ウルティマオンライン
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ウルティマ オンライン(Ultima Online 通称UO)は、ウルティマシリーズのプロデューサー、リチャード・ギャリオットが指揮を執り構築されたMMORPG(多人数同時参加型オンラインロールプレイングゲーム)。
米国で1997年9月24日発売開始。日本国内では1997年10月発売開始、1998年9月より日本サーバーの運用が開始された。
米国に本社の在るOrigin Systems社が開発。Origin Systems社買収後は、親会社であるエレクトロニック・アーツ社傘下の開発スタジオとして開発、運営された。日本国内のサポート・運営は、日本現地法人のエレクトロニック・アーツ株式会社が担当している。
最初期の商用MMORPGとして、その後のゲームの歴史に多大な影響を与えたが、現在は日本人ユーザーが利用者の半数近くを占めており、日本市場を意識した開発態勢が敷かれている。
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[編集] 特徴
その最大の特徴は、特に開発初期においてオンラインマルチプレイを前提とした、ワールドシミュレータを指向してゲームデザインが行われた事である。そのため、スキルベースの成長システム、洗練された生産システム、派閥戦争のサポート、PKおよびPKKを成立させる独自の対人戦、本格的な家システム等々、数々の独自のシステムを持っている。
そのプレイ感覚は、レベルベースの成長システムを持つ戦闘指向MMORPGとは一線を画しており、一介の冒険者から、服屋や大工、果てはコソ泥やスリまでをプレイする事の出来るMMORPGは、今なお本作を置いて他に無いだろう。
また、今ではMMORPGなら当たり前となっている様々な要素の多くも、このゲームによって確立された。
[編集] 家システム
一定の条件に沿う空き地には、プレイヤーが家を建てることができる。建築できる家の外観は、以前は決められた形の中から選択するだけであった。現在は既存のデザイン済みの家に加え、パーツを自由に組み合わせてプレイヤーが独自の外観にデザインすることができる(カスタマイズ)。
またUOは好きな場所に自由にアイテムを置くこともできるが、それは家の中でも同じである。家の中に家具を置いたり、花や絵画を飾ったりなどの内装をすることが可能である。また、家具の中には実際にアイテムを入れることができる。
この家自体のカスタマイズと内装は奥が深く、公式・非公式併せ、家に関するコンテストも頻繁に行われているほど人気のあるシステムである。
[編集] 生産システム
他のMMORPGではゲーム内の生活は戦闘が中心となっているが、UOの場合は生産システムのおかげで戦闘をしなくても生活ができるようになっている。
生産できる物には、衣服、料理、道具、生活用品、武器、防具、家具など多種多様なものがあり、衣服や家具などは色を染め変えることもできる。これらを他のプレイヤーやNPCに売ることで、お金を得ることが可能。
また、家を持っている場合はNPC店員(ベンダー)を雇い、自分の家で店を開くこともできる。
[編集] スキル制
キャラクターの成長には、他のRPGによく採用されている経験値によるレベル制ではなく、「その技能にどのくらい熟練しているか」という意味のスキル制が採用されている。
魔法スキルなら、魔法を実際に使うことによって魔法スキルが上がっていき、上級レベルの魔法を使えるようになっていく。鍛冶スキルなら、簡単に作れる武器や防具を作っていくことによりスキルが上がり、難しい武器なども作れるようになる。他のスキルも同様である。
キャラクターが持てる総スキル値には上限があり、その範囲内で50種類以上あるスキルを自由に組み合わせることができる。たとえば通常の職業の範囲からは考えられない「魔法、侍、盗み、大工、忍者、獣医の各々に習熟したキャラクター」なども作れてしまうため、基本的にシステム上は職業という概念はない。
上限があるためにスキルの組み合わせを考える楽しみ(苦しみ)もあり、また新しいプレイヤーが古参のプレイヤーに比べ、太刀打ちできないほど著しく不利になることもない。
[編集] PvP(Player vs Player)システム
ウルティマオンラインではいくつかの条件でプレイヤーとプレイヤーの戦闘が容認されている。プレイヤー同士の戦闘は、アイテムやキャラクタースキル以上にプレイヤー個人の技術が強く影響する為、PvPerと呼ばれる専門のプレイヤーが多数存在している。
