いつも心に太陽新聞!!
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『いつも心に太陽新聞!!』(いつもこころにたいようしんぶん)は、師走冬子の4コマ漫画作品。
目次 |
[編集] 概要
芳文社の雑誌「まんがタイムナチュラル」(不定期刊、2003年廃刊)で2001年4月号から2003年10月号(最終号)まで連載されていた。その後、1年半以上にわたる中断期間を経て、同社の雑誌「まんがタイムスペシャル」(月刊)2005年6月号から連載が再開され、2006年4月号まで連載された。
注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。
[編集] 作品概要
太陽新聞の広告所(広告作成専業の部署)に勤める3名の女性社員、こばと、桜木、浅葱を中心に、恋や駄洒落や爬虫類や中年男性萌えや写植や血まみれの竹刀や……と、様々に妙な出来事が起こる日常が描かれる。
[編集] 主な登場人物
- 高山 こばと(たかやま こばと)
- 太陽新聞広告所の広告版下製作担当。
- 血液型はB型。生まれ星座はさそり座。マイペースな性格で、ぼーっとしていることも多い。カーキ色のロングヘアーをツインテールにしている。化粧はほとんどせず、勤務時の服装もいつも普段着。
- 年上で、大人の包容力のある男性が好み。雪谷社長のことが好き。電話に出た社長の「低くて優しい声が忘れられない」とのことだったが、その電話の声は実は萌葱だった。
- 萌葱に好かれているが、迷惑がっている。年下は嫌い。
- 動物全般が好きで、動物関係の写真入り広告を扱う際には気合が入る。中でもヘビやトカゲなどの爬虫類が特に好きらしく、「世界の白ヘビ展」に行ったりもする。萌葱がデートに誘っても通常は断るが、動物園に誘った際にはOKした(但し、ゴキブリは苦手らしい)。
- いわゆる“オヤジギャグ”(駄洒落)を聞いたことがなかったため、「猫が寝込んだ」の類の洒落でも大笑いしてしまう。
- 寒がり。髪を伸ばしているのは、冬場にマフラー代わりにするため。
- 従妹のすずめは、身長はこばとの3分の1だが、顔は全く同じで見分けがつかない。動物好きという嗜好も同じ。
- 父親の名前は隼(はやぶさ)、母親の名前はつばめ、叔母に当たるすずめの母親(つばめの妹)はひばり、母の兄の息子(こばとの従兄)はつぐみと、親族はみんな鳥の名前がついている。
- こばと本人も、親戚一同も、口が描かれたことがない。
- 桜木 優(さくらぎ ゆう)
- 太陽新聞広告所の広告版下製作担当チーフ。こばとの先輩。
- モスグリーンのロングヘアー。特にまとめてはいない。勤務時はキャリアウーマン風のタイトなスーツ姿が多い。
- 3人の中では身長が最も高く、有能なキャリアウーマンっぽく見えるため、男性にとっては近寄りがたい雰囲気をまとっている。
- 外見のせいか、異性運が悪いのか、今のところ彼氏はいない。既にそれなりの年齢らしい(正確に何歳なのかは明かされていない)ので、お見合いパーティーに参加したりなど、常に男性と知り合う機会を窺っている。
- 雪谷 浅葱(ゆきや あさぎ)
- 太陽新聞広告所の経理担当。
- 生まれ星座はみずがめ座。淡いライム色のショートヘアーに赤いカチューシャを着けている。勤務時はスーツにネクタイ姿。
- 本作品で恐らく最強の人物。悪漢6名に囲まれても、難なくぶちのめすことができる。過去には、暴走族の頭(ヘッド)であったらしく、現在もその影響力は残っているらしい。犬や猫は、浅葱を見た途端に腹を見せる(服従を表す)。
- 普段は明るい性格でニコニコしているが、このような強さを背景とし、しばしば毒のある発言をする。
- 学生時代に“愛用”していた、血痕だらけの竹刀を持っている。また、痴漢を撃退する時は、返り血を浴びるほどのことを今でもやっているらしい。
- 雪谷 萌葱(ゆきや もえぎ)(※回によっては「萠葱」と表記されていることがある。)
- 浅葱の弟。雪谷写植店勤務。血液型はB型。
- こばとのことが好き。いつも一生懸命にアタックしているが、こばとは社長(萌葱の父親)の方を向いているため、なかなか報われない。だが、天然で明るい性格ゆえ余り気にしていないようだ。
