サワガニ
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| 分類 | ||||||||||||||||||
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| 学名 | ||||||||||||||||||
| Geothelphusa dehaani |
サワガニ（沢蟹・学名Geothelphusa dehaani）は、エビ目・カニ下目・サワガニ科に分類されるカニ。一生を淡水域で過ごす純淡水性のカニである。
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[編集] 生態
甲幅2-3cm、脚を含めた幅は5-7cmほどで、甲が黒褐色・脚が朱色のものが普通だが、青みががったもの、紫がかったものなども見られ、よく見られる体色は地域によってちがう。甲羅には毛や突起などはなく、滑らかである。オスは右の鋏脚が左よりも大きくなるが、左のほうが大きい個体もいる。
日本の固有種で、青森県から屋久島までの分布とされていたが、近年北海道にも少数ながら分布していることがわかった。
清らかな渓流・小川に生息するので、水質階級I（きれいな水）の指標生物ともなっている。夜行性で、日中は石の下などにひそみ、夜になると動きだすが、雨の日などは川から離れて出歩くことも多く、川近くの森林や路上を歩いていることもある。また、冬は川の近くの岩陰などで冬眠する。
食性は雑食性で、藻類や水生昆虫など、いろいろなものを食べる。敵はヒキガエル、アカショウビン、カワセミ、イノシシ、イタチなどである。
同じく川に生息するモクズガニやアカテガニなどは幼生を海に放さないと成長できないが、サワガニは幼生期を卵の中で過ごすため、一生を通じて淡水域を離れることはない。
春から初夏にかけて交尾を行ったあと、メスは直径2mmほどの卵を数十個産卵するが、これは他のカニに比べると非常に大粒で、一度の産卵数が少ない。メスは卵を腹脚に抱えて保護し、幼生は卵の中で変態して小さなカニの姿で誕生する。稚ガニになってもしばらくは母ガニの腹部で保護されて過ごす。寿命は数年-10年ほどとみられる。
純淡水性で雑食性なので、低水温ときれいな水質を保っておければ比較的容易に飼育できる。
[編集] 食材
特に美味ではないが、丸ごと唐揚げや佃煮にしたものは和食の皿の彩りや、酒の肴などに用いられる。そのため養殖もされており、食料品店などでもしばしば目にすることができる。
ただし、肺気腫や気胸を引き起こす肺臓ジストマの一種・ウェステルマン肺吸虫 Paragonimus westermaniの中間宿主なので、食べる際にはよく火を通さなければならない。
[編集] 別名
タンガネ（長崎県）、イデンコガニ（徳島県貞光町、「いでんこ」とは排水溝のこと）など
[編集] 近縁種
トカラ列島以南の南西諸島にはサワガニは分布しないが、他のサワガニ科のカニが分布する。ただしどの種類も分布が局地的で、絶滅が危惧されている。
ミカゲサワガニ Geothelphusa exigua
- 大隅半島の固有種。
ヤクシマサワガニ Geothelphusa marmorata
サカモトサワガニ Geothelphusa sakamotoana
アラモトサワガニ Geothelphusa aramotoi
- 甲幅3cmほど。甲羅がザラザラしており、歩脚にも毛がある。沖縄本島の固有種。
ヒメユリサワガニ Geothelphusa tenuimana
- 甲幅4cmほど。サカモトサワガニよりもさらに歩脚が細長い。また、他のサワガニ類に比べて乾燥したところを好む。沖縄本島の固有種。
タイワンサワガニ Geothelphusa candidiensis