[編集] 派閥
フェルッカ限定で導入され、プレイヤーは4つの派閥に所属し、他派閥に所属するプレイヤーに対して攻撃を行なう事が可能となる。
また、街の支配権を有するシギルとよばるアイテムの争奪戦を行い、一定時間シギルを自派閥の拠点で防衛することで支配する事が可能となる。
他派閥プレイヤーを殺害するとキルポイント(KP)を取得しその数値によってランキングが公表される。
[編集] ギルドWar
プレイヤー同士で結成したギルド間で宣戦布告と受理を行い、戦闘をすることができる。戦争状態となったギルドメンバーに対してはどのエリアでも攻撃が可能で、殺害数と被殺害数の累計データなども参照できる。
[編集] PK(Player Killer)
フェルッカなど他者へのネガティブな干渉が許されているエリアで他のプレイヤーにダメージを与える、もしくは殺害すると殺人カウントが累積、カウントが5になると殺人者として認定される。殺人者は名前の表示が初期設定では赤くなるため、俗に「赤ネーム」とも呼ばれる。
殺人カウントは1つにつき40時間ゲーム内で消化しないと消えない。殺人者は他のプレイヤーから殺害されても、殺害カウントを相手に入れることは出来ない。また、街の蘇生施設は利用できない。殺人者に回復、蘇生などのサポートをすると、サポートしたプレイヤーも犯罪者(灰色ネーム)となる。他にも幾つかのペナルティを課せられる。
[編集] ゲーム内スタッフ
MMORPGの乱立が続く昨今において、UOも他のゲームと変わりない状態であるとも言えるが、このゲームが他のゲームと比べて特徴的な点があるとするならば「運営/プレイヤー、両サイドスタッフの活躍」であろう。
ゲーム内で様々な活動のサポートをする「ゲームマスター」「シーア」「カウンセラー」等のスタッフの活動は、他のゲームと比較しても盛んである。 各シャードで執り行われるプレイヤー主体の「マーケット(プレイヤーにおける街頭市場)」等のイベント活動も、運営側が積極的にサポートし、今も定期的に行われている。 また、「コンパニオン」はゲーム内で初心者をサポートするスタッフで、やはり他に類を見ない特筆すべき点であると言える。 このような「運営」と「プレイヤー」の交流が盛んな点は、いわゆる「量産型MMO」とは一線を画している最大の特徴である。
(なお、運営側のスタッフであるゲームマスターとは異なり、シーア、カウンセラー、コンパニオンは運営側から特別な権限を与えられ、ボランティアとして活動する一般プレイヤーである。)
[編集] 世界観
かつて、邪悪な魔法使いモンデイン(Mondain)が、不死の宝珠(Gem of Immortality)の中にソーサリア(Sosaria)を閉じ込め、思うがままに支配していた。しかし、異世界から召還された冒険者によりモンデインは討伐され、不死の宝珠も粉々に砕かれたが(ウルティマI)、モンデインの力は消える事なく、砕かれた破片の一つ一つにも独立したソーサリアが存在する事となった。ウルティマ オンラインにおいて、1つのゲームサーバーの事をシャード(英語で破片の意)と呼ぶのはこの為である。
シャードには、幾つかの平行世界が含まれている。これらの平行世界は、破片の面に例えて、ファセットと呼ばれている。魔法、もしくはムーンゲート(Moongate)によりファセット間を行き来する事が可能である。
時代設定としてはウルティマIの直後の世界ではあるが、これまでのウルティマシリーズ及び後年に追加された設定も盛り込まれている。例えば、派閥のひとつである「ミナックス(ミナクス)」はウルティマIIの設定であり、その後の「Exodus」とそれに関連するイベントなどはウルティマIIIに端を発する。
[編集] 冒険をする世界
ウルティマシリーズの舞台であるブリタニアが中心であるが、この世界は「トランメル」と「フェルッカ」と呼ばれる2つの平行世界に分かれている。トランメルが「平和」の世界であれば、フェルッカは「戦乱」の世界である。そのほかにも「イルシェナー」「マラス」「徳之諸島」「ハートウッド」と呼ばれる世界がある。
[編集] トランメル
トランメルは、他者からのネガティブな干渉をいっさい受けない世界である。
[編集] フェルッカ
フェルッカは他のプレイヤーからのネガティブな干渉を受ける危険性がある世界である。そのため一般プレイヤーはフェルッカでの活動を避ける傾向が顕著であり、トランメルに比べて極端に人口が少ない。独学では難しい対人戦の技術を、PKギルドやPKKギルドなどに所属して学ぶプレイヤーも多い。
