カンコンキンシアター
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カンコンキンシアターは、タレントの関根勤が座長を務める演劇集団、または彼らが行う公演の名称である。1989年6月3日旗揚げ。カンコンキンとは、「関根勤」をすべて音読みした言葉である。
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[編集] 概要
きっかけは、関根が小堺一機の公演「小堺クンのおすましでSHOW」に出演中に舞台の面白さに目覚めたことである(関根によれば、旗揚げを決断し「小堺の舞台への出演をやめたい」といったのが唯一、小堺と関根が真剣な話をした機会とのこと)。
関根自らが構成・演出を行っており、男性出演者は関根の古くからの友人や、所属事務所の浅井企画の後輩芸人、女性出演者はオーディションの合格者(座長の娘である関根麻里を除く)で構成されている。内容は「意味ねぇ、くだらねぇ」の極致をいったコントの連続であり、ラジオ番組「コサキンDEワァオ!」にも通ずるものであるが、カンコンキンではそれに輪をかけたくだらなさ、お下劣さを醸し出している。まさに、テレビ・雑誌等では見られない「ウラ関根」ワールドが全開になった公演である。
その内容から、かなり見る人を選ぶ公演であるにもかかわらず、チケットは発売即完売、特に有名人の間では賛否両論であり、三宅裕司は「時間を守らず、毎年延長料金を払っている(舞台側の終了予定時刻は22:45としている)舞台は舞台じゃない」と批判している一方、明石家さんまやタモリ等はどんなに忙しいスケジュールでも時間を割き、通称「有名人の羽休め」、「有名人の遊園地、オアシス」となる人気である(意外なようだが、盟友である小堺はカンコンキンのスケジュールがいつも「おすましでSHOW」より先であるため、稽古中であることもあって見に行かず、関根が「おすましでSHOW」を見に行くのみである)。
また、前述のように上演時間の長さでも知られ、4時間を超えるのが当たり前になっており、千秋楽では時間がさらに延長する(開演は19時からなので、終演は23時を過ぎてしまう)。ついには、出演者である山中伊知郎が「終電が無くなるから」という理由で、途中で堂々と帰宅してしまう始末である。この時の観客には大ウケであったが、観客にとっても終電問題はカンコンキン観劇時の切実な問題ではある。このことについて関根は、「どんなに短くしても4時間以上になる、これ以上は切れない(切るところがない)」と語っている。ちなみに「小堺クンのおすましでSHOW」も、4時間越えの公演である。
第4回公演からは、会場は東京都新宿区歌舞伎町にある「シアターアプル」を使用している。カンコンキンシアターの後、「おすましでSHOW」が同所で上演されるため、8月のシアターアプルは「コサキン月間」になっている。シアターアプルのチケット予約番号は、コサキンリスナーの間では「サニオクオニニニ」として頭にインプットされている。また、第6回公演からはタイトルが「クドい!」に統一され、各回ごとのサブタイトルがつけられている。
[編集] パンフレット
公演期間中ロビーで販売されるパンフレット「軍人魂」は舞台のパンフレットであるにもかかわらず公演内容以上に意味なく、随所にカンコンキンワールドがちりばめられている。必ず座長関根が何の脈絡もなく全裸になり、女性インタビュアーを罵り、また罵られる『巻頭インタビュー』、掲載内容をいっさい表記していない『目次』、毎年団員のうちの一人にスポットを当て(その団員はその号の表紙を飾るという名誉に浴される)、団員一人一人がその団員のひととなりに関してエッセイ、短編小説、俳句、イラストなど個々のスタイルで語る『各団員のページ』、団員(座長含む)たちが集まり、他愛も無い事に激論を戦わせる『座談会コーナー』、更には全く何の役にも立たない『12星座占いのコーナー』もあり、巻末には『次号予告』(当然翌年のパンフレットの内容には全く関係無く、目次コーナーとほぼ趣旨が同じ)もある。裏表紙は『インチキ通販の広告』と、その徹底された意味のなさから地方在住故に公演を観に行けずともこのパンフレットだけは欲しいというマニアもいる。第18回公演分まではB5中綴じ約130ページ程度、以降はB5無線綴じ140ページ程度でカラー袋綴じ付録付き。価格は一冊1,000円(税込)。現在、第19回、第20回公演のものが浅井企画HP内ネットSHOP「浅井商店」にて発売されている。
