李重福
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李重福（りちょうふく、681年 - 711年）は、唐の皇族。第4代皇帝中宗李顕の庶長子。生母は不詳だが、おそらく下賤の女性と思われる。爵位は譙王。
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[編集] 略要
[編集] 不運の皇子
彼は生母が下賤出ということもあって、初めから皇嗣候補と見られず、しまいには継母の韋皇后から嘲笑の対象となった。 当然、祖母の武則天からは無視された蚊帳の外のような存在だったという。このように李重福は長男でありながら庶子のために逆境の生活を過したという。成人して均州刺史（現/湖北省襄陽）として赴任した。
韋皇后の子で異母弟の李重潤（懿徳太子）が妹と共に祖母に処刑されると、李重福は濮州の員外刺史に左遷された。 やがて、祖母の武則天が没し、継母の韋皇后母娘が父の中宗を毒殺し君臨するも、従弟の李隆基らの決起で韋一門らは李隆基に惨殺されるが、李重福にはなんの音沙汰もなかったのである。李重福は、このことに疑問を抱いた。やがて、洛陽出身で腹心の張霊均と、たまたま韋皇后に嫌われて、吏部侍郎（内務副長官）から江州中司馬として左遷された鄭愔、そして厳善思らによって、李重福は擁立され、挙兵したのである。
そんな時に、腹違いの末弟の李重茂（殤帝） が長安で叔父である相王の李旦に譲位した報を聞いたのである。これを聞いた李重福は当然焦り始めたのである。それでも張霊均と鄭愔と厳善思らは「殿下は先帝の嫡長子であらせられまするぞ。相王（李隆基）なんぞは所詮庶流です。お気をしっかりなされよ」と主君を励ましたのである。
ところが、洛陽にいた留台侍御史の李邕は皇太子の李隆基の厳命を受けて河南付近の各豪族達に呼びかけて「諸君達よ、譙王は亡き中宗の長男とはいえ、所詮は庶長子で罪を得て左遷した身である。皇太子殿下からは譙王の軍勢を壊滅せよとの命が発された。今こそ、譙王の軍勢を滅ぼして、富貴を手にする機会である」と檄を飛ばしたのである。こうなると洛陽の豪族達は現金なもので、李邕の傘下に入り、洛陽郊外の天津橋で譙王の軍勢を待機した。
やがて李重福の軍勢が洛陽に迫ると、天津橋で李邕らは李重福の軍勢を挟み撃ちにして、これを壊滅したのである。 譙王･李重福は洛陽の東北方面に逃げたが、李邕の軍勢に追い詰められて河に入水投身し非業の自決を遂げた。そして腹心の張霊均は力尽きて捕虜となったが、鄭愔は女装して、逃亡を図ったが間もなく李邕の軍勢の捕虜となった。この両人は洛陽で処刑されたという。この時の張霊均は顔色を一つも変えずに堂々と死に臨んだが、逆に鄭愔は震え上がって助命を乞いてばかりだったという。この時の張霊均の最期の言葉は「譙王殿下の蜂起が無惨に失敗に帰したのは、鄭愔のような輩と組んだことであったわ。わしとしたことが迂闊だったわ」と叫んだという。なお、厳善思は助命されて、流罪で済んだという。
[編集] 宗室
[編集] 子
不詳
[編集] 文献
- 『新唐書』（巻八十一 列伝第六）
- 譙王重福，高宗時王唐昌郡，徙封平恩。長安末乃進王。神龍初，韋庶人譖與張易之兄弟陷重潤，貶濮州員外刺史，徙合、均二州，不領事。景龍三年，中宗親郊，赦天下，十惡者咸宥，流人得還。重福不得歸，自陳「蒼生皆自新，而一子擯棄，皇天平分，固若此乎。」不報。
- 韋后得政，詔左屯■大將軍趙承恩、薛思簡以兵護守。睿宗立，徙集州，未行，洛陽男子張靈均説重福曰：「大王居嫡長，當為天子。相王雖平大難，安可越居大位。昔漢誅諸呂，乃東迎代王。今百官士庶皆願王來。王若陰幸東都，殺留守，擁兵西據陝，徇河南、河北，天下可圖也。」重福又遣靈均與其黨鄭愔計，愔亦密招重福為天子，豫尊睿宗為皇季叔，重茂皇太弟，制稱中元克復元年，愔自署左丞相，知內外文武事，以靈均為右丞相、天柱大將軍，知出征事，其餘以次除署。重福自均州與靈均乘馹趨東都，舍駙馬裴巽家。洛陽令候巽，重福驚，遽出，欲劫左右屯營兵，至天津橋，願從者數百人。侍御史李邕遇之，先馳至右屯營，呼曰：「譙王得罪先帝，擅入都為亂。公等勉立功取富貴。」稍稍閉皇城諸門以拒。重福徇右營不能動，趨左掖門，已闔，怒，縱火燒之。左營兵寖逼，■遂潰，重福走山谷。明日，留守裴談總兵大索，投漕渠死，年三十一，磔其屍。帝詔以三品禮葬。
