スタームルガーMkI

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スタームルガーMkI(Sturm Ruger MkI)は、1950年アメリカスターム・ルガー(Sturm Ruger)社が競技用として開発した自動拳銃である。

.22LR弾という小口径弾を使用するが、通常の自動拳銃がスライドと一体化したボルトを動かすのに比べて自動小銃のようにボルトのみを動かす作動機構を持っている。これは競技用拳銃として動作する部品を減らすことで銃の跳ね上がりを抑え命中精度を上げるためである。.22LR弾はリムファイアと呼ばれる薬莢の底面どこを撃っても撃発するタイプの弾なのでファイアリングピンも板状の打ち出し部品を使い大幅なコストダウンを実現している。本銃の低価格は消費者にも受け入れられ、以前はコルト・ウッズマンが占めていた市販競技用銃のシェアをたちまち奪い尽くし一躍スターム・ルガー社を発展させたと言われる。

スタームルガー社の製品らしく安価でありながら命中精度が高いため、ターゲットモデルやハンターモデルなどのバリエーションがあり、銃身長にも4インチから10インチまでのバリエーションがある。またサイレンサーを装着して用や特殊部隊用の暗殺用拳銃としても使用される。

現在はMkIに改良を加えたMkIIMkIIIが存在する。冷戦中期から末期に、CIAはエージェントに消音機装着型のmkⅡをよく支給していた。消音機を使えば、22LR弾程度なら音を見事に消すことができ、暗殺任務にふさわしいからだ。


ルガーの外観、動作機構は日本の南部式軍用拳銃と酷似しているが、実際社長で設計者のビル・ルガーはベビー・ナンブが好きでそれをベースにしたことを認める親日家だ。ただし、南部式拳銃がルガーP08系のストライカー撃発方式を取っているのに対して、スターム・ルガーは内蔵ハンマー方式である。

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