エネミー・ゼロ
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エネミー・ゼロ（えねみー・ぜろ、E0とも表記）とは1996年12月13日に発売されたセガサターン用ゲームソフトである。1997年12月11日にサタコレとして再発売され、1998年11月28日にはPCにも移植された（Windows 95/98用）。企画、脚本、監督は飯野賢治。
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[編集] ストーリー
任務を終えて地球に帰還する途中の大型宇宙船「ヴィークル・ジ・アキ」。突然緊急事態が発生し、乗務員7人はコールド・スリープから目覚めさせられる。主人公ローラ・ルイスは状況を把握するために乗務員のパーカーと連絡を取る。音声の回線が不調なのか、端末には映像しか映し出されない。と、突然彼の部屋のドアが破壊され、「何か」が侵入してくる。パーカーは何もない中空に銃を発射するも、その姿の見えない何者かに惨殺されてしまう。ローラは事態を解決するためにこの姿の見えない「エネミー」と戦う決意をする。
[編集] 登場キャラクター
- ローラ・ルイス（声：駒塚由衣）
- キンバリー・ハード（声:幸田直子）
- パーカー（声:なし）
- マーカス（声:なし）
- デヴィッド・バーナード（声:大塚明夫）
- 高橋・ジョージ（声:大塚芳忠）
- ロニー（声:玄田哲章）
[編集] システム
ゲームは基本的に各乗務員の部屋の中などを探索するアドベンチャーパートと、キャラクターを操作してエネミーと戦うアクションパートに分かれる。
[編集] アドベンチャーパート
飯野賢治の前作「Dの食卓」を踏襲する形となっていて、アイテムを収集したり情報を得たりする。セーブ・ロードはアドベンチャーパートにおいてボイスレコーダーに状態を記録する事によって行えるが、一回セーブ・ロードをするごとにレコーダーのバッテリー残量が減っていく。バッテリー残量がなくなってしまうと、セーブ・ロードは出来ない。
[編集] アクションパート
このゲームの最大の特徴とも言えるアクションパートは、相手となる「エネミー」の姿が見えないというもの。キャラクターの視点で操作しながら、物語の冒頭で手に入るアイテムが定期的に発する「音」の間隔と高さによって相手との距離と位置関係を推定しなければならない。音の間隔は相手との距離に反比例し、相手の位置が正面→横→後ろとなるに従って音は低くなる。「エネミー」を攻撃する銃は、「バイオハザード」等とは異なり、発射する前に数秒のチャージ時間を要する。チャージ完了前では発射されず、チャージ完了後一定時間以上すぎるとエネルギーが発散してしまい、一からチャージしなおさなければならない。
[編集] 評価
- 本来このゲームはプレイステーションで発売される予定のソフトであったが、飯野賢治本人が1996年3月27日に行われたイベント「プレイステーションエキスポ」でセガサターンにハードを変更する、と発表して波紋を呼んだ。理由としてはSCE側がグロテスクな表現を避ける方向に転換したのを飯野が嫌ったため、と言われている。
- 「敵が見えない」という前代未聞のシステムと、セーブ回数だけでなくロード回数まで制限されているという点から難易度が大変高かった。通常こう言ったゲームソフトの攻略本は数冊ほど出版されるのが普通であるが、本作に関してはファミ通編集部から一冊出たのみであるという点からも難易度の高さが伺える（ちなみにその攻略本の宣伝文句は「エネミー・ゼロの攻略本はこれだけです。」というもの）。
- ストーリーが映画「エイリアン」と似通っている事、セーブ・ロードの制限、バグの発生(厳密にはバグではなく、データロード時のシークが激しすぎてサターン本体の損耗度合いに起因するフリーズを経験したユーザーが多かった)、謎解きが深くない事（アイテムのほとんどは一回使ったら後で使う事がない）、物語終盤でのあまりもの難易度の高さ等から「クソゲー」呼ばわりするプレイヤーが続出した。しかしムービーの質は当時としてはかなり先進的なレベルに達しており、またシナリオについても飯野本人が開発当初から言っていた「デジタルの悲しさ」を引き出しているとして、このゲームを評価するプレイヤーも少なくない。
- 難易度に関しては、後に「サタコレ」で再発売された際にセーブ・ロード無制限の、難易度を抑えたモードが追加された。
[編集] スタッフ
[編集] 補足
- 本作は「ローラ三部作」の第二編として製作されたという。本作に登場する「ローラ」は飯野賢治の他のゲームの主人公の名前にもなっている。
[編集] 関連項目
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