その反面、他のエリアと異なる以下のような多くの利点もある。
- スキルの上限値を上昇させる特別なアイテム「パワースクロール」が入手できる
- ステータスの上限値を上昇させる特別なアイテム「ステータススクロール」が入手できる
- 鉱石や木材などの資材が、他のエリアの2倍得られる
- モンスターから取得できる戦利品の数が、他のエリアの2倍である
[編集] イルシェナー
イルシェナーは「冒険」をテーマとした世界であり、各地に特異なダンジョンや通常では出現しないモンスターが配置されており、未知の世界を探検する気分になれる。
[編集] マラス
マラスは星海に浮かぶ世界であり、それまでの住宅地不足を解消するための広い平地と、「Doom」と呼ばれる高難易度の広大なダンジョンが用意されている。
[編集] 徳之諸島
徳之諸島は周りを海で囲まれた島々で構成された世界である。日本風の文化を持ち日本的アイテムが多数存在するが、日本そのものではない独特の雰囲気を持つ世界である。
[編集] ハートウッド
ハートウッド(Heartwood)はブリタニアと特殊なゲートで結ばれたエルフ達の住まう樹上の町である。住人のエルフからは金銭による売買ではなく、多種多様な依頼を引き受けることでエルフ特有の様々な技術やアイテムを入手することができる。
[編集] 仮想世界の構築
仮想世界の構築において、ワールドシミュレーター的な要素が盛り込まれている。
[編集] 変動する物価
伝統的なRPGではアイテムの価値は固定されており、「鋼の剣」はどの街で購入しても1000Gだったが、本作においては需要と供給により、アイテムの価値が変動する。多くのキャラクターが購入するアイテムは価値が上がり、多くのキャラクターが売却するアイテムは価値が下がる。これにより、過剰在庫を抱えた街で品物を安く仕入れ、それを品不足の街で高く売り利益を得る事ができる。
また、この事はアイテムを売買する商人、商人をモンスターから守る護衛、商人のアイテムを狙う強盗、と言った多種多様な遊び方をプレイヤーに与えた。
(注)2006/9 時点での仕様では、価格が変動するのは一部の資材に限られている。
[編集] 生態系
モンスターや動物達は、あるバランスを持って生息している。モンスターの数が減ればその分動物の数が増え、肉食動物の数が減ればその分草食動物の数が増える。逆に草食動物が減ると肉食動物の数も減り、モンスターの数が増える。
(注)2006/9 時点では、この仕様は機能してないと思われる。
[編集] キャラクターの死
キャラクターは死ぬと幽霊になる。生前の肉体はその場に装備品と共に放置される。幽霊の状態では他のキャラクターと会話もできない為(ただし、幽霊が100.0以上のSpiritSpeak(霊話)スキルを持っていると、他のプレイヤーキャラクターとの会話が可能である。また、生きている他のプレイヤーキャラクターが100.0以上のSpiritSpeak(霊話)スキルを持っていると、そのキャラクターのみ、幽霊との会話が可能である。)、ヒーラー等に生き返らせてもらう必要がある。生き返ったキャラクターは(初心者保護期間中や、保険、Blessアイテムなど、いくつかの例外を除いて)全てのアイテムを失っている為、自らの死体を探しに戻らなければならない。放置された死体は野盗やモンスターにアイテムを奪われ(フェルッカでは誰にでも奪われる危険性があるが、トランメル・マラス・イルシェナー・徳之諸島では、死亡者がNPCシーフギルドに所属していない限り、また、Partyを組んでいてPartyメンバーからのルートを許可にしておかない限り、他のプレイヤーから奪われる心配はない。)、時間が経てば土に還り消えてしまう。
[編集] 会話するNPC
NPCは雄弁である。徳の高いキャラクターが近づけば挨拶し、徳の低いキャラクターが近づけば罵倒する。幽霊を怖がり、周辺の会話に反応する。職業により一定の知識が設定されており、自分の職業に関する事、人名、地名等の固有名詞に反応を示し、簡単な会話が可能である。
NPCもプレイヤーキャラクターと同様にステータスを持ち、彼らを襲いアイテムを奪う事もできる。 (現在、NPCの名前が黄色い場合は「保護」状態になっているため、殺害できないという仕様が盛り込まれている)
[編集] 拡張パッケージ
1997年のサービス開始以来、これまでに7つの拡張パッケージが発売されている。 もっとも新しいパッケージは、2005年9月に発売された。