[編集] 上演履歴
- 1989年6月3日 - 6月6日 『カンコンキンのびっくり箱』 浅草・常磐座
- 1989年12月8日 - 12月10日 『ほわぁぁぁ・・・』 新宿・スペースゼロ
- 1990年4月20日 - 4月22日 『シュワァァァ・・・』 新宿・スペースゼロ
- 1990年8月3日 - 8月7日 『茄子』 新宿・シアターアプル
- 1991年8月5日 - 8月12日 『ガチンコ』 新宿・シアターアプル
- 1992年8月13日 - 8月21日 『クドい!』 新宿・シアターアプル
- 1993年8月5日 - 8月15日 『新・クドい!』 新宿・シアターアプル
- 1994年8月4日 - 8月13日 『新・クドい!A(エース)』 新宿・シアターアプル
- 1995年8月4日 - 8月13日 『クドい!4 神田うのがいるのなら御徒町さのが居てもいい』 新宿・シアターアプル
- 1996年8月2日 - 8月11日 『クドい!10(都市博のかわり)』 新宿・シアターアプル
- 1997年8月1日 - 8月10日 『クドい! 玉ちゃん押し(剛州ピンチ)』 新宿・シアターアプル
- 1998年8月7日 - 8月16日 『クドい! ありがとう剛州』 新宿・シアターアプル
- 1999年8月6日 - 8月15日 『クドい! こんにちわロバ三郎です』 新宿・シアターアプル
- 2000年8月4日 - 8月13日 『クドい! 京都一人暮らし』 新宿・シアターアプル
- 2001年8月3日 - 8月12日 『クドい! ヨシオにおまかせ(がんばれ飯尾)』 新宿・シアターアプル
- 2002年8月2日 - 8月11日 『クドい! ぼく、私立へ行きます』 新宿・シアターアプル
- 2003年8月8日 - 8月17日 『クドい! 飯尾より地味なヤツ入りました』 新宿・シアターアプル
- 2004年8月6日 - 8月15日 『クドい! 柔肌にダマされつづけて五十年』 新宿・シアターアプル
- 2005年8月5日 - 8月14日 『クドい! つけ乳首にご用心!』 新宿・シアターアプル
- 2006年8月4日 - 8月13日 『クドい! マリちゃんと遊ぼう。 by ルー大柴』 新宿・シアターアプル
『京都一人暮らし』~『飯尾より地味なヤツ入りました』までは、殆ど関根がその場での思いつきである。その由来は
- 『京都~』とはルーが「怒れ!求馬」の収録で京都へ単身赴任。
- 『ヨシオ~』はルーが上のコマ劇場での掛け持ち分(西遊記-GOCOO-)の時間をヨシオの謝罪で埋めようとして。
- 『飯尾より~』はずんのやすが飯尾より存在が地味だったから。
特に、『ぼく、私立へ行きます』の由来(山中伊知郎の項を参照)には、一緒に聞いていた小堺に「ちょっと少しはまともに考えなよ!」と怒られるほどである。
[編集] 定番ネタ
- 新宿歌謡音楽祭
- オープニングの顔見せ、それぞれが何かのモノマネに扮装して出てくる。
- 実録!ホストの花道
- 関根の出ない唯一の定番。天野が飯尾をいじくり倒し、追い詰める。
- 演劇ショー
- 浅井企画の芸人によるネタ見せコーナー。ラッキィ池田の下衆な司会ぶりにも注目。
- 演劇ショー2
- 浅井企画のピン芸人、今井、女子らの見せ場コーナー。こちらは関根が司会。
- 関根&ラッキィネタ(チワース)
- 女性の部屋に潜入してエロネタを撒き散らす
