シチョウ
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- 囲碁の手筋のひとつで、アタリの連続で石を取ることを言う。
- 上項の意味の中でも特に頻出する縦横縦横に追う形のものを指す場合には、石が取れなかったとしても、アタリの連続であればシチョウと呼ばれる。（後述）
シチョウ（四丁・征とも書く）は、囲碁におけるもっとも基本的な技術の一つであり、 ちょっとした見落としで非常に大きな被害を被るため、「シチョウ知らずに碁を打つな」という格言もある。
[編集] 概要
左図 中図 右図 ┼┼┼┼┼┼ ┼┼┼六┼┼ ┼┼┼●┼┼ ┼┼┼┼┼┼ ┼┼二５┼┼ ┼┼●○┼┼ ┼●┼┼┼┼ ┼●１３四┼ ┼●○○●┼ ┼●○●┼┼ ┼●○●┼┼ ┼●○●┼┼ ┼┼●┼┼┼ ┼┼●┼┼┼ ┼┼●┼┼┼ ┼┼┼┼┼┼ ┼┼┼┼┼┼ ┼┼┼┼┼┼ ※中図の数字は、算用数字１、３…が白番の手、漢数字二、四、…が黒番の手とする。
左端の図において白番であるとする。この状態から白石が逃げようとした場合、中図のように打たないと取られてしまう。中図の六までの手順を実際に取ると右図のような石の形になる。黒番が手を抜いて打つのを途中でやめれば白石は逃げることができるし、白番が手を抜けば白石はその時点で取られてしまう。
白番は手を抜かなくてもこれを繰り返すと、最終的には碁盤の端にぶつかり白石は取られてしまうので、この例の白石のように縦横に逃げ続ける形をシチョウという。
さらにシチョウを続けて繰り返して下の図のようになったとする。
┼┼┼┼●┼ ┼┼Ａ●○○ ┼┼●○○● ┼●○○●Ｂ ┼●○●┼┼ ┼●○●┼┼ ┼┼●┼┼┼ ┼┼┼┼┼┼
もし、何らかの理由で黒が手を抜かなければならなくなった場合、この図のＡやＢの所に白石を置かれると両アタリになり、白石が死なないどころか、黒石を取られた上に白の強い壁ができてしまうのでシチョウが発生した場合は、追いかける方も一手でも手抜きをすれば、大きな被害を被る事があるのでなかなか手を抜けない。
[編集] シチョウアタリ
┼┼┼┼┼┼┼┼ ┼┼┼┼┼┼Ａ┼ ┼┼┼┼●┼┼┼ ┼┼┼●○○┼┼ ┼┼●○○●┼┼ ┼●○○●┼┼┼ ┼●○●┼┼┼┼ ┼●○●┼┼┼┼ ┼┼●┼┼┼┼┼ ┼┼┼┼┼┼┼┼
上の図のように白の逃げる先のＡのような場所に石がある場合、これをシチョウアタリという。
┼┼┼┼┼┼┼┼ ┼┼┼┼┼●Ａ┼ ┼┼┼┼●○○┼ ┼┼┼●○○●┼ ┼┼●○○●┼┼ ┼●○○●┼┼┼ ┼●○●┼┼┼┼ ┼●○●┼┼┼┼ ┼┼●┼┼┼┼┼ ┼┼┼┼┼┼┼┼
- もし、Ａが黒石であれば、次の一手で白石は全て取られてしまう。
- もし、Ａが白石であれば、白は逃げ切ることができた事になり、黒番は先程説明した両アタリになる断点ばかりが残り厳しくなる。
従って、追われる側も追う側もシチョウアタリを見落とすとかなり不利になるのでシチョウになりそうになった場合は、シチョウアタリがどうなっているのか？をしっかり見極める必要がある。シチョウアタリのようにシチョウを邪魔する石が無く、碁盤の端に追いつめられるだけなら追われる方の負けである。
[編集] 珍瓏
珍瓏（ちんろう）とは、指定された局面からシチョウの手筋を用いて指定された石を取る詰碁の問題である。「シチョウで追う」事以外に作成における制約がないため、初形や最終図で文字や形を描いた作品も発表されている。
棋士の中山典之六段が多くの問題を発表しており、特に最終形がハートの形になる問題がよく知られている。