- Ultima Online: The Second Age(ザ・セカンド エイジ 通称:T2A)(1998年10月発売)
- ウルティマオンライン初の拡張パッケージ。ブリタニアの地下世界であるロストランド(新大陸)が、新たな冒険の地として追加された。
- このロストランドを導入するにあたって、開発チームは実に素晴らしいストーリーを築き上げ、そのストーリーとそれに絡めて進行する幾多のイベントは、UOの自由性がもたらす可能性と相まって当時の人々を大いに驚かせた。
- このストーリーを展開してそれに随するイベントを発生させる様式は後に「EwE」として結実する。
- Ultima Online: Renaissance(ルネッサンス・エディション 通称:UOR)(2000年4月発売)
- この拡張により、ブリタニアは「トランメル」と「フェルッカ」の2つの平行世界に分割された。
- これまでの世界はフェルッカとして存続しつつも、新しい世界トランメルでは PK (Player Killing) や掏りといった、プレイヤー間のネガティブな行為は一切禁止となった。
- この拡張に伴うトランメル世界の発生はT2A以前からの調和の保たれていたモラリティを破壊してしまったので、人によってこの拡張は賛否両論がありディアブロの変遷に通じるものがある。
- 同時期に、リチャード・ギャリオットがUOのプロデューサーを降板し、Ultimaシリーズ開発元のOriginを退社という名目で解雇されている。そして以後のUOプロデューサーにはアンソニー・カストロ(通称サンソード)が就いた。
- Ultima Online: Third Dawn(第三の夜明け 通称:TD)(2001年3月発売)
- 新たに砕かれた宝珠の一面が発見され、ロストランド、トランメルの次にくることから「第三の夜明け」と呼ばれる。
- 従来の 2Dクライアントに加え、3Dクライアントの提供を開始。また、3Dクライアントでしか行けない新世界「イルシェナー」が追加された。
- 新たに追加された3Dキャラクターグラフィックの多くは新規に作られたものではなく、開発中止になったUltima Online 2のグラフィックの流用である。
- Ultima Online: Lord Blackthorn's Revenge(ブラックソンの復讐 通称:LBR)(2002年2月発売)
- かつて、ストーリーの進行により誘拐されたロード・ブラックソンが強大な「Exodus」の力を借り、彼の理想を蔑ろにしたブリタニアを破壊せんと復讐を始める…
- モンスターデザイナーとして、米国の漫画家であるトッド・マクファーレン氏を起用し、グラフィックの変更が行われた。また、3Dクライアントでしか行けなかったイルシェナーが、2Dクライアントにも開放された。
- また、この時代(第三の夜明け、ブラックソンの復讐)には全シャード共通かつ同時に大きなイベントが何度か起こり、それらは当初8週間前後で完結するイベントであったことから「Eight weeks Event(EwE)」として呼ばれる。なお、その後の標準的なイベント継続期間は6週間前後となっている。
- そのイベントは以下の4つで、この時期に様々な変更や追加仕様が加わり、またも人々は賑わう事になる。
- シナリオ1:The Savage Empire(サベージの帝国) (2001/5/4 - 2001/7/10)
- シナリオ2:Gargoyle's Redemption(ガーゴイルの購い) (2001/10/27 - 2001/11/6)
- シナリオ3:Blackthorn's Damnation(ブラックソンの破滅) (2001/11/19 - 2002/1/22)
- シナリオ4:Plague of Despair(蔓延する絶望) (2002/1/25 - 2002/3/30)
- Ultima Online: Age of Shadows(正邪の大陸 通称:AoS)(2003年2月発売)
- 新世界「マラス」が追加された。この土地では聖なる騎士「パラディン」と死者を操る「ネクロマンサー」が対立しており、彼らからその技術を学ぶ事ができるようになった。さらに、戦闘システムの大幅な変更が行われたが、より戦術性のある戦いが出来るようになった。
- このときに追加された「Doom」というダンジョンは、凄まじく貴重なアイテム「アーティファクト」が追加され、そのために所謂「廃人的プレイヤー」が大きく増加する一因となってしまった。
