グラビアアイドル
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グラビアアイドルとは、女性アイドルのうち、雑誌のグラビア、写真集、イメージビデオ・DVDへの出演を主な活動とし、なおかつ水着姿の写真を売りにする者の「肩書き」。
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[編集] 概要
雑誌等は、一方ではグラビアの被写体次第で売れ行きが左右され、他方ではアイドル側から芸能界に進出するステップと捉えられており、女優・タレントへの転身後もグラビアアイドルを続ける場合がある。ただしグラビアアイドルとして重要視されるのは、殆ど若さとスタイルのみであり、芸能人として本来要求される会話力・歌唱力・演技力に乏しいケースが少なくない。そのため、グラビア引退後も芸能界で「生き残る手段」を持ち合わせている例は極めて稀であり、年齢的な限界や本人の意向もあって長年続ける者は少ない。だが一方で、女優やタレントとして地盤を固めた者が安易にグラビアアイドルをやめる場合も多く。芸能界進出後グラビア活動をまったくしてないにもかかわらず『グラビアアイドル』を称しているものも多い為、グラビアアイドルを足蹴にすることに対するファンの批判的な意見も多い[要出典]。
元々彼女達を世間に送り出すメディア媒体にも限界があるため、新人が次々とデビューして来る一方で芸能界で芽が出ずに忘れ去られて行く者が多く、「卒業」と称してグラビアアイドルを引退すると同時に一切の芸能活動から手を引く者も少なくない。
[編集] 特徴
現在のグラビアアイドルは大きく分けて、大人っぽさを売りにするタイプと、子供っぽさを売りにするタイプの2つに分類される。前者(大人っぽさを売りにするタイプ)はさらに「セクシーアイドル」と「癒し系アイドル」の2種類に細分類される。ただしこの分類にはファンの主観が大きく介在するため、明確な基準はない。
前者の大人っぽさを売りにするタイプは、20代に入ってからデビューするケースが多い(前歴としてはイベントコンパニオンやレースクイーンが多い)。雑誌など各メディアの傾向としては、最近ではどちらかといえば癒し系アイドルが支持される流れにあるようだ。が、これはあくまで傾向であり、癒し系ならば人気が出る、セクシー系は支持されない、などといった二元論での判断はできない事も付け加えておく。
後者の子供(ロリ)っぽさを売りにするグラビアアイドルは10代のうちにデビューするケースもあるが、15歳未満の場合は、学業優先や法律上活動に制約があり、中学校を卒業する10代後半にデビューする場合が多い。又、1990年代からは、童顔で胸が豊かな女性がグラビアアイドルとして人気を得る傾向がある。第7回全日本国民的美少女コンテストで演技部門賞を受賞し、グラビアアイドルとして芸能活動している橋本愛実など、10代のうちは芸能活動は控えめながら、20代に入って積極的にマスメディアに登場するようになるケースもある。
業界では「若いうちは脱ぐ」「胸も顔のうち」と言われる事も多く、ファースト写真集の撮影時にビキニを着るのが恥ずかしくて泣いてしまったという乙葉が「水着にならなくていいアイドルは松たか子だけと言われた」というエピソードも存在する。グラビアへの露出は芸能活動のほんのいちステップに過ぎず、その後は女優や、本上まなみ・佐藤江梨子等のように文才や芸術の才能を発揮したりするなど、多種多彩になりつつある。グラビアアイドルは隆盛を極めながらも多様化しているといえる。
21世紀に入ると、売れないグラビアアイドルがヌードモデルやAV女優へと転身する例がみられるようになり、「着エロ」というジャンルが確立されてからは「着エロアイドルからAV女優に転向」という例が頻繁にみられるようになった。彼女たちの中にはAVデビュー後も「現役グラビアアイドル」という肩書きを持ち続ける者や、「あくまでも芸能活動の一環としてAVにも出ているだけで、AV女優に転向したわけではない」などと主張する者もいる。彼女たちの出演作品は、AVとしてはヒットすることも多いため、AVメーカーはこぞってグラビアアイドルにAV出演の交渉を持ちかけている。一方で、「元芸能人」という肩書きが作品の売り上げ向上につながることから、AV女優になることが決まっている者が箔をつけるために「一旦グラビアアイドルとしてデビューしてからAVへ」という例もある。
