シュプール (列車)

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シュプール信越ヘッドマーク

シュプールとは、東日本旅客鉄道・東海旅客鉄道・西日本旅客鉄道でそれぞれ運行されていた臨時急行列車。

[編集] 沿革

旧国鉄が1986年に冬のスキー客輸送のため、北海道と四国を除く全国の主要都市から各地のスキー場への運行を開始した。当時の列車名称は「シュプール○○（○○には目的スキー場の地域名）」であった。

格安で大都市圏とスキー場とを直結するスキーバスに対抗すべく、特急車両を使用し，渋滞知らずをセールスポイントに大々的なPRを行い、列車種別は「急行」扱いながら運賃込みの格安パック料金を設定、目的地からゲレンデまでは「シュプールバス」が接続する、等それまでの国鉄では考えられない画期的な試みとしてとりあえずは成功を収めた。

しかし、各「シュプール号」ともダイヤが過密な路線における設定であり、更に新宿駅等主要駅で相互の列車間が乗り換えできる様発着時間をそろえる，といったサービスを図った結果、ダイヤ設定に無理が生じる事となった。このため、時刻表上では一見東京・大阪等の近辺主要駅とスキー場最寄駅と直結、となってはいても，実際は復路の列車を中心に定期特急等の待避や長時間の運転停車、更には低速運転を行う列車がほとんどで、「安いが遅い」イメージが口コミ等で徐々に浸透し、利用を敬遠する層を生む結果も招く事となった。（例えば上り「シュプール白馬2号」は定期特急の待避が4回もあり「あずさ」と比較すると白馬駅～新宿駅間で3時間近くも余計にかかっていた）。

更に、東北・上越新幹線の東京延長や長野新幹線開業等の影響で、日帰りスキーが人気を呼ぶ様になると、JR各社（特に東日本旅客鉄道）は（日帰りに限らず）徐々に新幹線によるスキー客輸送強化に傾倒する事となり、やがて新幹線利用者用のスキー割引きっぷも多種発売される様になると、呼応する形で「シュプール号」の運転本数自体も削減の一途をたどるようになった。

2001年度に東日本旅客鉄道が「シュプール○○」をスポーツ用品販売のアルペンとタイアップし列車名称を「アルペン○○」と変更、運行そのものも同年度を持って打ち切った。また、東海旅客鉄道も「シュプール○○」の設定を辞めたことにより、その後は西日本旅客鉄道だけが「シュプール○○」を運行していた。

しかし、2002年度には目的地を黒姫駅に絞り地域名が付かない「シュプール号」として最大2.5往復(往路3本,復路2本)運行するのみとなり、2003年度は最大2往復へ縮小、2004年度には毎日運転が廃止され大阪～黒姫間1往復と大阪発黒姫行1本の運転に縮小、さらに2005年度は大阪～黒姫間1往復のみとなった。そして、2006年度から廃止された。