スキュラ

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スキュラ（Scylla、Skylla、ギリシャ語 Σκύλλα）は『オデュッセイア』に登場する怪物。上半身は美しい女性で、下半身は6つの犬の頭と12本の足を持つ奇怪な姿をしているという。

もともとは美しいニンフだったスキュラは、ある日海の神の一人であるグラウコス(Glaucus)に熱烈に求愛されるが、グラウコスの異形の姿を見て逃げ出してしまう。しかし諦めきれないグラウコスは魔術と薬学に深い知識を持つ女神キルケに、スキュラとの恋が成就するにはどうすればよいのか相談した。ところがキルケ自身がグラウコスを気に入ってしまい、スキュラよりも自分を選ぶように勧めたがグラウコスは聞き入れなかった。それならば、とキルケは恋敵であるスキュラに呪いをかけることにした。得意の魔術と薬学の知識で毒薬を作り、これを海水浴していたスキュラの側に流した。腰まで水につかっていたスキュラは、この毒薬の影響で上半身は美しいニンフの姿のまま、下半身は6つの犬の頭と12本の足を持つ怪物に変わってしまった。スキュラは自分の変わり果てた姿に嘆き悲しみ、いつしか気性も激しいものに変貌してしまい、猛獣の頭を伸ばしては近くを通りかかる船に襲い掛かり、乗組員を6人ずつ食い殺す怪物になってしまったという。

[編集] フィクションのスキュラ

車田正美の漫画『聖闘士星矢・海皇ポセイドン編』では、スキュラの下半身は鷲、狼、蜂、蛇、蝙蝠、熊の6匹からなるとされている。
バンダイ発売の携帯液晶ゲーム「ヨウカイザー（世界編）」には、スキュラがモデルのモンスター「キュラッキュ」が登場する。「美女の腹部にたくさんの子犬が付いている」といった元ネタを踏まえたデザインとなっている。
テーブルトークRPG「ソード・ワールドRPG」のモンスターとして登場するスキュラは、下半身のデザインが6つの蛇の頭と12本の蛸の足になっている。