- 既存のアイテムパラメータも根本から変更され、小さなナイフが巨大な大剣より殺傷力が高い、布の服が鉄の甲冑より硬く魔法に強いといった、現実性の無い現象が起きた。
- また、このアーティファクトにより対人戦は大幅にバランスを失い、もはや対人戦に素人が入り込むことは難しくなってしまった。
- AoSによって導入されたさまざまな戦闘システムの改装は、プレイヤーの大幅なパワーインフレを招く事になり、巨大なドラゴンを数秒で倒せてしまうなど、UOの楽しみ方の一つであった仮想ファンタジー世界の冒険を、根本から潰してしまうには十分な内容だった。上記の事から、未だにAoSに否定的な意見がある。
- Ultima Online: Samurai Empire(武刀の天地 通称:UOSE)(2004年11月発売)
- Ultima Online:Mondain's Legacy(宝珠の守人 通称:UOML)(2005年09月発売)
- エルフという新種族が追加され、彼らの街であるHeartwoodが出現。
- 生産系に大幅な追加があった他、クエスト(非プレイヤーキャラクターから受ける 討伐・入手・護衛・配達 の依頼)の大幅な拡充、公共施設に寄付を行う事で報酬を受けられるコミュニティコレクション等の要素が追加された。
- 新たに複数追加されたダンジョンでは、内部において周囲から隔離された特定のエリア「領界」に「ピアレスボス」と呼ばれるそれぞれ固有のボスモンスターが出現するようになった。
-
- ただし、プレイヤーが領界に侵入しピアレスボスに挑戦する為には、領界侵入及びピアレスボスに挑戦するための条件(複数のアイテム収集、或いは特定モンスターの指定数討伐など)を満たさなければならない。そして、全ての条件を満たすと「その領界の”主”に繋がる”鍵”」を入手することができ、その鍵を使用したプレイヤー及び同一パーティーのプレイヤーのみが領界に侵入しピアレスボスに挑戦することができる。(この方式と異なり、鍵の代わりにプレイヤー各自が使用することで領界に侵入可能となるダンジョンも一部存在する。この場合はパーティーは関係が無い。)
- この方式のユニークな点は、既にピアレスボスに挑戦中のプレイヤーが存在する場合は、挑戦中のプレイヤーがピアレスボスの討伐に成功して帰還、あるいは討伐を断念してエリア外に撤退、または挑戦の制限時間を越えるまで、他のプレイヤーはこの間に必要な条件を揃えたとしても、領界侵入に必要な「その領界の”主”に繋がる”鍵”」を入手することが出来ない。つまり、最強クラスのモンスターとの戦い、及び討伐成功時に得られる大きな報酬を他人に干渉されることなく、挑戦したパーティのプレイヤーだけで独占(制限時間はあるが)できることにある。
- しかしフェルッカにおいては別で、いくつものパーティが同時にボスエリアに挑戦可能。
- なお、容易では無いが単独でピアレスボスを倒すソロプレイヤーも存在する。
[編集] シャード(ゲームサーバー)の一覧と特徴
- 日本シャード
- Asuka (1998年9月28日開設)国内最古シャード。
- Yamato (Asukaとほぼ同時に開設)
- Wakoku (1998年10月31日開設)
- Hokuto (1999年1月22日開設)運営会社の米国側担当者が公式サイトにおいてシャード名を「Hokotu」と2回も誤記した事がある為、「ホコツ」「穂骨」等と呼ばれる事がある。
- Izumo (1999年10月1日開設)
- Mizuho (2001年4月30日開設)
- Sakura (2002年10月21日開設)日本では最も新しいシャード。
- Mugen (2001年10月16日開設)上級者ルールの適用される、ハードコア・シャード。
- アジア及びオセアニアシャード
- Arirang (韓国)
- Balhae (韓国)
- Formosa (台湾)
- Oceania (オーストラリア)
- 欧州シャード
- Drachenfels(ドイツ)
- Europa (ドイツ)
- 米国シャード
- Atlantic
- Pacific
- Great Lakes
- Lake Superior
- Baja
- Napa Valley
- Sonoma
- Catskill
- Lake Austin
- Legends (当初 AOL Legends というAOL会員限定シャードだったが、現在は一般利用者にも開放されている)
- Siege Perilous (ハードコア・シャード)
