とんねるずのハンマープライス
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とんねるずのハンマープライスは1995年1月~1998年9月にかけて関西テレビ制作、フジテレビ系列で放送された公開オークションバラエティ番組である。
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[編集] 番組概要
とんねるずが司会を務め、「ねるとん紅鯨団」(1987年~1994年)の後続番組として放送された。スポンサーはミズノ一社の提供。なおハンマーとは価格決定時にオークショニア(せり人)が打ち下ろす槌のことである。
[編集] 放送日時
毎週土曜日 原則23:00-23:30(前番組の「ゴールデン洋画劇場」が時間拡大の場合、また「ナイター中継」の時間延長される場合はその時間に繰り下げることがあり、深夜で放送される例があるが、ほかの新春特番で休止される場合があった。)
- 山形地区では1997年4月1日にさくらんぼテレビが開局する前はTBSテレビ系列のテレビユー山形で木曜日の「NEWS23・2部」の後に放送されたが、こちらも系列局のTBS・MBS制作の特別番組の時間増大やナイター中継の延長の場合はその時間に繰り下がることがあった。
- 高知地区では当初、前番組「ねるとん~」のように定時番組としては放送されず、1996年以前は高知放送にて特番編成時の穴埋め番組として不定期に放送されたのみ。定時番組となったのは1997年の高知さんさんテレビ開局以降である。
[編集] とんねるず以外の出演者
[編集] 番組内容
各界の著名人から提供された逸品、あるいは著名人と夢の競演ができる様々なアトラクションを一般視聴者がオークション(セリ市)形式でベットし、最高金額をベットした視聴者がその品(権利)を購入(獲得)できる、というものだった。番組開始当初は、所詮バラエティ番組であり、金額が異常に高騰するのを恐れて「ベットの上限は20万円」とし、ベットが20万円に達した場合は、購入希望者でジャンケンして最後に勝ち残った人が購入(獲得)、というものだったが、あっさりとベットが20万円に達する品が頻発したので、上限が廃止された。
中には落札した商品が原因で購入者がいじめにあったこともあったが、後に番組で商品の売却ができる再オークションスペシャルが放送されたこともあり民事訴訟を起した事件にまで発展してないことから、購入者がこの企画のために一役買った説が強い。
オークションの収益金は日本赤十字社などに寄贈された。当初数回のみ、番組最後に「目の不自由な人など福祉のために役立たせていただきます」というテロップが出されたが、阪神・淡路大震災が番組開始直後に発生したこともあり、その後は番組終了まで「震災復興支援資金」として寄贈されることとなった。このことは当時新聞の投稿欄でも読者に高く評価されていた。
番組開始~1996年まで前番組の「ねるとん紅鯨団」からの流れもあり16~20%台の高視聴率を保っていたが、1997年以降は出品される商品・権利のネタが切れたことなどから視聴率が伸び悩んでしまい、晩年の1998年は出品以外の企画で繋いだことも多くなってしまい(近年で言う「トリビアの泉」の類)同年9月に終了となった。しかし、その手法は、今日のヤフーオークション等に脈々と受け継がれている。
なお、番組内での落札額の総額は1億3842万7874円であった。
[編集] スタッフ
- プロデューサー:越智武彦
- 演出:田中経一
- 収録スタジオはレモンスタジオ
[編集] 生放送
1996年1月1日には「新春オークション」として初の生放送を実施、21:30~23:24の2時間だった。この為、この年の「新春かくし芸大会」は例年より30分繰り上がって放送された。スタジオは通常のレモンスタジオではなく渋谷ビデオスタジオから放送した。この回は(当時)X JAPANのYOSHIKIの大晦日ライブで使われたドラムセット(この回最高の100万円越えをした)、細川ふみえの残り湯と「新春かくし芸大会」の消え物(セットの飾りなど)、(当時)ヤクルトスワローズ監督・野村克也の新年会招待など「新春オークション」に相応しい商品だった。
[編集] 出品された商品(権利)の一例
- 常盤貴子のお風呂の残り湯(Lot No.1、最初にオークションにかけられた品)