- ウド先生
- 教師役のウドが女性郡の逆セクハラを受ける。
- ウドのレスキュー
- ウドのほぼアドリブ演技、倒れた有川をウドが助けようとする。
- 「飯尾出てます」ランプ
- 舞台装置のひとつ。飯尾和樹の存在があまりに地味なため、出演していても存在が気づかれないのはいけないということで、彼の出演中にはこのランプが点灯する。
- 過去に出た物では「剛州出演中」「剛州転換中」「ヨシオにお任せ中」「引かないで!」(浮世絵師・しゅく造め)「世帯主出演中」(ウド鈴木)等がある。
- トークショー「評論家を迎えて」
- 司会役・今井久美子、ゲスト役・関根勤でトークショー形式で繰り広げられるコント。別名:座長の日頃思っている不満をぶちまけまショー。
- 漁火兄弟ライブ
- 鈴木晋介、玉寄兼一郎によるユニット「漁火兄弟」の替え歌ショー。内容は大抵ホモネタ。彼らはカンコンキン以外でもユニットとして営業に行く事もあるらしい。
- お白州(プライベート裁判)
- 公演の最後にそれまでの流れを全く無視して行われる。関根により各出演者にきわどい質問が浴びせられプライベートを暴露させられる。
- 2006年度の公演では、今まで裁くのみの立場から娘・麻里により逆に関根が裁かれた。関根は罰として苦手であるプチトマトを食べさせられ、大層ヘコみつつフィナーレを迎えることになってしまった。
[編集] 出演者(2006年度現在)
[編集] 旗揚げメンバー
- 関根勤(通称(以下同):座長)
- ルー大柴(ルー、ルーさん、板長)
- ラッキィ池田(ラッキィ)
- 鈴木晋介
- 山中伊知郎(イッチー)
- 剛州(剛州さん)-途中でロバ三郎、すってんころりの助と改名
- 玉寄兼一郎(玉ちゃん)-カンコンキンのアクション指導も担当
[編集] 旗揚げ以降
- 中村嘉夫(ヨシオ、ヨシオさん)- 一時期私用で2年間欠団
- ウド鈴木、天野ひろゆき(キャイ~ン)
- 飯尾和樹、やす(ずん)
- 森一弥、平子悟(エネルギー)
- しゅく造め(元Rまにあ)
- 井川修司、岩井ジョニ男(イワイガワ)
- ユウスケ・皇帝液。、坂爪・ラゴハムニダ、ケンスケデリカット(浮世絵師)
- 今井久美子(まんちゃん)
- 富田真央
- 中村英香
- 西田たか子
- 後川佳織
- 林宏美
- 関根麻里
[編集] 過去の出演者
- 有川周一本人は小路川の結婚・退団の見返りとして、第7回から関根により出演者にされてしまった。
- 五社勇
- 大久保運 - 第1~2回公演まで出演。
- 永井正吾
- 門間葉月 - 第1~6回公演まで出演。現在は俳優の渡辺いっけい夫人。
- 今成ぽん
- 早瀬千里
- 松井政美
- 鈴木美恵子
- 柴崎仁恵
- 小泉政未
- 香坂菜美
- さくらいもえ
- 竹野由里子
- 金井優也、馬渕真二郎(OGY)-(ヤンマガ伝説キャイ~ンDAあ゛~んのお笑いオーディションで優勝し、その特典として『ヨシオにおまかせ!(がんばれ飯尾)』に出演した。)
[編集] 備考
- ラジオ番組「コサキンDEワァオ!」と同じく、有川周一、舘川範雄が構成に参加している。
- ナレーションを担当しているのは、漫画家・イラストレーターのもりいくすお。コサキンのラジオで広川太一郎の物まねを披露し、それがかなり似ていたことから抜擢された。
- 関根が司会を務めていたクイズ番組「クイズ!早くイッてよ」に、「イッテよシスターズ」として小路川(おじかわ)・早瀬・松井らカンコンキンシアターの初期の女性メンバーが出演していた。この番組で行われた観客いじりネタの「抽選会」は、メンバーを入れ替え現在もカンコンキンシアター内で実施されている。
この「カンコンキンシアター」は、舞台芸術に関連した書きかけ項目です。この記事を加筆・訂正などして下さる協力者を求めています。 |
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