- Origin(2004年12月開設。下記のTest Sosariaに代わり、変更・修正が全世界に先駆けて行われ、その調節がテストされる。)
- その他のシャード
- Test Sosaria (常設されていたテストシャード。開発陣によって色々な仕様がテストされていたが、Origin開設に伴い廃止。また、これとは別に臨時のシャードが設置され、テストが行われる事がある)
- Abyss (1998年のハロウィンに設置された期間限定のイベントシャード)プレイヤーはモンスターに扮し、他のプレイヤーや一般NPCをAbyssに叩き込ませるという、この分野では初の「楽しい」シャード。
- Farmageddon (1998年の感謝祭に設置された期間限定のイベントシャード)Farm(農場)+armageddon(ハルマゲドン)の合成語で、内容もその題名に準じて農夫と家畜たちが大戦争を繰り広げる、「愉快な」シャード。
- Santa's Slay (1998年のクリスマスに設置された期間限定のイベントシャード)上記Farmageddonに触発されて作られたシャード。プレイヤーはサンタ等に扮し、人々をSlayしていくという、これまた「微笑ましい」シャード。
- Baekdu (韓国のハードコア・シャード。2002年6月閉鎖)
- Shard of the Dead(2005年のハロウィンに設置された期間限定のイベントシャード)
[編集] Lord British暗殺事件
基本的には、イベントに関わる人物は、運営側の操作により攻撃などの敵対的干渉から防御されている。しかし、ゲームシステムの運営方法を模索していた初期の段階には、今ではジョークになる色々な事件が起こった。
その中でも最大の事件は、オープンβテスト時に起こった事件で、ブリタニアを統治していたLord Britishが一般プレイヤーに向かって演説をしている時に、あるプレイヤーが「Fire Field」と呼ばれる魔法を使い、王を焼殺してしまった事件で、UOに詳しいプレイヤーの間では、一種の伝説として語り伝えられている。2004年に、7周年記念として配付されたアイテムの中に、この事に由来する防具が選択出来た。
なお、このプレイヤーはその後、暗殺ではなく、他の不正行為を働いたとして、アカウントの剥奪が発表された。
[編集] 問題点
[編集] グラフィックスの劣化
近年リリースされている他MMORPGと比較して、キャラクター、インターフェイス、デザイン面がひどく見劣りしている。 これはサービス開始(1997年)当時のグラフィックスを多少改変しつつも流用している影響であり、良い意味でクラシカルではあるが、それ故に最新の3DCGを使用している他のゲームと比べると見劣りしてしまっている感がある。
また、アジア圏で流行しているキャラクターデザインと、欧米的キャラクターデザインの違いも影響していると言えるだろう。
UOは、長年にわたる試行錯誤によって積み重ねられたデータに基づく、様々なシステムの綿密さや、奥深さ、自由度があるとの評価もあるが、その一方で「見た目」の影響による「新規プレイヤーの獲得」「現行プレイヤーの維持」が非常に困難になってきているとの見方もある。
この問題の改善の為か、EA(Electronic Arts Inc)は2007年にUOの新しい拡張版 「ウルティマ オンライン『蘇りし王国(仮称)』」(Ultima Online: Kingdom Reborn) を発売予定。その「見た目」(グラフィック)が刷新される。
この拡張版は現行のプレイヤーや、引退したプレイヤーからも広く注目を集めているようだ。
[編集] 近年の問題点
- 「システムホールを利用した不正行為の横行(ゲーム内通貨の増殖やチートツールの使用)」
- 「リアルマネープレイヤー(ゲーム内のアイテム等を現実世界の通貨で売買する者)」
- 「プレイヤーのモラル低下(乱暴な発言や他人を誹謗中傷するような発言、行為)」
なども挙げられる。 しかし、これは他のMMOでも絶えず課題となっている問題であって、UOだけではなくネットワークゲーム全体が抱える問題とも言えるだろう。
[編集] リアルマネートレーディング
ウルティマオンラインでは、RMT行為による換金を目的としていると見られる高価なアイテムや武器の詐欺行為が発生し、ユーザー間でも大きな話題に上る事がある。
管理会社としてもこれに対する注意は呼びかけているものの(参照)、原則として取引者の自己責任の範囲にあるものとして、問題が発生しても不介入不干渉の立場を取っている。