- 方向音痴の気があるのか、よく迷子になる。
- 所長
- 太陽新聞広告所の所長。
- なかなかにふざけた性格であり、“オヤジギャグ”をよく発したり、所員が残業しているのに横で遊んだりなど、時と場所を考えない。所員にはいつも冷たく扱われている。
- 太陽新聞の占い欄に「真理の占師・アンドロメダ☆星子」の名で星占いを書いている。もちろん、占いの内容はいい加減。
- 仕事面では やり手らしい。
- 雪谷(ゆきや)社長
- 雪谷写植店の社長。浅葱と萌葱の父親。
- 温和で優しい性格。妻を亡くしているらしい。こばとに好かれているが、気付いていない模様。
- ラーメンは細め、女性はふくよかな方が好みらしい。
- 若い頃は、浅葱を超えるほどのワルだったらしい。
- 小暮 映子(こぐれ えいこ)
- 太陽新聞本社の記者。
- 広告所を訪れた際に、萌葱と偶然会って一目惚れ。その後は萌葱に会うために、しばしば広告所に現れる。
- 仕事の邪魔になるので、広告所勤務の3人には嫌われている。
[編集] 書誌情報
[編集] 掲載誌
すべて芳文社刊。
- 「まんがタイムナチュラル」(不定期刊、2003年廃刊) 2001年1月号から2003年10月号(最終号)まで毎号掲載。
- 「まんがタイムジャンボ」(月刊) 2005年2月号にゲスト掲載。
- 「まんがタイムスペシャル」(月刊) 2005年6月号から2006年4月号まで毎号掲載。
[編集] 単行本
芳文社より「まんがタイムコミックス」として刊行されている。全1巻。
なお、単行本ではタイトル末尾の感嘆符が外され『いつも心に太陽新聞』となっている。また、まんがタイムジャンボのゲスト掲載分は収録されていない。
- いつも心に太陽新聞(2006年5月23日初版発行 2006年5月8日発売) ISBN 4-8322-6461-3
[編集] その他
当初、本作品が連載されていた「まんがタイムナチュラル」は、「まんがホーム」の増刊扱いで、かつて2~4ヶ月に1回のペースで不定期に刊行されていたが、2003年10月号を最後に発売されなくなった。そして、数ヵ月後に一部の作品が芳文社の他誌に移籍して連載を開始したことにより、読者は初めて「まんがタイムナチュラル」が廃刊となったことを知るに至った(つまり、読者に対して何の予告もなく突然廃刊となったといえる)。本作品は他誌に移籍されなかったため、必然的に連載終了となった。単行本化もされておらず、更に国立国会図書館にも「まんがタイムナチュラル」は所蔵されていない(要確認)ため、師走冬子のファンにとっては長らく幻の作品となっていた(現在は単行本化済)。
2004年3月には、著者の公式サイトの日記においても、本作品は既に終了したものとする記述がみられた。だが、連載終了から約1年4ヶ月を経た2005年1月、「まんがタイムジャンボ」2005年2月号に本作品がゲスト掲載された(『あおいちゃんとヤマトくん』との2本立てである)。この回の内容は、改めて登場人物の設定等を読者に紹介するような構成となっていたため、ファンの間では連載再開への期待が高まった。
同年4月には、その期待に応えてか、「まんがタイムスペシャル」2005年6月号において連載が再開された(なお、「まんがタイムスペシャル」では、その前号まで『スーパーメイドちるみさん』が連載されていた)。連載終了から1年半以上を経て再開されるという、4コマ誌においては珍しい例となった。(ちなみに、同月には「まんがタイムジャンボ」2005年5月号において、上述の「まんがタイムナチュラル」廃刊に伴って終了した『べたーふれんず』(辻灯子)も、改題して連載を再開している。)
なお、作品としては完結した形ではなく、単行本あとがきにも著者自身が「いつかひょっこり帰って来るかも」と記しているので、今後もゲスト掲載や連載再開の可能性がある。
本記事は、「まんがタイムナチュラル」2002年11月号・2003年1月号・4月号・8月号・10月号、および「まんがタイムセレクション 師走冬子」(「まんがタイムスペシャル」2003年4月号増刊)、「まんがタイムジャンボ」2005年2月号、単行本の内容のみを典拠として作成されています。本記事を引用される場合は、この点にご注意ください。また、これら以外の掲載号をお持ちの方は加筆をお願いいたします。