なお1970年代から1990年代にかけては、グラビアアイドルは早ければ10代、遅くても大学卒業相当(22~23歳)の年齢で卒業する事がほとんどだったが、2000年代に入って、20代半ばを過ぎてもなおグラビアから撤退せずに活躍するケースも急増しており、ほしのあきや堀田ゆい夏、優木まおみのように、大学を卒業する年齢を過ぎてからグラビアに参入するような場合さえ増えた。このような傾向について、アイドル評論家の北川昌弘は「限界年齢は消滅した。明らかにグラビアアイドルの年齢は二極化し、若い子の勢いについていけない30代のファンが癒し系高齢アイドルを買い支えている」と分析している。
[編集] 歴史
「グラビアアイドル」の歴史は、1970年代後半に活躍したアグネス・ラムに始まるといえる。アグネスはグラビアでの活動をメインとする点では始祖と呼べる存在であったが、当時の女性アイドルは「アイドル歌手」と呼ばれることが多く、音楽活動にも積極的だった。その時代性ゆえに、アグネスは雑誌グラビアに数多く登場しながら、歌手デビューも果たしている。
1980年代には、このジャンルにおいてその後数多くのスターを輩出するイエローキャブで、所属タレント第1号である故・堀江しのぶがデビューした。1980年代は女性アイドル歌手の全盛期であったため、堀江もアグネス同様に歌手デビューもしている。
1980年代から1990年代前半にかけては、イエローキャブ事務所に所属するかとうれいこ、細川ふみえ、雛形あきこ、山田まりやといったタレントが次々に脚光を浴びた。鈴木京香や山口智子などの水着キャンペーンガールも、この頃雑誌グラビアを飾っていた。しかし、山口智子がその後女優活動のために、モデル事務所から現在の事務所へ移籍したように、水着モデルとその後の芸能活動とは、スポンサーのそれまでの考え方などが障害となって、つながっていなかった。なお山口は、1988年のNHKの連続テレビ小説で主演。そんな中、イエローキャブは、水着着用モデルからその後の女優・歌手等への展開を考えたプロダクションである。
1991年頃には、女性アイドルを扱った雑誌「BOMB」表紙では、それまでアイドルの顔写真が多かったものが、水着の全身に近い写真が増加した。それまで、当時アイドルとして人気絶頂だった宮沢りえの、陰毛が多少見えると言われた全裸の写真集が出版され、これをきっかけにヘアヌードの写真集がブームとなっていた。またオスカープロモーション所属のC.C.ガールズのような、セクシー路線に徹したアイドルグループも多数登場したが、当時はまだ「癒し系」という概念はなく、体に不釣合いであっても豊かなバストであることがポイントとなるなど、売り込む対象は男性層に限られ、恒久的に持続する人気が得られているわけではなかった。
1994年、缶コーヒーのCMで、親しみやすく話しかける飯島直子の姿が話題になった。彼女はセクシー写真集を多く出す水着モデルであっただけに、それまでとはやや違った展開となった。1995年、青木裕子や坂木優子などが登場し、水着姿の写真集が改めて人気を得た。また、女性雑誌においてもツーピース水着の特集回数がワンピース水着を上回った。一方、この時代は日本全体が不況の中にあり、「癒し」がブームとなった。これに伴って、グラビアに出演するタレントにもセクシーさよりも優しさ、親しみやすさ、無防備さが求められる傾向が強まった。このようなイメージを持つグラビアアイドルが「癒し系」と呼ばれるようになった(例としては、井川遥や吉岡美穂などが挙げられる)。さらに、他の芸能事務所にもイエローキャブの手法に追随する動きが出ている。ホリプロに所属する優香も、当初は巨乳が注目されたが、飯島直子と同じく缶コーヒーのCMやバラエティ番組の出演などで性格の明るさや持ち前の才能が評価され、癒し系タレントの一人ととらえられている。
