ゲオルギオス・パパドプロス

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ゲオルギオス・パパドプロス、イェオルヨス・パパドプロス（ギリシャ語 Γεώργιος Παπαδόπουλος, 1919年 5月5日 - 1999年 6月27日）はギリシャの軍人、政治家。1967年4月21日のクーデターを率い、1974年まで続いた軍事政権の指導者であった。

[編集] 前半生

パパドプロスはペロポネソス半島アカイアで生まれた。父は教師を務め、二人の兄弟がいた。中等教育を受けた後ギリシャ陸軍士官学校に入学し1940年に卒業した。

士官学校の1940年卒業生はすぐさま戦闘を経験することになった。ムッソリーニ率いるイタリアが要求していたギリシャ領内におけるイタリア軍の自由通行権を1940年10月28日イオアニス・メタクサス首相が拒否し、イタリア軍はアルバニアからギリシャ内に侵攻を開始した。パパドプロスは砲兵部隊の少尉として戦闘に参加した。ドイツ軍が1941年4月6日に参戦すると情勢はたちどころに悪化し、4月27日にはアテネがドイツ軍により占領された。クレタ島での戦闘にもドイツ軍が勝利すると、ギリシャはドイツ、イタリア、ブルガリアの共同占領下に入った。枢軸国の占領に反発して、ギリシャ共産党(KKE)に指導されるギリシャ人民解放軍(ELAS)を中心としたレジスタンス運動が直ちに始まった。反共主義であったパパドプロスはELASに参加せず、パトラの傀儡政権の事務所で働き始めた。

パトラ食料配給事務所はナチス占領下の村々における徴税の責任を負っていると同時に反共主義者で構成された、反ELAS部隊を率いていた。パパドプロスはこの部隊でELASとの戦闘に従事していた。

1944年の始めにパパドプロスはイギリス軍の助けでギリシャを離れ中東に赴き中尉に昇進した。1944年には他の右派将校と共に右翼準軍事組織IDEAの設立に関与している。

パパドプロスは1941年に１人目の妻と結婚した。この結婚はうまく行かず、離婚を考えるようになったが、ギリシャでは離婚に夫婦両者の同意が必要であった。1970年に首相であった彼は特別法を成立させ、妻と離婚した。その後この法律は直に廃止された。

1946年に大尉に昇進し、ギリシャ内戦の最中1949年には少佐となった。1959年から1964年までは軍の情報機関に勤務した。

[編集] 1967年のクーデター

1967年、国王コンスタンティノス2世とゲオルキオス・パパンドレウとの対立によってギリシャの国内は混乱していた。4月21日大佐となっていたパパドプロスは同僚とともにクーデターを決行した。政権を奪取すると彼は戒厳令をしき、検閲などで統制を強化した。政党を解散させ、政権に反対する政治家、共産主義者と思われる者たちを逮捕し、国外に追放するかマクロニソス島の監獄に放り込んだ。パパドプロスはこれらの圧政を共産主義の巻き返しに対抗する為だと述べて正当化した。アムネスティは軍事政権下で多くの人々が受けた拷問の詳細を報告している。

冷戦期の米ソの対立の中でギリシャの軍事政権はアメリカの支援を受けていた。パパドプロスにはCIAとのつながりがあったとされている。