&ナイトウィザード)
- ラ・アルメイアの幻砦(V3&AP)
- 注)括弧の中は、使用されたルールを表す。