近年では歌手活動主体のアイドル(元Folder5の満島ひかりやdreamの長谷部優など)がグラビアに進出している。また、ハロー!プロジェクトのアーティストも、水着姿が中心の写真集やDVDを出している。ただし、1970年代から1980年代にかけての女性アイドルが、歌手活動主体ながら同様の写真集を出していた事を考えると、新しい芸能活動の手法というものではない。
社団法人日本雑誌協会雑誌芸能記者クラブ主催の「ゴールデン・アロー賞」には、日本雑誌写真記者会が選考する「グラフ賞」という賞があり、もともとその年度で最も雑誌のグラビアを飾り話題を提供してくれた被写体が受賞者に選出されるのだが、1998年度(第36回)受賞の優香以降は、グラビアアイドルの登竜門的な賞となっている。優香以降の受賞者は以下の通り。
- 1999年度(第37回):本上まなみ
- 2000年度(第38回):釈由美子
- 2001年度(第39回):井川遥
- 2002年度(第40回):吉岡美穂
- 2003年度(第41回):井上和香
- 2004年度(第42回):岩佐真悠子
- 2005年度(第43回):安田美沙子
受賞者は日本雑誌協会キャンペーンキャラクターに起用されることもあり、同性の視線を意識してか比較的細身で均整の取れたプロポーションの持ち主が選ばれやすく、男性的な趣向にある巨乳を特徴としたタレントは選ばれにくい(イエローキャブ系列事務所所属で同賞を受賞したのは第33回の雛形あきこのみ。また優香以降、巨乳といえる存在で受賞したのは井上和香のみ)。イエローキャブ系列事務所所属タレントに加え、アーティストハウス・ピラミッドやその系列だったアバンギャルドの所属タレントも同賞には恵まれていなかったが、2005年度にピラミッド所属の安田美沙子が受賞。2006年度はほしのあきの受賞が最有力と思われるが、「ロリエロい30歳」(←年齢は2007年3月で)が日本雑誌協会キャンペーンキャラクターにふさわしいと見なされるかどうかが審査のカギとなるであろう。
2000年代はかつらメーカーや消費者金融などで、一般人がそれまで抱いていたマイナスのイメージを払拭するため、雑誌グラビアで人気のあるグラビアアイドルを起用する例が目立ち、2005年には消費者金融各社のイメージキャラクターで人気の高いアイドルが勢ぞろいする結果となった。
一部は人気を得る一方で、写真集の同じ様な内容、パソコン普及などで写真が出回っている、異常なまでに増加したグラビアアイドルなどで、2000年に入ってから飽和状態が続いている。写真集は1万部売れれば、大ヒットと言われる。
[編集] グラビアアイドルのグラビアについて
グラビアアイドルのグラビアは水着姿のものが多く、浜辺やプールサイドはもちろん、室内や水場と無関係な場所でも衣装として使用されている。ただし近年は浴衣姿や普段着に近い服装の写真も増加傾向にある。
近年は出来上がったグラビアをさらにデジタル技術で修正することも多く、水着からはみ出た陰毛などはそれにより処理されている。タレントサイドの要望によりホクロや傷跡などが修正されることもある。また、乳輪や乳首、陰部およびその周辺が明らかにはみ出ている場合でも肌の色で塗り潰されていたりする(そのようなモノも雑誌等に掲載されている)。
また、週刊SPA!(扶桑社)誌上において、リリー・フランキーとみうらじゅんが「グラビアン魂」と銘打ち、毎号ユニークな視点からグラビアアイドル批評をおこなっている。
[編集] 現在の最高のバストサイズ・その他
- 2000年代に入ると極端に胸が大きいアイドルが次々にデビューしている。小池栄子のFカップは当初騒がれたが、今やF~Hカップは当たり前で、J~Lカップを持つグラドルまでもが出現している。今現在、日本のグラビアアイドルで最高のカップ数は風子のPカップ(120cm)だとされている。
- だがバラエティ番組では若槻千夏、小倉優子、山本梓などバストサイズが90cm以下のアイドルも活躍しており、「巨乳=グラビアアイドル」という定説は崩れたといっても良いだろう。
[編集] グラビアアイドル一覧
[編集] 先陣グラビアアイドル (~2000年代前半)
[編集] 後継グラビアアイドル
[編集] 関連項目
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