- 雑誌「ぴあ」の表紙登場権
- GLAYが昼休みの校内放送でライブをやってくれる権
- 篠原涼子の息入りエアクッション(購入者が実際いじめに遭った為、後日返品された)
- 石田純一が卒業謝恩パーティーで祝ってくれる権(女性限定)
- 辰吉丈一郎と薬師寺保栄がWBC世界バンタム級王座統一戦で装着していたバンデージ
- 漫画「美少女戦士セーラームーン」登場権
- 漫画「こちら葛飾区亀有公園前派出所」登場権
- 漫画掲載時、登場権獲得者が両さんに見せた証書には、局名が「関西テレビ放送株式会社」ではなく「株式会社フジテレビジョン」と表記されていた。(コミックス93巻参照)
- 「SPA!」今週の顔登場権
- 石橋貴明の髪の毛の筆
- 映画「耳をすませば」声優になれる権
- 吉野公佳がふとんを温めてくれる権
- サッカーの神様・ペレの足形
- ロバート・デ・ニーロ直筆の掛け軸「役者バカ」(他ジョディ・フォスター、ボン・ジョヴィも)
- 石橋貴明が事務所スタッフを使って不正に落札しようとした事件があった。
- 但し、最初のオークションの時点では「まだホームランを打っていない」段階であり、落札者に寄贈されたのはオークションが行われてから1年以上経ってからであった。これと合わせて2回オークションにかけられた。
- 道場六三郎の受験弁当
- とんねるずと一緒に「おっとっと」(森永製菓)のCMに出演できる権
- 小林幸子の紅白の衣装を着て「おもいで酒」を歌える権
- ナリタブライアンの「たてがみ」
- アルツ磐梯スキー場ゲレンデ貸し切り権
- 蛭子能収があなたの給料を競艇で勝負してくれる権
- 山本譲二が学園祭でコンサートをしてくれる権(実際のライブには木梨が飛び入り参加)
- 高橋英樹が成人の日に大人の遊びを教えてくれる権
- PENICILLINのライブでHAKUEIの人間マイクスタンドになれる権
- 河村隆一が落札者宅にてバラードを歌ってくれる権
- プリンセス・プリンセスのメンバーの一人になれる権
- プリプリ解散直前であり、最後はファン二人によるマッチレースの末、番組史上最高額での落札となった(453万円)、なお番組史上落札額が400万円を超えたのはこれのみ
- 2001年の27時間テレビにて生放送で復活したハンマープライスでの出品、落札金先払いで木梨との卓球対決に勝たないと車を獲得出来なかった。ちなみに車は当日乗車していたものであり、木梨本人へは出品される瞬間まで内緒だった。
- 音楽バンド「ステイツマン」が番組(木梨担当)全面協力でデビュー、しかしその直後に番組が終了してしまい有耶無耶に
- 渡辺美里が西武球場で貴方のためだけに歌ってくれる権
- MALICE MIZERが貴方の家を「マリスの館」にしてくれる権
これ以外に、「落札額が高額すぎて手が出せない」という視聴者を対象に、『エンポリオハンマープライス』と題したクズもの特集も組まれた。さすがに落札額は高くても2~3万円程度であった。
- 林家パー子のお風呂の残り湯
- 日刊ゲンダイ連載「やる気まんまん」(横山まさみち原作)登場権
- やくみつるのくだらないコレクションの数々
- 別所毅彦の草野球1日リリーフ投手権
- 米米CLUBのアラート入り炊飯器(30分前、20分前、10分前、炊き上がり時にカールスモーキー石井の持ち歌が替え歌で流れる)
- ルビー・モレノ,デーブ・スペクター、他外国人タレント1名のトーテムポール(顔面を石膏で型を取ったもの)
- 細川ふみえが、エステサロンのTVCMで着用した「巻き尺衣装」(商品解説中のトークで普段は口を挟まないオークショニアが「巻き尺になりたい」と発声し、とんねるずの二人を含め場内が大爆笑の渦に包まれる。その最中にオークショニアはカメラに向かって堂々のVサインを披露した)
- 中山秀征らの煙草の吸殻、落札最低額の150円が出た商品。始めは値段が上がっていったものの、バイヤーの高すぎはしないかという趣旨の言葉により、あっという間に下がっていった結果がこの値段。
[編集] その他
この番組をきっかけに杉本清はアナウンサーを定年退職後、とんねるずの所属事務所アライバルに所属することになった。
[編集] 前後番組の変遷
フジテレビ系 土曜23:00~23:30枠(関西テレビ制作MIZUNO枠) | ||
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