アフリカヌス
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アフリカヌス (Africanus) は古代ローマ人の添え名(コグノーメン)の一つ。「アフリカを制した者」の意。この名を持つローマ人にはスキピオ家に属した大スキピオ(大アフリカヌス)と小スキピオ(小アフリカヌス)がいる。
ローマ人にとっての「アフリカ」とは、今日のアフリカ大陸全体を指すのでなく北アフリカの地中海沿岸のうちエジプトとその西隣キュレナイカと除いた範囲を指し、この「アフリカ」の中心勢力はカルタゴ人であった。このカルタゴを第二次ポエニ戦争のザマの戦いで破った大スキピオとその息子の養子で第三次ポエニ戦争でカルタゴ市を包囲、破壊した小スキピオにこの名前は贈られている。
このほか、二人のスキピオとは関係無いが、この「アフリカヌス」というラテン語はアフリカ大陸で発見された人類の祖先の学名に用いられている。ここでの「アフリカ」はローマのアフリカとは関係なく、アフリカヌスの意味も「アフリカの」といった程度のものである。